任意整理した借金を一括返済できれば「得」をする?

 

任意整理で楽になった借金の返済中にまとまったお金が手に入ったら、「残金を一括で払ってしまおう」と考えるのは自然なことです。
その一方では、利息の付かない借金を返したところで得にはならないとの考え方もあります。得にならないだけならよいものの、損をすることがあるかもしれません。

そこで、任意整理した借金の一括返済の可否と、可能な場合のメリットとデメリットについて検討してみましょう。

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任意整理をした借金の一括返済を考える

多重債務に陥ったことをきっかけに任意整理をした結果、生活が安定して金銭的に余裕が出てくることはよくあります。また、返済の途中で宝くじに当たるなど、想定外の収入を得る可能性もあります。

そんなときに考えやすいのが、任意整理で支払い中の残債務を早期に返済することです。残りを一括で支払ってしまえば、晴れて借金生活からの完全脱却ができるので、一括返済を考えるのも当然のことでしょう。

しかし、そもそも任意整理で決めた約定に従わないで、一括返済(繰り上げ返済)ができるのかとの疑問の声もあります。

任意整理した借金は一括返済できる

結論としては、任意整理した借金の残債務を一括で返済することは可能です。その理由は大きく2つあります。

まず、任意整理における分割返済の合意は、一括返済する能力がないことを前提として仕方なく結んでいる点があります。しかも、任意整理した借金には原則として利息は付かないのが通例です。

つまり、債権者である消費者金融などにとっては、長く置いておいても儲けにならない債権であり、管理の手間がかかるだけ損にもなります。このような事情があるため、債権者側には払わないでくれという動機がありません。

また、借金の返済における期限とは、債務者にとって返さなくてもよい期間があることを意味しています。つまり、「返さなくてもよいが、返してもよい」というのが民法の考え方です。

※民法第136条:期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。
第2項:期限の利益は、放棄することができる。ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。

仮に、「利息の付いた借金だったら、債権者の利益が減るのではないか」と考える人もいるでしょう。第2項のただし書きが気になるところです。債権者が予定どおり期限までの利息を得られないことが「相手方の利益を害する」ことになるかについては、「なる」という説もあれば「ならない」という説もあります。

ただ、実務においては利息の付く借金であっても、特別な取り決めがない場合は、返済時までの利息を加算すれば早期返済が可能です。代金の支払いと商品の引き渡しのような関係では、お互いに準備の都合があるのに対し、金銭消費貸借における相手方である債権者は返済金を受け取るだけであり、物理的にも可能です。

任意整理に至らない通常の金銭消費貸借における返済においても、期限前に返済している人は大勢います。また、消費者金融のATMが期限前の返済入金を受け付けないという話は聞いたことがありません。早く払われると利息が減るからダメだというのは、闇金の手口として知られているものです。

いずれにしても、一般に任意整理をした無利息の借金を早期に一括返済できない理由はありません。

任意整理した借金を一括返済するメリット

さて、任意整理をした借金を一括返済することによって、どのようなメリットがあるかを検討します。

最大のメリットは、借金からの完全なる解放です。任意整理をした借金を一括返済してしまえば、毎月の返済日を気にする必要もなくなります。それまでの精神的な負担が消えることによって、日常生活が明るくなることも期待できます。ただし、ほかにも借金がある場合は、限定的なメリットとなります。

次に考えられるメリットは、返済額を減額してもらえる可能性があることです。これについては後述します。

任意整理した借金を一括返済するデメリット

任意整理をした借金を一括返済することにメリットがあるように、デメリットも存在します。それは、手持ちのお金が減ることです。

一括返済の直接的なデメリットではないものの、手持ちのお金が減ってしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうリスクが生じます。具体的には、以下のような事態が生じたときが危険です。

