教育資金はいつから、いくら貯めればいいの?

2019.10.01 更新

子育て世帯の大きな悩みである教育費。子供を持つご家庭の家計管理のご相談に乗っていると真っ先に出てくるお悩みといってもいいでしょう。

1人1000万円といわれるけれど、そんなに貯められない。どうやって貯めたらいい? そんなご相談は枚挙にいとまがありません。

今回は、実際にかかった教育費のデータをもとに、いつからいくらを貯めたらいいかを考えてみます。

教育費はいつから、いくらぐらいかかる?

教育費がいくらかかるかはそのご家庭によって違ってきます。一律でいくらと決まっているわけではありません。とはいえやっぱり目安となる数字が欲しいところです。

実際にかかった金額の調査結果を見てみましょう。

幼稚園にかかる費用

自宅で保育していた時期を過ぎ、幼稚園に入園するようになると毎月月謝がかかりだします。このころから習い事などを始めるご家庭も多いでしょう。

  • 公立幼稚園の学費:23.4万円/年(3年間で約70万円)
  • 私立幼稚園の学費:48.2万円/年(3年間で約144万円)

出所: 文部科学省「平成28年度子供の学習費調査の公表について

公立幼稚園に通う子供は平均で月8000円弱の習い事等をしており、私立幼稚園に通う子供は平均で月11,000円程度習い事等をしています。

小学校にかかる費用

義務教育となる小学校は公立と私立の学費の乖離が一番大きくなっています。幼稚園から公立小学校へ入学すると、学費の負担は減ることがほとんどですが、その代わりに習い事などが増えるご家庭が多いようです。

  • 公立小学校の学費:32.2万円/年(6年間で約193万円)
  • 私立小学校の学費:152.8万円/年(6年間で約916万円)

出所: 文部科学省「平成28年度子供の学習費調査の公表について

公立小学校に通う子供は平均して月18,000円弱の習い事等をしており、私立小学校に通う子供は平均して月51,000円程度の習い事等をしています。

中学校にかかる費用

小学校と同様に義務教育である中学校の学費も、公立と私立では大きな差があります。私立に行けば習い事などをしなくても済むと考える方もいますが、実際のところ私立中学でも学校外での活動費用がかかっていることが多いようです。

  • 公立中学校の学費:47.9万円/年(3年間で約143万円)
  • 私立中学校の学費:132.7万円/年(3年間で約398万円)

出所: 文部科学省「平成28年度子供の学習費調査の公表について

中学生の学校外費用は主に塾などの補助学習費が多くを占めています。公立中学校に通う子供は月25,000円程度の習い事等があり、私立中学校に通う子供は月に27,000円弱の習い事等をしています。

習い事等の総額は私立中学の方が若干多いものの、そのうち塾などにかかる費用は高校受験をすることの多い公立中学の方が多くなっています。

高校にかかる費用

義務教育である小中学校と違い、高校になると私立を選択する子供の割合も増えてきます。望んで私立に入学するケースばかりではなく、公立高校に入学できず私立になる可能性があることも考えておく必要があるでしょう。

  • (全日制)公立高校の学費:45.1万円/年(3年間で約135万円)
  • (全日制)私立高校の学費:104万円/年(3年間で約312万円)

出所: 文部科学省「平成28年度子供の学習費調査の公表について

高校生になると、学校外でかかる費用は塾などの学習補助費が多くを占めています。公立高校に通う子供は月15,000円弱の習い事等があり、私立高校に通う子供は月24,000円弱の習い事等があります。

ここで注意しなくてはいけないのは、大学受験のための塾や予備校代が受験をしない人も含めて平均されてしまっていることです。

大学受験のための学校外学習費は学習期間や選択する科目によって大きな違いがありますが、1年で30万円~100万円程度かかることが多いようです。

大学にかかる費用

大学費用は進路や選ぶ学校により授業料が異なり一概に計算するのが難しいものですが、おおよその数字を出してみます。

  • 国立大学 :4年間で約242万円
  • 私立文系 :4年間で約350万円
  • 私立理系 :4年間で約484万円

出所:文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
文部科学省「平成29年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について

授業料等の学校納入金以外を見てみると、自宅通学でも年間約59万円の費用が発生しているため、4年間で上記の学費以外にも235万円ほどはかかると考えられます。

よって国公立でも500万円、私立文系は580万円、私立理系の場合は700万円ほどを見越しておくほうがよさそうです。

もちろん自宅外通学になれば、さらに家賃や生活費などの仕送りが必要になる可能性もあるでしょう。

結局いくら貯めたらいいの?

