自己破産で財産隠しは必ずバレる!詐欺破産罪の恐ろしさとは?

2018.08.14 更新

「これだけは絶対手元に置いておきたい…少しぐらい財産隠してもバレないかな?」

自己破産手続きの前後に関わらず、財産を隠したり、不正に処分・隠ぺいすることは絶対にやってはいけません

財産隠しや不正処分・隠ぺいは、免責取り消しとなったり、破産詐欺罪として罪に問われる場合があります。

今回は、「破産詐欺罪」とはどういう罪なのか、また財産隠しや不正処分・隠ぺいをすることで起こりうるリスクについて詳しく解説していきます。

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自己破産で財産隠しが発覚するとどうなる?

自己破産とは、裁判所から支払不能と認められた債務者に対し、一定以上の財産を失う代わりに借金の支払い義務を免除する救済制度です。

しかし、今後のために少しでも財産を残したいという出来心から、自己破産の手続きを行う際に財産を考える人もいるかもしれません。

財産を隠すなどの行為は、以下のような深刻な事態に陥りますので、絶対にしないでください。自己破産が許可されなくなる(免責不許可)ばかりか、「破産詐欺罪」として処罰される重大な違反行為です。

「詐欺破産罪」とは?

詐欺犯罪とは、債権者を害する目的で、財産を不正に処分・隠ぺいしたり、返すつもりのない借金をしたりすることです。破産手続き開始の前後を問わず、これらの行為は破産詐欺罪として処罰されます。

具体的にいうと、借金を1度も返済していない、管財事件を避けるために財産を隠すなどの行為は、詐欺破産罪になる可能性が高いです。

詐欺破産罪が成立した場合、逮捕されて以下の懲罰が科せられます。

  • 1ヶ月以上10年以下の懲役
  • 1,000万円以下の罰金

※上記の懲役と罰金の両方が科せられる場合もあります。

詐欺破産罪になるケースとは?

詐欺破産罪になるケースとしては大きく以下の5つが挙げられます。

詐欺犯罪になりうるケース

  • 申立書類に嘘の記載をして財産を隠す、処分する
  • 意図的に破損させて財産の価値を下げる
  • 財産を他人の名義に変更する
  • 自己破産をするつもりで借金をする
  • 過去に一度も返済をしていない借金がある

意図的に財産を隠ぺいするのはもちろんですが、他人に売却したり、名義を書き換えたりするのも財産隠しにあたります。

また自己破産の費用がないからといって新たに借金をして資金を調達するのも、返済する意思がないとみなされ、詐欺破産罪に問われる可能性があります。

自己破産の費用が今すぐ用意できなくても支払う方法はあるので、くれぐれも新規で借り入れをすることだけは避けてください。

財産隠しは必ずバレる

財産隠しはどんなに巧妙に行ったとしても、自己破産の手続きの過程で必ず発覚します。

自己破産の手続きでは、一定の財産を持っている人は「管財事件」として扱われ、裁判所から選任された「破産管財人」があなたの財産を調査します。

破産管財人は過去約2年分の預金口座の入出金や、源泉徴収票や課税証明書、そして郵送物に至るまで、厳しくチェックしますので怪しいお金の流れは簡単に見抜かれてしまいます。

万が一、その時は免責が許可されたとしても、その後発覚すれば、同じように罪に問われますし、詐欺破産罪には時効も存在しません。

マイナンバー制度の導入により、ますます財産隠しは難しくなりますので、考えないことが賢明です。

「偽装離婚」も詐欺破産罪になる

自己破産は申立した本人の問題であり、配偶者など家族には影響が及びません。だからといって自己破産前に離婚して、財産分与で配偶者の財産名義とすれば没収を免れると考える人もいるようです。しかし当然ですがこのような偽装離婚も詐欺破産罪に問われます。もちろん離婚の原因が、夫婦関係がうまくいかないことによるものであれば、自己破産のタイミングと重なったとしても罪には問われません。

自己破産で申告漏れがあった場合も財産隠しになる?

