自己破産後の生活はどうなる?家族や仕事への影響と賃貸契約の手続き

2018.04.05 更新

自己破産したらその後の生活はどうなる?
仕事や家族にはどんな影響があるの?
自己破産後の賃貸契約などの手続きはどうなるのか

自己破産をしたらその後の生活がどうなるのか不安になるものです。自己破産が今後にどう影響を及ぼすのか事前に知ることで心の負担も軽くなります。

この記事では自己破産をしたときに生じるさまざまな疑問を解決していきます。

自己破産の誤解

  • 自己破産は仕事や就職活動には影響しない
  • 自己破産しても生活保護は受けられる
  • 自己破産後、クレジットカードは作れないがアパートやマンションを借りることができる

目次

自己破産後の生活はどうなる?

自己破産後の生活はどうなってしまうのか?

これが不安で自己破産への第一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか?
自己破産という表現がネガティブなものであるため、間違った認識をしている方がたくさんいるのが現状です。確かに自己破産にデメリットはありますが、一般の方が想像するほど私生活に悪影響を与えるものではないのです。

仕事への影響

では、自己破産すると仕事にはどのような影響があるのでしょう?
自己破産を理由に退職を迫られることがあるのでしょうか?

職場には自己破産後したことはバレない

結論から言えば、職場に自己破産した事実を知られる心配はほとんどありません。

職場が債権者(借金の借入先)である場合は裁判所からの通知が行くことになりますが、そうでもない限り、裁判所がどこかに通知を出すことはありません。
唯一、外部に情報が洩れるとすれば、自己破産の事実は「官報」に掲載されてしまう点です。官報というのは、国が発行する広報誌のようなもので、法改正の公布などに利用されてています。
しかし、一般の方が目にする機会はまずありません。
今はじめて官報という存在を知った方も多いのではないでしょうか。官報の認知度から見ても、職場だけに限らず、自己破産した事実を周囲に知られる心配はまずありません。

自己破産後でも就職・転職活動には影響しない

自己破産が就職・転職活動に悪影響を及ぼす心配もありません。

確かに官報に自己破産の事実は掲載されますが、現実にそこまでの身辺調査を行う企業はほとんどありません。また、犯罪をした場合の前科などとは違って、過去の自己破産を履歴書の「賞罰欄」に記載する必要もありません。

もちろん、面接の場で自己破産を伝える必要もありません。自己破産は自ら公表するものではないのでご安心ください。

結婚や家族への影響

自己破産後に結婚する場合や、現在の家族にはどのような影響があるのでしょう?

自己破産すると数年間は新たな借入ができなくなるデメリットがあります。それゆえ、クレジットカードを保有したり、住宅ローンを組んだりもできなくなります。

直接結婚に影響するわけではありませんが、新たな借入ができないと生活が多少不便にならざるを得ません。とはいえ、現金であればショッピングには困りませんし、新たな借入ができない状態も5~7年程度で解除されるため、そこまで心配はありません。

現在の家族にはどのような影響があるのか

次に現在の家族にどのような影響があるかについてですが、こちらも上記と同様です。不便が一切ないわけではないものの、永年続く心配はないのでご安心ください。
正常な金銭感覚が身に付くという意味では、借入ができない生活もデメリットばかりではありません。

離婚後の養育費はどうなるの?
自己破産が何かしらの影響を与える心配はありません。
というのも、自己破産しても養育費は免除になりません。養育費を受け取る側は、そのまま受け取ることができますし、支払う側はそのまま支払っていなければならないのです。
ただし、経済的に養育費を支払えない状況は十分想定されるため、受け取る側は注意しましょう。

自己破産後でも生活保護は受けられる

自己破産しても生活保護を受けることはできます。自己破産と生活保護にはなんら関連性がないため、自己破産後に生活が困窮しているのであれば、生活保護を申請して受給できるのです。

もちろん、自己破産前に生活保護を受給することも可能となっています。
ただし、この場合は自己破産が前提となる(原則的に借金がある状態で生活保護を受けることはできない)ため、生活保護申請と平行して自己破産手続きを進めていきましょう。

自己破産の時効はいつまで?ペナルティはあるのか

自己破産自体に時効という概念はありません。
ただし、一度自己破産すると、その先7年は再度の自己破産は認められていません。
7年以上経過していれば、2度目の自己破産は可能です。ただし、1度自己破産しているのに反省がみられないとして、手続きの難航が予想されます。自己破産の数に制限はありませんが、複数回の自己破産は手続きで不利になる点は必ず覚えておきましょう。

自己破産にはどのようなペナルティがあるのか


自己破産にはそれほど大きなペナルティは存在していません。しかし、自己破産したことによって今後の生活に多少の不便さを感じることはあるかもしてません。

では具体的には自己破産にはどのようなペナルティがあるのでしょう?