それぞれの進路にかかる教育費を出してきましたが、結局いくら貯めたらいいの? と思うかもしれません。特に子供が小さいうちは「どんな進路を選ぶかわからないし」と思ってしまうものです。

ここで大事なのはいくら「かかるか?」ではなく、いくら「かけるか?」なのです。

子供がどんな進路を希望するかはさておき、希望した場合はどこまで親が出すつもりでいるかで貯める金額を決めていきます。

大抵の場合は親が働いている現役期に教育費を支払うため、いくらでもかけようと思えばかけられてしまいます。ですが、過剰に教育費をかけすぎればどこかにしわ寄せが来ます。

晩婚・晩産化が進んでいる昨今では、教育費が支払い終わってから老後費用を準備するのでは間に合わないことがほとんどです。住宅ローンの残債・必要な老後費用等を計算したうえで、どこまで教育費をかけるかを考えていきましょう。

また、高校までの学費は原則として毎月の家計から捻出するようにしましょう。私立小学校なら月に13万円、私立中学校なら月に11万円、私立高校なら月に9万円。これらの金額が毎月の家計から教育費として捻出できないようなら、収入に見合っていない進路の可能性もあります。

それを踏まえて、親が出すつもりでいる大学費用を貯蓄の目標としていくのがいいでしょう。

よく「大学は国立で!」とおっしゃる方がいますが、その場合はもし国立大学に落ち、学費の足が出た部分は本人が奨学金等で賄う、もしくは進学しないということです。私立に進学することになっても結局学費を出すつもりなら、初めから私立の予算で貯めていかなければいけません。

教育費はいつから貯め始めたらいい?

目標金額が定まったら、それが貯められる年数を計算し貯蓄をスタートしましょう。もちろん期間が長いほどひと月に貯める金額は少なくて済みますので、やはり子供が生まれたらすぐに準備をし始めるのが理想です。

推薦入学などの場合は秋口から入学費用などを支払うこともありますので、おおよそ17歳を目安に貯められると、ゆとりをもって支払いがスタートできます。

子供が生まれると児童手当が支給されます。所得によっては特例給付になりますが、そうでない限り、生まれてから児童手当の支給が終了する15歳の誕生日後の3月末まで、ずっと貯めていけば、児童手当だけで200万円以上のお金が貯まります。

給料とは別に入ってくるお金は分別管理しやすいため、支給されたらすぐに教育費を貯めるための口座などに移し、確実に貯めていけるといいですね。

例えば、私立理系大学の700万円を生まれてすぐから準備しだす場合、児童手当を貯金できれば残り500万円が目標額となります。

500万円÷17年=年間約29万円です。ボーナスなどがある場合は毎月の貯金と組み合わせながら計画的に貯めていけば、全く無理な数字ではないはずです。

近年は学資保険で教育費を増やすことは難しいですが、生まれてすぐに教育費計画を開始し、目標まで15年以上の期間がある場合は「積立投資」も視野に入ります。

短期で増やそうと思わなければ、大きなリスクを取らなくても投資初心者でも十分に増やすチャンスがあるのです。

賃金や物価の上昇は鈍くても、教育費だけは上がり続けていると言われる昨今、早くから準備することが肝心です。

「いくらかかるかわからないから」と後回しにするのではなく、まず夫婦のライフプランを見通しましょう。そのうえで「教育費はここまでかける」という金額を割り出したら、できる限り早くから準備を始めていきましょう。

執筆者プロフィール

塚越菜々子
税理士事務所に10年以上勤めたのち、ファイナンシャルプランナー(CFP)として独立。子育て世帯の女性を対象に、お金との付き合い方、ライフプランの提案を数多くサポート。
自分と同じ「ママ」たちに、お金の仕組みや損をさせない知識を、分かりやすく届けることを心がけている。

公式サイト:https://mamasuma.com/

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