自己破産の条件って?免責を得て借金がゼロになるたった2つの条件

2018.01.16 更新

自己破産をする条件とは

自己破産するための条件ってなんだろう?
条件が厳しくて自己破産できないなんてことはあるんだろうか……

このページでは、自己破産を認められて借金がゼロになるための条件や、認められないケースと確率について解説します。
自己破産について少しでも検討している方は、手続きに入る前に満たすべき条件を整理しておくことをおすすめします。

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  • 自己破産するための条件は、借金を支払えない状態にあること、免責不許可事由に該当しないことの2つ。
  • 9割以上の確率で免責を得ることができる

自己破産を申請すると、複雑な書類手続きや裁判官からの尋問があり、個人で進めるのは容易ではありません。
手続きを始める前に、まずは専門家である弁護士に無料相談してみましょう。

自己破産の目的は2つの手続きを経て免責を得ること

自己破産には破産手続と免責手続の2つのステップがある

自己破産が認められる条件を考える前に、自己破産には大きく2つのステップがあることをおさえましょう。

自己破産では、「破産手続」と「免責手続」の2つの流れを経ないと借金をゼロにすることはできません
それぞれの手続きは、以下の表のとおりです。

破産手続 債務者(借金の借り手)の財産額を調査・回収し債権者(借金の貸し手)のために清算する
免責手続 債務者が借金を返済する義務を裁判所に免除してもらう

自己破産の条件とは、2つの手続きをパスするための条件

上記の通り、自己破産で借金をゼロにするには「免責手続」までを経ないといけません。
免責手続によって、裁判所に「免責許可決定」を得ることが自己破産の最終目的と言えます。

つまり、破産手続のみを終えた段階では借金を支払う義務はまだ残っているということです。
財産が没収・清算されるのみで、借金返済の督促や取り立ては続き借金はチャラにはなりません。

自己破産が認められるための2つの条件

自己破産の2つの条件

では、自己破産で2つの手続をパスするための条件とは何なのでしょうか?
以下がその2つの条件です。

  1. 借金をこれ以上返済できないと裁判所に認めてもらうこと
  2. 「免責不許可事由」に該当しないこと

1.借金をこれ以上返済できないと裁判所に認めてもらうこと

自己破産手続の第一段階として、破産手続を終えなければなりません。

破産手続の申し立てが裁判所に受理されるには、借金総額・所得水準・資産などから判断して任意整理・個人再生など他の方法では解決できないと認めてもらう必要があります。

具体的には、所得水準が低くないと破産は認めてもらえないでしょう。
所得がある程度高いと、

  • 借金の元本を無くさなくても、任意整理で利息をカットするだけで十分だ
  • 個人再生で借金額を圧縮すれば、5年以内に返済できるだろう

と判断される可能性があります。

2.「免責不許可事由」に該当しないこと

第二段階は裁判所による免責手続ですが、「免責不許可事由」に当たると免責を得られません。

「免責不許可事由」とは、免責が認められない原因となってしまう事情のことです。
破産法という法律で定められています。(参照:破産法252条第1項)

以下の項目は、すべて免責不許可事由に該当する行為です。

  • 財産の隠匿行為
  • 返済に回せる財産を意図して減少させる行為
  • 特定の債権者にだけ返済する行為
  • ギャンブルやショッピング、株式投資やFXなどに多額の資金を費やす行為(浪費行為)
  • 返済する気がないのに(自己破産が前提で)新たな借り入れをする行為
  • 裁判所に対して虚偽の事実を報告する行為
  • 前回の免責許可決定から7年以内に免責許可を申立てる行為

上記の一つにでも当たると、原則として免責が許可されることはありません。

しかし、ギャンブルやショッピングが理由で借金を重ねる方は多そうです。
実は、免責不許可事由に該当していても免責許可を得られることがあります。

条件が足りずに免責不許可となるケースと確率

免責されない2つのケース|高確率で免責を得られる

自己破産の免責を得られないケースは、以下の2つです。

  • 免責不許可事由に該当し、かつ「裁量免責」を得られない
  • 非免責債権を抱えている

裁量免責とは?

