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自己破産で車はどうなる?残す方法と引き上げられる基準

2020.02.28 更新

牛山 定彦
司法書士法人みつ葉グループ

牛山 定彦

この記事の監修

自己破産すると車は没収されてしまう...?

自己破産で、車を手放さなければならないか、手放さなくても良いかは車の価値、ローンの有無で異なります。

査定価格20万円以上の車や、ローンが残っている車は差し押さえられてしまう可能性が高いです

今回は、車を残せる条件について解説していきます。

また、車を残すために自己破産前に注意すべきことや家族名義の車はどうなるかなどの疑問にもお答えします。

自己破産以外の方法で解決したい方はこちら

自己破産をしたら車は没収されてしまう?

自己破産をして車を残せるかどうかの判断は、
「車のローンが残っているか」「車の現在の査定額はいくらか」によって異なります。

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ローンの支払いがまだ終わっていないまま自己破産をするとローン会社に没収されてしまいます。

ローンの支払いが終わっている場合でも査定額が20万円以上だと裁判所に没収されてしまいます。

車を所有し続けられるのはローンの支払いが終わっていてかつ査定額が20万円未満の場合のみです。

自己破産後、所有している車はどうなるか?
ローンが残っている ローン会社が没収
ローンが残っていない
(車の査定額が20万円を超える)
裁判所が没収
ローンが残っていない
(車の査定額が20万円未満)
没収されない

以下で条件別にさらに詳しく説明していきましょう。

ローンが残っている車は「原則」ローン会社が回収

自動車のローンが残っている場合、「原則」債権者のローン会社に回収されてしまいます

通常ローン会社との契約により、ローンを完済するまでの間は、車の所有権はローン会社が持っているケースがほとんどです。

そのような場合には車は所有権に基づきローン会社に回収されてしまうのが原則です。

ローン会社に車を回収されるのは、通常自己破産の手続きを弁護士・司法書士に依頼し、介入通知が送付されたタイミングです。

しかし例外があり、以下の方法であれば車を残すことができる場合があります。

第三者が一括返済すると車(査定額が20万円未満のもの)を手元に残せる?

それは、本人ではなく第三者がローンを一括返済することです。

第三者、つまり親や子供、保証人にお願いして、ローンを一括で支払ってしまえば、法的に問題なく、車を残すことができます。このことを第三者弁済といいます。

ただしその時点で所有者はあなたとなってしまうため、車の査定額が20万円以上の場合は、自己破産の申立後に裁判所に没収されてしまいます。

ローンを払い終えた車の査定額が20万円以上だと引き上げられる

一括購入やローンを完済している場合は、車の所有名義が本人になっているため、自己破産をしてもローン会社から車を回収されることはありません。

しかし、車の価値が20万円以上であれば、裁判所から没収される可能性が高くなります

なぜ20万円かというと、、査定額が低い場合は破産管財人を選出したり車を査定する手続きに費用がかかってしまい、債権者に分配される金額はほとんどなくなってしまいます。

それでは意味がありませんので、多くの裁判所では20万円を基準にしているようです。

自己破産で財産を失うなどのデメリットについての詳細はこちら

査定額が20万円を超えても免れるケースがある

車の価値が20万円を超えていても、裁判所によっては裁判所の許可決定を得ることによって破産者すべての財産の合計が99万円の範囲内であれば残せる場合があります(自由財産の拡張)。

たとえば、車の価値は30万円であっても、現金や預金残高など他の財産が60万円だった場合、合計90万円となり、裁判所の許可を得ることによって自由財産として継続して車を所有することを認められる可能性があります。ただし、すべての裁判所でこの運用がなされているわけではなく、必ず自由財産の拡張が認められるわけでもないため注意が必要です。

自由財産とは?

自己破産しても没収されず、引き続き破産者が自由に利用できる財産のこと。99万円以下の現金など。

査定額が20万円未満の車とは?

新車には法定耐用年数というものがあり、購入してから6年が経過している車は評価額が一気に下がり、無価値とされるケースがあります。

〈法定耐用年数の目安〉

種類 耐用年数
二輪自動車(バイク) 3年
小型・軽自動車 4年
普通自動車 6年

※国税庁ホームページより

上記の年数を使用した車の査定額は、20万円未満となる可能性があるでしょう。ただし裁判所によって年数の評価が異なる場合もありますので注意が必要です

また、法定耐用年数を超えたとしても、高級車や人気車であれば、査定額が20万円を超え、差し押さえの対象となるケースもあります。

介護や通勤でどうしても車が必要...特例は認められる?

