個人再生をすれば、借金を5分の1に減らすことだってできる

 

個人再生は、借金の額を大幅に減額して経済的な再生を目指す制度です。
特に、住宅ローンを抱えている場合に、家を手放さずに債務整理ができる点が大きなメリットと言えます。
しかし、メリットが大きい分だけ手続きが複雑で、注意しなければならないことも多くあります。
個人再生の認可には債権者の同意を得られることと、棄却や不認可となる事由がないことが必要です。そのためには、正しい知識を持つことと、専門家への相談が欠かせません。

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個人再生を利用できる条件とは

まず第一に個人再生をするためには、以下の条件を満たす必要があります。

・債務総額のうち、住宅ローン以外の債務が5000万円を超えていないこと。
・個人再生をしなければ破産を選択せざるを得ない状況であること。
・再生計画を実行できるだけの反復、継続的な収入の見込みがあること。
・その他、法定の不認可事由などに抵触しないこと。

個人再生が不認可になってしまう条件とは

個人再生が不認可になってしまう条件とは、再生計画が不認可となることを指します。加えて、再生手続き開始の申し立て自体が棄却される場合があります。その両方を確認しましょう。

1 再生手続きの費用の予納がないとき。
2 破産手続きか特別清算の手続き中で、そちらのほうが債権者の一般の利益に適合するとき。
3 再生計画案の作成、可決または再生計画の認可の見込みがないことが明らかなとき。
4 不当な目的による再生手続き開始の申し立て、または誠実な申し立てでないとき。
5 再生手続きまたは再生計画が重い法律違反であって、不備を補正できないとき。
6 再生計画が遂行される見込みがないとき。
7 再生計画の決議が不正の方法で成立したとき。
8 再生計画の決議が再生債権者一般の利益に反するとき。
9 住宅ローンなどの計算外の債権が5000万円を超えるといった、金額に問題があるとき。
10 継続または反復して収入を得る見込みがないとき。

個人再生では、原則3年間で圧縮した債務を完済する必要があります(※住宅ローンがある場合は、住宅ローンの支払いもあり)。そのため、債務の額に応じた最低弁済額を捻出できる収入の見込みがない場合や、再生計画案に無理がある場合などで認可にたどり着けなくなるのです。

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個人再生のメリット

【借金が5分の1に】個人再生は借金を大幅に減額可能

債務の総額 最低弁済額
100万円未満の場合 全額
100万円以上500万円未満の場合 100万円
500万円以上1500万円以下の場合 債務の総額の5分の1
1500万円を超えて3000万円以下の場合 300万円
3000万円を超えて5000万円以下の場合 債務の総額の10分の1

個人再生を選択するメリットは、借金の残高を大幅に減額できることです。残高が500万円以上1500万円以下のケースでは、5分の1へ大幅減額となります。また、1500万円を超えると最高で10分の1まで圧縮されます。

ただし、すべての再生債務者が大幅な減額の恩恵を受けられるわけではありません。少ない残高を大幅に縮小した場合、債権者に著しく不利益となってしまいます。個人再生では、少なくとも100万円の弁済が定められているため、残高が少ないほど圧縮幅も小さいものとなるのです。

一般的な多重債務者の場合、残高が100万円や200万円までということは少ないでしょう。しかし、数千万円にも達することもレアケースとして考えられます。数百万円から多くても1000万円を超える程度の債務残高であると考えた場合、実質的には3分の1から5分の1への減額になるということです。

したがって、100万円かそれに近い金額になるケースが多いと考えられます。たとえ3分の1であっても、十分なメリットと言えるでしょう。

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個人再生のデメリット

信用情報機関に事故情報が一定期間登録される

個人再生をすることによって生じるデメリットのひとつが、信用情報機関に一定期間にわたって事故情報が登録される点です。

・信用情報機関

個人のローンやクレジットに関する情報などの信用情報が登録されている機関です。信用情報には、クレジットカードや借り入れの申し込み、返済状況、事故情報などがあります。信用情報を登録するのは信用情報機関に加盟している消費者金融業者やクレジットカード会社、銀行などです。

