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国民年金・税金 借金の滞納で差し押さえの対象となるもの

2019.06.05 更新

「〇月〇日までに一括でお支払いください」

自宅に届く、督促のハガキや催促の電話。

どうせ返せない借金だから」と、見て見ぬフリを続けていませんか?

借金・税金・国民年金などの滞納を続けた場合、行きつく先は「財産の差し押さえ」です。

差し押さえが執行されると、債務者の貯金・給料・自宅・自動車などは、滞納額に応じて処分されます。

債務者は借金や税金などの滞納を続けることで「いつ手遅れになるのか?」「何が処分され、何が残るのか?」についてチェックしたうえで、自分の滞納状況や財産状況を知り、差し押さえを回避するために、債務整理を含めた手段を早急に検討する必要があります。

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「差し押さえ」とはなにか?

差し押さえとは、支払いを要求する債権者が、支払いを滞納している債務者から強制的に債権を回収するために、債務者の給与や不動産などの財産を勝手に処分できないよう、押さえるための手続きです。

差し押さえされた財産は、換金するなどして滞納分へあてられます。

消費者金融や住宅ローンからの借金など「私的な債権」に起因する差し押さえの手続きは、債権者による裁判所への申し立てを経て、同じく裁判所からの「債権差押命令」により執行されます。

一方で、国民年金や税金などの支払いを求める「公的な債権者」からの差し押さえ請求は、裁判所を介することなく、法律にもとづいた手続きを経て債権回収がおこなわれます。

国民年金や借金の滞納で差し押さえられるもの

借金や国民年金・税金の滞納が続いたとき、どんな財産が差し押さえの対象となるかを解説します。

差し押さえ(強制執行)には大きく分けて4つ(不動産執行・準不動産執行・動産執行・債権執行)の種類があり、債務者の生活に不可欠だと指定された「差押禁止財産」は差し押さえの対象外となります。

預貯金や有価証券(債権執行)

滞納者の銀行口座に入っている預金や有価証券などの金融財産ついては、児童手当をのぞき、すべてが債権差し押さえ対象です。

給与(債権執行)

会社から滞納者へ給与が支払われている場合も、債権差し押さえの対象となります。

また、給与にはあらかじめ「必要最低限の生活保障分」として、差し押さえてはいけない金額(差押禁止債権)が規定されています。以下の例を確認してみましょう。

国民年金や税金滞納が原因となる給与の差し押さえについては、国税徴収法施行令第34条によって、差押禁止債権が規定されており、基本額10万円+配偶者などの生計を共にする親族1名あたり4万5000円を加算した額、つまり一家4人とするなら23万5000円までの給与は差し押さえされません。

上記の例だと23万5000円を超える給与がある場合は、滞納した債務の返済が完了するまで継続して差し押さえられます。

自宅内の財産(動産執行)

自宅内にある滞納者の財産も、差し押さえされます。

動産執行の対象となるのは、生活必需品(差押禁止動産)を除く財産です。

たとえば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、66万円以内の現金などは生活必需品と認められるため、差し押さえの対象にはなりません。

絵画や骨董品、貴金属など、「生活のうえで必要ない」とみなされた財産は、差し押さえの後に競売へとかけられます。

また、自宅にある66万円を超える現金についても、差押財産として扱われます。

自宅などの不動産(不動産執行)

自宅などの不動産も差し押さえの対象です。

私的な債権者(消費者金融会社など)は、不動産よりも預金などの動産を優先して差し押さえる傾向にあります。

理由は、不動産執行にかかる裁判所への申し立て費用が、動産執行と比較して高額なためです。

一方で国民年金や税金の滞納など「公的な債務」の差し押さえ(滞納処分)は、裁判所を介さず法律によって規定された手順でおこなわれるます。

そのため、債務者の立場からすれば「いきなり」不動産が差し押さえられるといったケースも十分にあり得るのです。

自動車(準不動産執行)

売却時の査定額が20万円を超える滞納者の自動車については、差し押さえの対象です。

ただし、仕事で車を使用しなければならない場合や、公共交通機関が充実しておらず、車がないと生活が困難であると認められた場合には、差し押さえられないケースもあります。

借金と国民年金・税金の差し押さえ額は「給与」と「名義」に違いがあります。

借金を滞納しても、年金や税金を滞納したときと同じく、最終的には差し押さえの手続きがとられます。

借金による給与の差し押さえ額は、さきほど紹介した国民年金・税金の差し押さえ額を算出する計算式と異なるため、その差し押さえ額には以下のような差が生じます。

借金滞納で差し押さえとなった場合は、給与から法定控除額を引いた4分の1までが差し押さえられます。

たとえば滞納者の給与(控除後)が24万円の場合、6万円が差し押さえの対象です。

また、滞納者の給与が33万円を超える場合については、33万円を超える額と、給与の4分の1を参照のうえ比較し、金額の高い方が差し押さえの対象となります。

例をあげると、滞納者の給与(控除後)が36万円の場合は33万円を超える額=3万円と給与の4分の1=9万円を比較し、より高額である9万円が差し押さえの対象となります。

借金滞納による差し押さえは、基本的に債務者名義の財産以外へは執行されません。

例外として、 連帯保証人がいる場合、債務者が借金を滞納した時点で連帯 保証人へ滞納額が請求され、それでも支払えない状況が続いたときは、保証人の財産も差し押さえの対象となります。

税金を滞納したときの差し押さえ対象も、おなじく債務者名義の財産に限りますが、国民年金保険料を滞納した場合の差し押さえは、自分だけでなく世帯主や配偶者名義の財産にまで及ぶため、注意が必要です。

