自己破産|奨学金の支払いが大変…学生の借金について考える

2018.04.17 更新

「奨学金の支払いが大変…学生のうちに自己破産するとどうなるの?」

年々、奨学金を抱える学生の自己破産を増え続けており、「奨学金破産」という言葉が生まれるくらいにまで社会問題になっています。学生の奨学金は、返済計画をきちんと立てていないと、自己破産を招いてしまう恐れが非常に大きいのです。

今回は、学生の自己破産や学生の抱える奨学金の問題について詳しく見ていきます。

奨学金を借りている場合は注意が必要

近年、奨学金の返済に苦しめられ、自己破産をする若者も増えてきています。 しかし、奨学金の返済が大変だからと言って、安易に自己破産を行うことは危険です

自己破産の免責許可が下りると、奨学金の支払いはストップするので、それまで受け取っていた奨学金の返済を行う必要はありませんが、親などの連帯保証人に請求がいくことになります。そのため、結果的に自己破産したことが家族にバレてしまう可能性が高いです。

「奨学金破産」とは?
奨学金が原因で自己破産をすること。 現在、奨学金を借りている大学生は2人に1人。しかし、奨学金を借りても返せない人は年々増加、自己破産まで追い込まれるケースが累計1万件以上となっている。

学生でも自己破産は可能?

学生であってもカードを作ったり借金をすることはできます(ただ、未成年者の場合は借金の取消ができることがあります)。

借金できる以上は返済ができなくなる人が出てくるのも当然考えられます。よって、学生であっても自己破産などの債務整理(自己破産)は可能です。

自己破産の可否は借金の理由で決まる

自己破産の申し立てをすること自体は、借金の理由を問わずに可能です。

しかし問題なのは、破産手続きの後に来る「免責手続き」において、最終的に免責を受けることができるかどうかという点です。

学生に多い借金の原因としては浪費、奨学金、生活苦などになるでしょう。多重債務に至った理由が多大な浪費(浪費で財産の大半を失うくらいのもの)、他人を騙すような借り入れなど悪質と思われるケースや、前回の破産免責から7年を経過しないものは、破産法上「免責不許可事由(詳しくは下記参照)」となります。

免責許可が下りやすいケース

学生にありがちな借金のパターンで、比較的「悪質性がないもの」であれば免責されやすいといえます。

  • 家庭の貧困による下宿先での生活費などの捻出
  • 不況が日常的な状況となっている現在の日本では起こりやすいのですが、学費以外の分をアルバイトや仕送りで賄えず、借金に頼ってしまうというものです。


  • 病的なレベルではない買い物
  • 若者にありがちなブランド品、洋服など判断能力や冷静さを欠いて買い物しすぎてしまった場合、極端でない金額なら破産手続きの中で反省の姿勢をしっかり表せば免責を受けられる可能性が高いです。

免責許可が下りにくいケース

免責が下りにくい場合ですが、上記の「免責が下りやすいケース」の逆を考えていただければわかやすいでしょう。

  • やむなしと思われる以外の理由での極端な買い物
  • 買い物が行き過ぎて、大半の原因が浪費という場合「管財事件」となり、破産管財人の調査を受けることがあります。


  • 日常的なギャンブル
  • 比較的時間に余裕がある学生の中には、ついついパチンコなどにはまってしまう人がいます。大半の借金がギャンブルという場合も「管財事件」になる可能性が高いでしょう。

免責許可が下りるかどうかは裁判官の裁量次第

上記に「免責不許可事由」という言葉が出てきましたが、これがある場合は裁判所によって「管財事件」に振り分けられ「破産管財人」が選任されます(配当できる財産がある破産者の場合も同様)。

免責不許可事由があると絶対に免責を受けられないと思っている人もいますが、実際にはその中でも9割方の人は免責を受けられています

免責不許可事由があっても、破産者が真摯に反省の態度を見せ、家計収支表などからも反省がうかがえるのであれば破産管財人が最終的に裁判所に対して「調査を行った結果、免責が相当である」という意見を出します。

この「裁量免責」という措置があるため、最終的に免責が許可されないのは非常にレアなケースとなるのです。

自己破産するデメリット

  • いわゆる「ブラックリスト」に載る
  • 自己破産に限らず債務整理すべてに共通しますが、「信用情報機関」というところの金融事故情報が残ってしまうため、最大10年間くらい借り入れができなくなります。


  • 職業制限がかかる
  • 免責許可が確定するまでの間ではありますが、もっぱら「他人のお金を扱う職業」についてはその業務に従事できなくなります。


  • 官報に掲載される
  • 政府の機関紙である「官報」に住所と氏名が掲載されてしまいます。


  • 連帯保証人に請求がいってしまう
  • 政府の機関紙である「官報」に住所と氏名が掲載されてしまいます。

親にバレずに自己破産をする方法

親に借金のことがバレたらひどく叱られるのではないかと恐れている人もいるかもしれませんが、親にバレるかバレないかは「親と同居し、ひとつの生計なのかどうか」によって大きく異なります

一般的に「親と同居」の人はほぼ隠すのは不可能と考えた方がよいでしょう。 なぜなら、破産申立書の添付書類に「同一生計の家族の給与明細書、通帳」などが必要となります。学生の場合は親と同居で別生計ということはほぼ考えられないため、こういった書類を集める段階で必ずバレてしまうからです。

また、「バレると困るから親の分は出したくありません」という言い分も通用しません。親が連帯保証人になっている場合も自分が破産すれば親に請求がいきますのでまず100%バレます。よって、最初から正直に話をしておく方がよいでしょう。

学生の場合、バレずに済むことがあるとすれば、(非常にレアケースですが)親と別居し、アルバイト代などで完全に仕送りなしに自分で生計を立てられている人くらいでしょう。

バレて怒られることを極端に恐れる人は、弁護士に相談に行く際に親を同伴し、第三者を交えることで感情的にならないようにしてもらうという方法を取るとよいでしょう。

自己破産をしても就職活動に影響が出ない場合が多い

「自己破産が就職に響かないだろうか?」と心配になるのも無理はないのですが、融資を申し込んだ先の金融機関ならともかく、それ以外の一般企業が「信用情報機関」のデータを見ることはないため、神経質になる必要はありません。(ただし、銀行への就職を考えていて、かつ当該銀行を含めての自己破産歴があるなどの場合は要注意です)

また、官報に掲載されたとしても、金融機関や生命保険会社、官公庁など日常的に官報を見ている会社や職種を除いては、自己破産がバレる可能性は極めて低いといえます。むしろ、そのことを気にしていつまでも借金を抱え続けたまま就職活動する方がよほど成果に影響します。

早めに弁護士に相談し、解決した上で就職活動に専念したいものです

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