経済産業大臣によって指定された指定信用情報機関には、JICC、CIC、全国銀行個人信用情報センターの3つがあります。この3つには加盟する業者(業界)による違いがあるものの、現在では信用情報機関の間で提携が行われています。

・事故情報

俗にブラックリストと呼ばれることがあるのが事故情報です。返済日に支払いがなかった場合や、破産、調停などの債務整理が行われた場合にも事故情報として登録されます。個人再生をしたときにも事故情報として登録されるので、一定期間は各信用情報機関に加盟する業者が与信判断に利用できます。これによって、新規のローンが組めない可能性が高くなる点がデメリットとして考えられます。

・事故情報が登録される期間

登録される期間は、情報の種類と信用情報機関によって異なります。個人再生の場合は、5年または10年です。ただし、期間の起算点については契約終了日、事実の発生日、決定があった日と信用情報機関によって異なります。ちなみに、10年としているのは全国銀行個人信用情報センターで、決定日から起算します。したがって、概ね10年は登録情報が消えないと考えておけば良いでしょう。

審査が通らない影響でクレジットカードの作成、借り入れが困難に

事故情報が登録されると、信用情報機関に加盟している各クレジットカード会社などは、いつでもその情報を確認することができます。そのため、事故情報が登録されてしまうと、新規の申し込みを行っても審査に通らなくなる可能性が大となります。

新規のカード申し込みや借り入れの申し込みについて、各業者はほぼ例外なく信用情報機関に情報の照会を行います。消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者の場合は、登録情報を審査に使用しなければならない決まりがあるのです。

これは、与信判断のひとつのファクターです。最終的に審査を通すかどうかは各業者による総合的な判断ですが、貸金業者は過剰貸付を禁止されています。事故情報がある限り、どの業者であっても通らない可能性のほうが圧倒的に高いでしょう。

使用しているクレジットカードが使えなくなる

事故情報の登録によるデメリットはそれだけではありません。もうひとつ、大きなデメリットとして使用中のカードが使えなくなることが挙げられます。

新規の作成や借り入れの際だけでなく、カード会社などは利用中の会員についても信用情報をチェックしています。そのため、事故情報が確認されると、その時点でカードを利用できなくなることがあるのです。

ケースによって返済機能だけは使える場合もあるようですが、新たな利用は難しいと考えられます。また、利用規約上では、個人再生の申し立てをした時点で残債務の一括弁済をするものとされていることが多いようです。

個人再生をすると官報に情報が掲載される

個人再生をすると、その事実は官報に掲載されます。官報とは、国が発行している一種の情報紙、機関紙であり、政府から発せられる情報を伝達するための公的な手段です。実際に官報を発行しているのは、独立行政法人である国立印刷局(財務省印刷局が前身)です。長年にわたり紙媒体として発行されていて、現在ではインターネット版の官報も発行されています。

主な掲載事項には、法律や政令、省令などの法規関係、官庁の人事、入札、選挙、個人再生の公告というように、いろいろな情報があります。

官報には、個人再生をした債務者の住所氏名など主要な情報が載っているため、貸金業者や銀行などでは官報をチェックしています。つまり、各業者の与信判断に重要な情報を知られてしまうことになります。

この点から、個人再生をしたことが官報に掲載されると、信用情報機関に事故情報が登録されたときと同じデメリットがあると言ってよいでしょう。

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個人再生の手続き期間と流れ

個人再生の手続きのスケジュール

個人再生にかかる期間、スケジュールは、個別の案件ごとに違い、裁判所によっても異なります。ここでは、個人再生委員が選任された場合の例をご紹介しておきます。個人再生委員が選任されないケースでは、2ヶ月ほど早く終了することが多いと考えられます。

まず、申し立てから審尋が行われて、再生手続きの開始決定が出されるまで約1ヶ月かかります。その後、債権の届出などの調査期間を経て申し立てから4ヶ月程度で再生計画案の提出期限となります。債権者の議決を終えて認可となるのは、申し立てから半年程度経過したときです。