自己破産前に悪意をもって財産隠しをするのは論外ですが、うっかり申告が漏れた場合は詐欺破産罪になる可能性は低いです

しかし財産は処分されてしまいますし、最悪の場合、免責許可が取り消される可能性があります。

申告漏れで免責不許可となれば莫大な借金はそのまま残り、財産だけが債権者から差し押さえられることになってしまいます。

そこで、免責不許可にならないためにも、自己破産手続き前は以下の2点に特に注意しましょう。

1.自分の財産を把握しておく

自己破産で処分される「財産」は、20万円を超える財産や99万円を超える現金が対象になります。

自己破産で没収される財産として挙げられるのは以下のとおりです。

  • 家や土地などの不動産
  • 車やバイク
  • 預金口座
  • 生命保険や学資保険など各種保険

ここで挙げたものは無条件で没収されるわけではなく、「現在の価値で20万円以上の価値があるもの」のみです。

家や土地は20万円以下になるケースはほぼないので、ほぼ無条件に没収されてしまいますが、車やバイクについてはグレードの高いものでない限り、必ずしも20万円を超えるケースとはいえません。

つい見逃しがちになるのが「生命保険や学資保険など各種保険」です。

積立型の生命保険や学資保険など、解約払戻金が発生する種類の保険は、20万円を超える場合があり、財産の一部とみなされます。

ただし所有している財産が裁判所から生活再建に必要だと認められれば、保有が認められるケースもあるので、隠さず弁護士に相談することをおすすめします。

2.一部の債権者にだけ借金を返済しない

自己破産では、すべての債権者を平等に取り扱わなければならないという原則があります。よって、一部の債権者だけに返済する行為を禁止しています。このような行為を、「偏波弁済(へんぱべんさい)」ともいいます。

たとえば、貸金業者ではなく親族や友人などから個人的な借入をしている相手がいる場合に要注意です。

特に、銀行口座を介した返済の場合、個人名が出てしまうことから、一瞬で判明してしまいます。たとえ親族や友人であっても、消費者金融や銀行などの貸金業者と同じ債権者に変わりはないため、偏波弁済がないよう注意してください

どうしても財産を残したい場合は?

では、どうしても財産を残したい場合はどうすればいいのでしょうか? この場合は、自己破産以外の手続きを選択しましょう

債務整理には自己破産のほかに、任意整理個人再生といった手続きがあります。いずれの手続きも所有している財産は処分されません。

各債務整理手続きと財産の関係について比較します。

任意整理 個人再生 自己破産
借金減額幅

将来利息カット→月々の返済額が減る

借金額を大幅に圧縮できる

借金が
ゼロに

手放す必要はなし

住宅ローン特則で手放さずに済む

手放す必要あり

手放す必要はなし

ローン支払い中のものは手放す必要あり

20万円以上の価値があるものは手放す必要あり

預金口座

借入している銀行と同じ銀行以外は没収されない

借入している銀行と同じ銀行以外は没収されない

20万円以上の残高は没収される

保険

解約の必要なし

解約返戻金が多額の場合は返済額が増加

解約返戻金が20万円以上の場合は解約して返済にあてる

任意整理や個人再生は、自己破産とは違って返済が前提の手続きであるため、ある程度の収入があることが条件となります。

実際に財産を守るため任意整理や個人再生といった手続きを利用できるかどうかは、ケースバイケースとなっているため、一度専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

  • 自己破産をする前に故意に財産隠しをすると「詐欺破産罪」に問われる 
  • 詐欺破産罪になると10年以下の懲役・1,000万円以下の罰金が科せられる
  • 財産隠しは必ずバレる
  • 故意でなくても申告漏れがあると免責不許可になる可能性がある
  • どうしても財産を残したい場合は他の債務整理方法を検討する

そもそも、自己破産という手続きは、借金で苦しむ人の救済だけでなく、更生といった目的もあります。財産隠しは重い罪になります。自己破産をするには誠実な態度で臨むことが一番の近道です。

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