自己破産に時効はある?知っておくべき時効成立の仕組みや要件を解説

2018.06.22 更新

「自己破産に時効ってあるのかな?」

自己破産にも時効はあります
借金をしても、一定期間返済をしなければ時効となり、支払い義務がなくなる場合があるのは事実です。しかし、どのような場合でも、自己破産の時効が適用されるわけではありません。

今回は、自己破産の時効がどのような場合に成立するのか、その要件や仕組みについて詳しく見ていきます。

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借金にも時効はある!「消滅時効」とは

自己破産を考えている方のほとんどは借金があり、その借金によって首が回らなくなっている、という状態でしょう。自己破産をすれば借金は自然債務となり、実質的には帳消しになります。しかしその前に「借金が時効で消滅していた」というケースもあります。

借金の種類によって多くの場合は5年(商事債権)または10年(民事債権)の消滅時効が適用されることになります。消滅時効が成立していれば、これを債務者が援用(時効を主張するという意思表示)することにより、債権は消滅することになります。

借金の時効が成立する要件

債務(借金)は多くの場合5年又は10年の消滅時効が存在します(さらに短い期間で消滅時効が成立する場合もあり)。ただし期間の経過によって自然に適用されるわけではなく、債務者による時効の援用によって債権が消滅します

借金の時効が成立するのは5~10年

借金=債務(貸している人にとっては債権)の消滅時効は、その債務(債権)が成立した時からカウントが開始されます。簡単にいえば、借金した日から5年または10年後に消滅時効になる、ということです。

時効を成立させるためには時効の援用をする

気をつけなければいけないのは、消滅時効の期間が経過したからといって、自動的に債務者の債務が消滅するかというとそうないということ。
債務者は当該債務について時効を主張する、つまり消滅時効により借金の返還を免れる、という意思表示をすることが必要となります。この時効を主張するという意思表示のことを時効の援用(民法145条)といいます。

この時効の援用は当事者の意思を重視した規定となっています(任意で借金を返そうとする人の意思までも妨げるわけではない、ということです)。

多くの場合、債権について請求された際に、債務者は防御権としてこの時効の援用を主張します。債権者や債権額がはっきりしている場合には、先制攻撃として主張することで、債権者からの請求を未然に防ぐことができます。

債権者に時効を中断される可能性もある

時効の「中断」というのは一定の条件をクリアした場合に時効の進行をリセットすることを認めている制度です。
これは、債権者が債務者に対して、請求のためのアクションを取っている場合に、時効の完成を認めるのは「債権者にとってあまりに酷な結果」になってしまうため。中断という言葉を使っていますが、再度時効が0からのカウントとなります。

法的には民法147条で時効の中断についての規定があり、その中で

  1. 請求
  2. 差押え、仮差押え又は仮処分
  3. 承認
の3つの類型があります。
  • 請求
  • ここでの請求とは、権者が債務者に対して訴訟を提起することを意味します。ですので、単に債務者に支払を要求するだけではなく、裁判所の関与が必要となります。なお、債権者が債務者に対して支払いを要求することは「催告」となり、債権者はそこから6か月以内に中断事由に該当するアクションを取る必要があります。この6ヶ月間というのは平たく言えば、債権者における訴訟の提起など中断事由に該当することの準備期間、ということになります。逆にいえば、この6ヶ月間債権者が何もしなければ、時効は再び進行してしまうことになります。


  • 差押え、仮差押え又は仮処分
  • 差し押さえ、仮差押えまたは仮処分に関しては、裁判上の債権保全のための手続をとることが必要になります。これらの手続については疎明資料など裁判所を納得させる書面・証拠の準備が必要になりますので、基本的に弁護士に相談する方がいいでしょう。


  • 承認
  • 承認は、債務者が自身に支払義務があることを明示するだけでなく、黙示に認めている場合も含まれます。実際に支払を継続しているような場合には少なくとも黙示の承認がその前提になっている、という評価になるでしょう。

いずれにしてもこれらの①~③の事由が認められる場合は、債権の発生から5年、又は10年が経過していても、時効の援用が認められず、債務者の債務は帳消しになりません

連帯保証人も「時効」が適用される

実際に借金をした人(主債務者)に保証人や連帯保証人がいることは少なくありません。主債務者の消滅時効が完成し、当該債務から免れた場合には、保証人・連帯保証人もこれらの債務から免れる=消滅時効が適用されることになります。

そもそも保証人や連帯保証人が負っている債務は、主債務者の債務に付随して発生しているものであり、主債務者の債務が消滅する以上、保証人や連帯保証人についてだけ債務を認める、というのは制度の趣旨に反することになるからです。

また、主債務者に消滅時効が完成している場合、保証人や連帯保証人は自らの保証債務について、主債務者の意思とは関係なく、消滅時効の援用を独自に主張することも可能です。

自己破産後の生活はどうなる?

自己破産の時効は7-10年!破産後の生活への影響

自己破産した人に対して、生活できなくなるような大きなペナルティーはありません。自己破産したことは確かに官報に掲載されますが、一般の方が官報を読むことはほぼありませんので、自己破産をしたことがバレる可能性も低いです。自己破産が一般生活に与える影響は普通の生活をする上ではほぼない、といってもいいでしょう。

もっとも、金融機関のブラックリストや信用情報機関に事故情報の履歴が残ってしまいますので、クレジットカードの作成やローンの借入は一定の期間はすることはできない、ということは覚悟しておく必要があります。

自己破産後の生活への影響やデメリットについて詳しく見てみる

自己破産が時効になってもローンの審査に通らない場合

自己破産の時効、という言葉は正確ではありませんが、一般的には自己破産してから5~10年経過するとブラックリストから削除される、といわれています(金融機関によって差が存在します)。
もっとも、その期限が経過したからといって確実に削除されているわけではありません。自己破産からこれらの期間が経過した後なのに、クレジットカードの審査に落ちたり、ローンの審査に落ちたりするような場合は、自身の信用情報がどう登録されているのかを知る必要があります。その際は信用情報機関に対して開示請求を行い、現状と剥離していないかをチェックしてください
本人であれば本人開示が可能ですので、その情報を開示してもらい、間違った情報や削除されるべき情報(自己破産の情報がまさにこれに該当します)が載っていた場合は、削除申請をしましょう。

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