次に、個人再生の手続きの流れを確認しておきましょう。

個人再生の手続きを本人だけで行うことは現実的に難しいため、弁護士に委任した場合の小規模個人再生の流れを記します。

(1)弁護士への相談

現状と将来的な再生についての相談から始まります。この段階で、個人再生が選択肢として妥当かどうかの基本的な判断を行います。

(2)弁護士による債権者への受任通知

個人再生に限らず、債務整理を受任した弁護士は債権者へ受任通知を送ります。介入通知とも呼ばれているもので、取引履歴の開示などと併せて債務整理への協力を要請する通知です。以後は債務者本人への催告などが止まります。

(3)個人再生の申し立て

裁判所への申し立てを行います。申し立てに不備などの問題がなければ手続きが進みます。

(4)再生手続きの開始決定

法律上の棄却条件に該当していなければ、再生手続きの開始決定が出されます。

(5)債権者への確認

債権の届出、異議などを経て債権額が確定されます。

(6)再生計画案の提出

再生計画案は、裁判所から指定された期限までに提出します。

(7)債権者の議決

再生債権者の半数以上が不同意と回答するか、不同意と回答した債権者の債権額が全体の過半数であるとき、再生計画案は否決となります。そうでない場合が可決です。

(8)再生計画の認可

再生計画案が可決された場合、不認可とすべき事由に該当するケースを除いて、再生計画は認可されます。

(9)再生計画に基づく弁済

約3年にわたる返済が開始します。

個人再生の必要書類を一覧で紹介

個人再生の申し立てを行うにあたって、必要な書類には以下のものがあります。

個人再生に必要な書類 書類の内容・該当する書類
申立書 個人再生を申し立てることを記した書類。
委任状 個人再生を弁護士に委任する書類。
陳述書 借金の経緯や事情、弁済予定などの説明文書。
債権者一覧表 借入相手の一覧表。残債務、住所、名称などを記載。
家計一覧表 同居者も含めた世帯としての家計状況を記載した書類。
財産目録 財産と呼べる不動産や車、預貯金、株などの一覧表。
戸籍謄本 3ヶ月以内に発行されたもの。
住民票 3ヶ月以内に発行された世帯全員分。
給与明細書 収入を証明する書類。3ヶ月分。
源泉徴収票 収入を証明する書類。2年分。
確定申告書 収入を証明する書類。2年分。
課税証明書 収入を証明する書類。
預貯金通帳(コピー) 最新の記帳状態のもの。
登記簿謄本 財産を証明する書類。土地や建物について。
固定資産評価額証明書 財産を証明する書類。
不動産査定書 財産を証明する書類。不動産業者による査定。
賃貸借の契約書 財産を証明する書類。借家に居住している場合。
住宅ローン契約書 財産を証明する書類。
車検証 財産を証明する書類。
退職金見込み額証明書 財産を証明する書類。取得できない場合は退職金規定など。
保険の解約返戻金証明書 財産を証明する書類。
その他の添付書類 必要に応じて添付する。

個人再生の申し立てに必要な書類は、すべての裁判所で同じものだとは限りません。また、同じ中身を求めるものであっても、ひとつの文書になっていたり、別の文書になっていたりすることがあります。したがって、管轄の裁判所に合わせた書類の準備が必要となります。

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個人再生にかかる費用はどのくらいか

個人再生において裁判所へ支払う費用

個人再生においてかかる費用のうち、裁判所へ支払うものには以下のものがあります。

・収入印紙…裁判所の手続きそのものの費用として1万円分を納める。

・郵便切手…債権者数によって異なるものの、概ね数千円まで。

・予納金…15万円程度だが、もっと多い裁判所もある。予納金は官報の掲載費用と個人再生委員の費用。

注意したいのが、裁判所によって費用に違いがあることです。また、個人再生委員が選任されない場合は、それだけ最終的な費用負担は減ります。これには、弁護士を代理人にしているかどうかが影響することもあります。