車の価値が20万円以上と査定されても、車を運転する正当な理由があれば、残すことを裁判所が認めるケースがあります

その可能性があるのは「親の介護」や「病気の治療」のために車を使用しているケースです。

ただし、「仕事で必要」というケースは認められないことがほとんどのようです。

自分以外の名義の車は引き上げられない

自己破産をしたことで、自分以外の名義の車が引き上げられることはありません

例えば、親名義の車を使用者として使っていた場合などです。

しかし、自己破産前に車を自分名義から他の家族の名義に変えて使い続ける行為は、財産隠しとみなされるので絶対にやめましょう。

自己破産以外の債務整理なら車は回収されない?

どうしても車を残しておきたい方には自己破産以外の債務整理をおすすめします。

「車を手放さずに」借金を整理する2つの方法
任意整理 裁判所を介さず、債権者と交渉するため柔軟な対応をできる場合がある。
個人再生 ローン会社名義の車は引き上げられる可能性が高いが、協定を結んで回避できる場合がある。本人所有の車なら、没収されない。

任意整理や個人再生など自己破産以外の債務整理であれば、車を回収されるのを免れられる可能性があります。

ただし、任意整理・個人再生は自己破産と異なり、借金を毎月一定以上返済できることが前提となります。

自分はどの方法が一番合っているのかを弁護士・司法書士に相談してみるのも一つの方法です。

車を残したい人が自己破産前に絶対してはいけないこと3つ

自己破産前の名義変更は絶対にダメ

自己破産で財産が没収されるのは、本人が所有しているもののみで、家族が所有しているものは没収の対象にはなりません。

だからといって、自己破産の手続き中や直前に、所有している車を家族などの第三者に名義変更をすることは絶対にしてはいけません

それが裁判所に発覚してしまうと、財産隠しと判断され、免責が受けられなくなり、最悪自己破産しても借金が残るという事態に陥ることがあります。

自己破産前にローンを自分で一括返済するのはNG

先ほど、第三者にローンを一括返済してもらえば車を残すことができると紹介しましたが、自分で一括返済することはしないようにしてください

自己破産をする人が、特定の債権者にだけ返済することを「偏頗弁済(へんぱべんさい)」といい、自己破産で免責が受けられなくなることがあります。

弁護士・司法書士による自己破産の受任通知で債権者からの請求をストップしておきながら、特定の債権者にだけ支払うことは、その他の債権者からすると不平等になり、破産法でも禁止されています。

自己破産することをローンの保証人に秘密にしておくことはNG

車のローンに保証人が付いている場合、自己破産したことを秘密にしておいても、債権者がローンの保証人に連絡をするので、必ずバレてしまいます。

破産者が返済できない以上、債権者はローンの保証人に返済を求めるからです
自己破産を選択することが現実的になった段階で、保証人には誠意をもって説明しましょう。

自己破産後の車に関するQ&A

自己破産後、車のローンはいつから組めるの?
自己破産後に新車を購入したいと思っても、事故情報の影響で、7~10年程度の期間は自動車ローンを組むことができません。同じく、銀行のマイカーローンの審査も7~10年程度は審査に通りづらくなってしまいます。 ただし、自己破産後であっても、現金払いさえすれば自動車を買うことは可能です。
自己破産してもレンタカーは借りられる?
現金払いであればレンタカーは借りられます。しかしカーリースの審査は自己破産したことで7~10年程度は通りにくくなってしまいます。
自己破産すると自動車保険はどうなるの?
自己破産の申立をすると、基本的に自動車保険を解約されてしまうわけではありませんが、あまりに高額な自動車保険であったり、解約返戻金が20万以上になるような場合は解約されてしまう場合があります。

まとめ

ローンの支払い状況や、車そのものの価値で残せるか残せないかがきまります。

  • ローンが残っている:ローン会社が没収
  • ローンが残っていない
    (車の査定額が20万円を超える):裁判所が没収
  • ローンが残っていない
    (車の査定額が20万円未満):没収されない

自己破産をしても車を残せる場合は、車のローンの返済が完了しており、査定価格が20万円未満の場合です。

それ以外は原則的に車を手放さなければなりません。

債務整理には自己破産以外にも任意整理個人再生があり、その2つの方法なら車を残すことができる場合があり、借金を減らせる可能性もあります

詳しいことを弁護士・司法書士事務所に相談してみるのも選択肢の一つです。

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