滞納額によっては、差し押さえ前後で滞納者の生活水準に大きな差が生まれてしまいます。

貴重な財産の差し押さえを回避するために、滞納者にはできるだけ早い段階で債権者からの督促に応じる必要があります。

債権者からの督促に滞納者が応じなかった場合、手遅れ(差し押さえが確定)になるタイミングについて、次項で順を追って解説します。

【国民年金保険料】差し押さえまでの流れと回避方法

国民年金に加入している場合、納付期限までに保険料を納付しなければ、催告状(納付勧奨通知書)が日本年金機構より発送されます。

滞納者が催告状にも応じなければ、電話による納付督励や訪問、呼出案内、特別催告状の送付などの手段で納付を呼びかけます。

たび重なる催告や訪問にもかかわらず、さらに年金の滞納を続けた場合、「最終催告状」が送られたうえで、納付指定期限の10日間を経過してしまうと、来所通知書や督促状の発送へと進みます。

督促状が指定した納付期限(発行から10日)を守らなかった場合、送付されるのが「差押予告通知」です。

国民年金については差押予告通知が届いた時点で滞納処分に向けた手続きは開始されており、債権回収を目的とした財産差し押さえの準備に入っています。

つまり督促状に書かれた納付期限を守ることが、差し押さえを回避するための、事実上の最後通告です。

また、督促状の発送は、滞納者以外に世帯主や配偶者といった「連帯納付義務者」も対象となり、仮に差し押さえとなった場合に、本人の財産だけで滞納した保険料がまかなえなかった場合は、連帯納付義務者の財産も差し押さえの対象に加えられます。

平成30年度における強制徴収の対象となる基準
年間の所得金額(控除後) 300万以上
滞納した月数 7ヶ月以上

強制徴収とは、国民年金保険料を納付していない滞納者を対象に、一定期間のあいだ(平成30年度は2ヶ月間実施)上記の強制徴収対象者に対して、集中的に納付を督励する取り組みのことです。

国民年金機構の発表によると平成29年度の取り組み実績において、約3万7000人が強制徴収の対象として決定、そのうち約10(3810人)へ差し押さえが実施され、さらに約1万9000人が財産調査中という結果が出ていることから、督促状に記載されている差し押さえへの示唆は、たんなる納付に向けた脅し文句ではないことがわかります。

国民年金を滞納したとき、差し押さえは回避できるか

私的な借金と異なり、国民年金の保険料や税金の滞納は債務整理の対象とならず、差し押さえを回避するための自己破産もできません。

したがって国民年金保険料の納付が経済的に難しいときは、ひとりで抱えこまずに親族など信頼できる人に相談するか、免除・納付猶予制度の利用を検討しましょう。

保険料免除制度(申請免除)
全額免除 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
納付猶予制度 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

(引用元:日本年金機構)

保険料免除には全額免除と一部免除などがあり、単身世帯で全額免除や納付猶予を受けられる目安は前年所得が57万円以下で、年収に換算すると122万円程度です。

扶養親族に応じて前年所得の基準も変動するため、「所得が少なくて国民年金が払えない」方はまず免除申請を検討するべきです。

※上記の条件はあくまで目安ですので、免除や納付猶予を受けたい人は、市町村の担当窓口や年金事務所に相談しましょう。

【借金滞納】差し押さえまでの流れと回避方法

銀行や消費者金融などからの借金を滞納した場合、債権者は裁判所を通じて債務者に対しての差押手続を進めます。

強制執行に際して、最初に債権者は裁判所を通して、債務者へ支払督促を送付します。

支払督促だけで差し押さえが行われるわけではありませんが、支払督促の通知を債務者が2週間放置してしまうと、30日以内に仮執行宣言が申立てられ、仮執行宣言付きの支払督促(債務名義)が送られます。

仮執行宣言とは、判決が確定する前に差し押さえが行える裁判のことで、債務者の言い分がいっさい認められない形で、差押債権者によって強制的に差し押さえが進められます。

差し押さえを回避するなら弁護士や司法書士に相談してみる

債権者から支払督促の通知が来て、2週間以内に異議を申し立てると、即時差し押さえとはならずに民事裁判へ移行します。

ただし債権者から請求されている債務(借金)が実在するかぎり、裁判では債務者に勝ち目がなく、結局は差し押さえにつながります。

支払督促を債務者が受け取ってから、差し押さえを逃れる可能性があるとすれば、支払督促を取り下げてもらうよう、直接債権者と和解に向けた交渉をする必要があります。

しかし知識のない債務者がひとりでお金を借りている相手と交渉を進めるには、相当の負担が生じます。

借金にかかわる難しい交渉を一手に引き受けてほしいとき、頼るべき存在が「弁護士・司法書士」です。

弁護士や司法書士が行う、支払督促に対する解決策のひとつが「債務整理」です。

債務整理は債権者との交渉を経て、借金そのものの減額や利息のカット、支払い回数の見直しなどを進める手段です。

債務者の返済計画が認められ、支払督促の取り下げが成立すれば、差し押さえの不安から開放されることになります。

債務整理では借金額、収入などの状況に応じて4種類(任意整理・特定調停・個人再生・自己破産)から返済計画・減額交渉の検討が可能です。

借金返済を勧告・督促されている方は差し押さえを回避するため、できるだけ早期に弁護士や司法書士へ相談しましょう。

債務整理についての詳しい解説はこちら

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