まずは上述しているように、数年間は新たな借入ができない点です。自己破産すると個人信用情報機関にブラックとして登録され、クレジットカードの保有が困難になります。

次に、保有財産がある場合は、手続きの中で回収され、債権者への配当に充てられてしまう点です。

基準としては時価で20万円以上となっているため、自宅といった高額な資産を保有している場合の自己破産には注意しなければなりません。しかし、そもそも高額な資産を保有していなければ、こちらのペナルティは気にする必要はありません。

その他にも、裁判所へ自己破産の申し立て(正確には破産手続開始決定後)から免責決定が出るまでの期間、就けない職業や制限される資格があります。たとえば、警備員や生命保険募集人などになることができません。
資格でいえば、行政書士や社労士なども対象となっています。
とはいえ、手続きがすべて終了すれば、こうした制限は解除されるためご安心ください。

また、手続き中は遠方への旅行や引っ越しができない制限もあります。ただ、こちらは裁判所からの許可を得ることができれば、手続き中でも行うことが可能です。

保証人への影響

自己破産する上で、保証人への影響は避けることができません。
債務を保証しているのだから、支払えなくなれば保証人に請求がいくのは当然です。借入先の対応次第では、一括での請求を求められる危険もあります。よって、場合によっては保証人と揃っての自己破産も視野にいれなければなりません。

よく連帯保証人でなければ支払い義務はないと考えている方がいますが、そんなことはありません。
連帯保証人と保証人の違いは、保証人に「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」の3つが認められているのに対し、連帯保証人にはこの権利ないという点だけです。

それぞれ簡単にご説明すると、催告の抗弁権とは、まずは主債務者に請求するよう主張できる権利のこと。
検索の抗弁権とは、主債務者の財産から差し押さえるように主張できる権利のこと。
そして、分別の利益とは、保証人が複数いる場合に、按分した金額だけ支払えば良いというもの。

一方で、連帯保証人にはこの権利がないため、言ってしまえば主債務者とまったく同じ債務を抱えているといっても過言ではありません。

とはいえ、いずれの場合でも支払い義務がある点に違いはないため、保証人・連帯保証人がいる場合の自己破産は、相手に与える影響も考慮する必要があります。

自己破産後の手続きや契約はどうなる?

では、最後に自己破産後の契約関係についても見ていきましょう。新たにアパートを借りることができるのか?銀行口座はどうなるのか?不安に感じている方も多いはずです。

クレジットカードを新しく作りたい

自己破産後、クレジットカードを作成したい場合はどうすれば良いのでしょう?

当然、現在持っているカードは使用できません
こちらは個人信用情報機関に登録されている、自己破産の情報が抹消される必要があります。個人信用機関によっては抹消までの期間を定めていますが、多くは公表されておらず、一般的には5~7年程度と言われています。
ただ、たとえ自己破産の情報が残っていたとしても、その他の属性(現在の年収や社会的な立場などのこと)が良ければ、クレジットカードの審査に通る場合もあります。

審査基準については各社ごとに定めているため、どのタイミングでクレジットカードを作成できるかの明言は難しいのが実情です。

自己破産後に賃貸契約は結べるの?

自己破産してもアパートやマンションを借りることはできます。

もちろん現在借りている家を追い出される心配もありません。大家に自己破産した事実を知られる心配はありませんし、仮に知られたとしてもそれを理由に追い出すことなどできません。

ただし、家賃の支払いがクレジットカード払いのみになっている物件の場合、契約が難しいので注意しましょう。とはいえ、クレジットカード払いのみしか対応していない物件も稀で、そこまで心配する必要はありません。

自己破産すると銀行口座は凍結されるのか

自己破産の際、銀行から借入があった場合、その銀行の預金口座は凍結されてしまいます。残高はそのまま借金と相殺(差し引きされてしまうこと)される場合もあるため、お金は入れておかないようにしましょう。

一方で、銀行からの借入がない場合は、そのまま利用することが可能です。
もちろん、自己破産後に新たな口座開設も可能となっていますので、自己破産が原因で銀行口座が利用できなくなる心配はありません。

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