自己破産手続では、免責不許可事由に該当する場合に例外的に免責許可を出す「裁量免責」という制度を設けています

裁量免責とは、自己破産手続を担当した裁判官が、自身の裁量にて(裁判官自身の考えで)免責決定を出すことです。

裁量免責を得るためには、裁判官との審尋(裁判所に出頭し事情聴取を受けること)に誠実な態度で臨むことが何よりも重要です。
具体的には、

  • 借金を返せなくなってしまったことへの反省の気持ちを示す
  • 生活を経済的に立て直すことへの意欲を示す

ということが大切です。

免責される確率は9割以上ある

免責不許可事由に該当する場合でも、裁量免責はよほどでない限り得られると言えます。
実際のデータでも、自己破産の全ての申し立てのうち9割以上で免責を得られています

そもそも自己破産という手続きは、多重債務者救済のため制度化されました。
借金問題に困っている、返済することが難しい、といった状況の人にとって、それほどハードルの高い手続きにはなっていません。

過度の心配はせずに、裁判所での手続きに誠実な態度で臨めば問題はありません。

弁護士の手助けを受けて裁判官にイメージを良くしてもらおう

裁量免責を受けるためには誠意をもって手続きに臨み、裁判官に良いイメージを持ってもらう必要があります
そのためにも、法律のプロである弁護士に手続きを依頼することがおすすめです。

依頼を受けた弁護士は、複雑な書類の作成を不備なく行います。
また、審尋の前に答えるべき内容やコツをアドバイスしてくれます。

法的な難しい手続きに正しく対処するためにも、専門家である弁護士の手助けを受けることは賢明な得策と言えます。

非免責債権は支払い義務がなくならない

上記の通り、基本的に自己破産では免責を得ることはできるのですが、全ての債務の支払い義務がなくなるわけではありません。
免責の対象にならないものを「非免責債権」と呼びます。

非免責債権は、例えば以下のようなものがあります。(参照:破産法253条)

  • 税金や年金など公的なもの
  • 破産者が悪意で加えた、不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 破産者が故意または重大な過失により加えた、人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 婚姻費用分担分や子どもの養育費、または直系血族や兄弟姉妹の扶養義務にかかる請求権
  • 従業員への給料や預り金
  • 破産者が知っていながら債権者名簿に記載していない請求権(※債権者が破産手続きの開始決定を知っていた場合は除く)
  • 罰金など

自己破産の手続きを申請するための条件

次に、自己破産手続きを申請するための条件、免責許可決定までの所要時間について説明します。

まず、自己破産手続きを弁護士に依頼すると、弁護士は借金の状態を把握するために債権調査と呼ばれる調査を行います。
この債権調査にかかる期間が、おおよそ2~3ヶ月程度です。

弁護士は債権調査が終了すると、次は自己破産申し立てに必要となる「申立書」の作成へと入ります。
また、申立書には添付資料として、申立人の課税証明書や給与明細、銀行口座の取引明細など様々な書類が必要になるため、申立書の作成を平行して書類の取得を行います。

さらに、申立書作成のため申立人から事情を聴取するなど、2~3ヶ月程度の準備期間を要します。

こうして自己破産の申立を裁判所へと行うと、次は裁判所からの決定を待つことになります。
最初に出される決定は、「破産手続開始決定」と呼ばれるもので、この決定を持って自己破産手続きが本格的にスタートすることになり、裁判所へ自己破産を申し立ててから免責許可出されるまでの期間としては申立てから1ヶ月程度です。

次に、破産手続きが必要な方とそうでない方とに枝分かれしていき、破産手続きが必要な方(免責不許可事由があるなど細かい事情の聴取が必要な方のこと)は、破産手続きのために選任された破産管財人による業務が3~6ヶ月程度は続くことになります。

一方で、破産手続きが必要ない方(免責不許可事由がなく細かい事情の聴取が必要ない方のこと)の場合、破産手続開始決定と同時に手続きは終了(廃止)され、免責許可申立てへと進んでいくことになります。

破産手続きが終了し、免責許可申立てがなされると、およそ1ヶ月程度で免責許可決定が出されることになります。
破産手続きの場合と違って、免責許可は申立てから許可までの期間はそれほど長く設定されていません。

つまり、破産手続さえ終了すれば、免責は目の前ということです。

上記をまとめると、弁護士に依頼した後、早ければ半年程度、遅くても1年程度で免責決定を得られると言えます。

免責許可決定までの手続きの流れまとめ

免責許可決定までの手続きの流れは以下の通りです。

  1. 自己破産を弁護士に依頼する
  2. 弁護士による債権調査が開始する
  3. 裁判所へ提出する申立書を作成する
  4. 管轄となる裁判所に自己破産(破産手続開始・免責許可の申立ての2つのこと)を申し立てる
  5. 裁判所から破産手続開始決定を得る
  6. (管財事件=破産手続きが必要な場合)破産管財人業務が開始する
  7. 破産手続が終了する(同時廃止される)
  8. 裁判所による免責許可の審理が開始する
  9. 免責許可決定が出る
  10. 免責許可決定が確定する(免責許可決定の官報掲載の翌日から2週間)

特に、申立書の作成などは専門的で複雑な作業なので、弁護士に依頼してみましょう。

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