いずれにしても、裁判所ごとに費用の規定が異なることを覚えておきましょう。

【分割可能】個人再生にかかる弁護士費用

個人再生を弁護士に委任する場合、どうしても費用が気になるでしょう。個人再生は簡単な手続きではないので、弁護士費用もそれなりの金額が必要です。

しかし、まとまった金額を一括で支払うとなると、これから個人再生をしようという人には大きな負担になります。何十万円もの弁護士費用が用意できず、個人再生の申し立てができないのでは、生活を立て直せません。そこで注目したいのが、弁護士費用の分割払いに対応している法律事務所です。

弁護士法人サルート法律事務所なら、弁護士費用の分割が可能です。サルート法律事務所では、個人再生の費用は、住宅ローン特則ありの場合で60万円からです。分割払いにすれば、無理のない再生を目指すことが可能となるでしょう。

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【住宅ローン特則】個人再生は家を失わずに借金を解決できる

住宅ローン特則とはどのようなもので、どのような効果があるのか

住宅ローン特則とは、住宅ローンを返済中の自宅を手放すことなく債務整理ができるように設けられている個人再生の規定を言います。法律上の「住宅資金貸付債権に関する特則」のことです。

住宅ローン特則には、本来であれば清算しなければならない自宅をそのまま残せるという大きなメリットがあります。住宅ローンを完済するまでは、その土地と建物には銀行などの抵当権が設定されているのが一般的な扱いです。返済が行き詰って債務整理を行う場合には、抵当権が実行されて家を失うことが珍しくありません。しかし、住宅ローン特則を使えば、家を失うことなく債務整理ができるのです。

ローンの支払い中の住宅を残すための規定が存在する理由としては、住宅は人間の活動拠点となるものであり、住宅を失うことで経済的再生が困難になるおそれがあるからです。

住宅ローン特則を利用できる条件

個人再生で住宅ローン特則を利用するためには、以下の条件があります。

・質権や留置権、特別の先取特権がないこと。

・他の抵当権が設定されていないこと。

住宅ローン特則を適用できる場合の基本的な考え方は、住宅ローンを別扱いすることで債権者間に不公平が生じないようにする点です。ローンが残っている住宅の場合は、完済している住宅と異なり、処分の有無にかかわらず住宅ローンの債権者以外には関係がないケースがあります。処分したとしても、ローン残債以下にしかならない場合です。

また、多少残債を上回る額になるとしても、それに相当する額を再生計画に組み込めば問題はありません。このような考え方のため、上記のように住宅ローン以外の担保権がある場合には、住宅ローン特則を使うことができません。

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個人再生であれば、車を手放さずに済むことも

車にローンがなければ、個人再生をしても車は残せる

個人再生では、自己破産と異なり、財産と呼べる車があったとしても、ローンがなければ手放さないことが可能です。しかし、車の場合は住宅ローン特則のような制度がありません。そのため、ローン支払い中の車は、所有権を持っているローン会社などに回収されてしまう可能性が高くなります。

車を残して個人再生をする方法としては、以下のようなものが考えられます。

ローン残債の一括弁済…完済することで所有権が自分に移転するので、回収される心配はなくなる。

名義変更…自分名義ではなくなるので、個人再生と関係がなくなる。

ただ、この2つの方法には問題があります。個人再生をしなければならない状態での一括弁済は、特定の債権者を利する行為になりかねません。

また、所有権を持っていない車の名義変更を勝手にはできないし、できたとしても財産の隠蔽となり得ます。

法的な問題を生じさせずに残す手段としては、誰かに立替払いをしてもうくらいしかありません。この場合、払ってくれた人も債権者と同じ扱いとなり、立替払い債権額が圧縮されます。

車を残さなければ再生に支障をきたすようなケースでは、例外的に車を残すことができます。しかし、一般の債務者ではまず無理だと考えられます。

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車が高級な場合は要注意。再生債務の額が上がってしまうことも

ローンのない車は手放す必要がないのが個人再生とはいえ、債務整理である以上はただ所有し続けられるわけではありません。車の価値に見合った額を再生債務として弁済する必要があります。

車の価値が低い場合であれば、最低弁済額の範囲内で片付くこともあります。しかし、高級車など価値の高い車を残す場合は、弁済額が上がってしまう可能性があるので要注意です。

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