・給料が減ったり、リストラにあったりしてお金がなくなったとき
・病気になって、治療費が多くかかるようになったとき
・そのほか、突発的に大金が必要になったとき

一括返済したときは、高給の仕事でバリバリ稼いでいたとしても、不景気による減給やリストラでの解雇にあうかもしれません。さらに、病気やトラブルの多くは予告なくやってきます。一括返済したことで手持ち資金に余裕がなくなっていると、困ったことになりやすいです。

また、一括返済した借金以外にも借金がある場合は、そちらの返済にも影響が出てきます。

このとき、任意整理の借金を一括返済してからの期間が5年以上であれば、新たにカードローンなどの借金をして急場をしのぐことが可能かもしれません。

しかし、一括返済して間がなければ、俗に言うブラックリストに載っている状態です。申込時に信用情報の登録を照会されるため、正規の貸金業者から借入をすることはまず無理です。

最悪の場合は闇金に手を出すことに

この段階で、別の解決方法があればよいものの、なければ非正規の貸金業者からでもお金を借りることになりかねません。つまり、闇金の利用です。

闇金に手を出してしまうと、法律の枠内での話が難しくなってしまうため、債務整理をしたときよりも状況が悪くなる可能性があります。

一括返済する金額が大きければ大きいほど、こうしたリスクが懸念されます。そこまで重大な事態ではなくても、急な出費はこちらの都合を考えてくれません。ギリギリの経済状態で一括返済するのは考えものです。

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任意整理した借金は、一括返済で減額できる?

任意整理した借金を一括返済するメリットのところで述べたように、残債務を減額できる可能性はあります。うまくすれば、残元本の7割〜8割程度にまで減らすことも不可能ではありません。

ただし、それならと急いで一括返済の話をするのは要注意です。まず、デメリットを十分に考慮したうえで、一括返済するかしないかを判断する必要があります。そして、デメリットの不安がなければ、一括返済へ向けた動きを始めることになります。

任意整理の手続きに代理人を使ったかどうかも重要

債権者である貸金業者へ一括返済の話をするにあたり、任意整理の手続きに弁護士や司法書士を代理人として使ったかどうかも重要な事柄となります。代理人が手続きを行った場合は、代理人を経由して返済している場合があるからです。この場合は、代理人に事前に相談しておくべきでしょう。

また、代理人には和解するまでをお願いしており、返済は自分が直接行っている場合でも交渉ごとは代理人を通じて行うほうが得策です。

本人との交渉で減額に応じる可能性は低い

任意整理に代理人を使ったか使っていないかにかかわらず、本人が一括返済による減額を求めても、債権者が応じる可能性は低いと思っておくべきです。

そもそも、任意整理の時点で利息制限法による引き直し計算をしており、残元本に違法性はなくなっています。つまり、「引きしろ」がない状態です。

さらに、任意整理によって確定された全額の返済を受けるのが予定されているという前提があります。ちなみに、任意整理の和解交渉で減額が行われるのは、和解条件を詰めている段階だからだと言えます。その時点で、債務者が分割でなら全額返済できる条件を導き出したわけなので、減額による一括回収に応じる必然性もありません。

実際に減額されるケースで考えられる主な理由は、債権者側が回収を急いでいることです。減額してでも回収したいのは、業者自体の資金繰りが苦しくなっているか、当該債権の回収可能性に疑いを持っているからだと考えられます。もっとも、こうしたケースでは本人が交渉しても受け入れられることになります。

しかし、どこにでもある話とは言えないでしょう。それ以外の理由で減額されることがないとは言えないものの、それこそ弁護士でもない本人にはハードルが高い話です。

また、「この債務者は全額を一括返済できるし、そのつもりだろう」と悟られるような交渉の仕方では、成果は得られません。

弁護士などの代理人が交渉したとしても、減額できる可能性が劇的に高くなるわけではありません。しかし、本人が交渉するよりは期待できるでしょう。

初めから減額に大きな期待をするのではなく、「減額できれば儲けもの」という気持ちでいたほうが無難だと言えます。自分のケースでどうなるかの予測などは、弁護士に相談をしてみることです。

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