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奨学金の返済がつらい 負担の少ない返済方法と返済できないときの対策

2019.08.06 更新

「入社1年目で借金300万円」は、新社会人にとってめずらしいことではありません。

独立行政法人日本学生支援機構(奨学金事業)の発表によると2017年3月時点で、大学生が4年間で借りる奨学金(奨学金貸与総額)の平均は、第一種奨学金(無利子)で241万円、第二種奨学金(有利子)で343万円とされています。

高校から奨学金を借りていたが、収入が少なくて返済が苦しい

よそから借りたぶんの支払いもまだ終わっていないのに…

このような理由で、奨学金の延滞を続けていませんか?

延滞分の奨学金は、れっきとした債務(借金)のひとつであるため、支払いを放置し続けると信用情報に傷がついたり、財産を差し押さえられたりします。

日本学生支援機構は奨学金の延滞の防ぐために、月々の返済額を減らしたり、返済そのものを先送りにしたりできる、4つの制度を用意しています

これら4つのうち、奨学金の総額が減る、もしくは免除される制度は、返済する方が死亡してしまうか、障害などで働けなくなった場合のみで、それ以外で奨学金の総額が減ることはありません。

奨学金の返済で悩んでいる方は、まず4つの制度を検討し、これからの生活と返済計画の立て直しに努めることが大切です。

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奨学金の返済は軽くできる? 4つの制度と条件

収入と返済額のバランスが取れず、奨学金の返済に困っている人のために日本学生支援機構は以下のような制度を用意しています。

  • 収入に応じて返済額が変わる返済方法
  • 月々の返済額を減らす制度
  • 一定期間、返済を免除する制度
  • 返済そのものを免除する制度

4つの方法・支援制度とその利用条件について、それぞれ具体的に説明します。

収入に応じて返済額が変わる所得連動返還方式

所得連動返還方式とは、第一種奨学金(無利子)を対象にしており、「収入に応じて月ごとの返済額が変動する」返済方法です。

標準では毎月定額での返済が指定されていますが、この返済方法へは高校・大学の在学中から切り替えることができます。

第一種奨学金を利用して、総額240万円を借りた場合

従来の定額返還方式
月額13,333円の返済

所得連動返還方式

年収200万円=月額4700円の返済
年収300万円=月額8900円の返済

このように、年収と返済額が連動する支払い方法のため「自分が働く企業の年収では、生活費をまかなうだけで精一杯」と考える方は、月々の負担が少なくなる所得連動返還方式を検討するべきです。

注意点として、所得連動返還方式で奨学金の支払いをすると、次に紹介する減額返済制度の利用ができなくなります。

減額返済制度の申請には所得証明書や源泉徴収票など、より多くの申請書類を提出しなければなりません。

しかし、年収300万円以下の方にとっては減額返済制度を利用したほうが月の返済額をおさえられるため、支払い方法を切り替える前にそれぞれの手段についてじっくりと検討しましょう。

制度利用にあたっては、日本学生支援機構の公式サイトをご確認ください。

月々の返済を減らす減額返還制度

減額返還制度とは、月々の返済額が2分の1もしくは3分の1となる救済措置です。

  • 災害や傷病、失業など返済困難であること
  • 年収が300万円以下(自営業の場合は200万円以下)
  • 返済を延滞していない(申請時点で解消すれば可能)

以上のような条件があてはまり、なおかつ月々の返済が困難な方は「減額返還制度」を検討しましょう。

減額返済制度の利用例

従来の定額返還方式
総額36万円/1カ月3万円×12回

減額返済制度【2分の1】
総額36万円/1カ月15,000円×24回

減額返済制度【3分の1】
総額36万円/1カ月10,000円×36回

減額返還制度は最長で15年まで対象期間を延長できるため「転職活動中で一時的に収入が途絶えた」という方は、この制度を利用し、月々の負担を減らすことで、無理のない返済計画を立てることができます。

制度利用にあたっては、日本学生支援機構の公式サイトをご確認ください。

一定期間、返済を免除する返還期限猶予制度

返済期限猶予制度とは最長10年間返済を免除してくれる制度のことです。

返還期限猶予制度とは、返済を先送りにすることで、生活と返済計画の立て直しを図るための制度です。

  • 傷病により働くことが困難
  • 生活保護を受給中
  • 失業中
  • 無職・未就職・低収入により返済が難しい
  • 新卒など、卒業や退学を経て1年以内で無職・未就職・低収入により返済が難しい
  • 地震などの災害にあい、返済が困難
  • 産休などの育児休業にともなう経済力の低下

以上のような条件にあり、返済が困難な方は、今すぐ利用の検討を始めるべきでしょう。返還期限猶予制度は奨学金を数年間延滞していても申請が可能です。

また、審査に通過すれば複数年にわたって返済を先送りにできるため、その間に仕事を見つけるなど、奨学金をふたたび返済する体制も整えられます。

「収入がなく、奨学金を支払えない」方や、「病気にかかってしまい、仕事を辞めてしまった」方は延滞を放置せずに、なるべく早めに返還期限利用制度の申請をしましょう。

制度利用にあたっては、日本学生支援機構の公式サイトをご確認ください。

返済そのものを免除する返還免除制度

  • 本人が死亡し、返還できなくなった
  • 精神もしくは身体の障害により働けなくなった

返還免除制度とは 、上記のように障害などによって「働けなくなった」場合に、未納分奨学金の一部または全額の返還が免除される制度です。

返還免除制度の審査には医師の診断書を提出するなど、本人以外の方によるサポートが必要となります。

制度利用にあたっては、日本学生支援機構の公式サイトをご確認ください。

上記4つの方法や制度について、それぞれ利用するためには条件を満たす必要があります。いずれの制度も、返済計画の立て直しにとって有効なため「自分が条件を満たしているか」についての確認や問い合わせを最優先でおこなうことが、奨学金の延滞を防ぐために必要です。

また、日本学生支援機構のホームページ内「返還シミュレーション」を利用することで、高校・大学の入学前から受け取る奨学金の総額や月々の返済額の概算を知ることができます。

生活費や学費を計算したうえで、無理なく返済できる金額をあらかじめ知っておくことで「借りすぎ」を防ぐことができます。

日本学生機構 返済シミュレーションはこちら

奨学金の返済金額や返済方法について

私立大学の年間授業料は平均約90万円、公立大学でも約50万円です。さらに下宿すれば生活費・家賃もかかることもあり、教育費や生活の補助として高等教育機関に通う約2.7人に1人が奨学金を利用しています。

また、第二種奨学金(有利子)の平均額(4年で343万円/平成29年度)を借りた大学生は、月額約7万1000円の奨学金を在学中に受け取っていたことになります。

※奨学金の利用人数および平均額は日本学生支援機構「奨学金事業への理解を深めていただくために」を参照

奨学金返済回数と月々の返済額の例(4年制大学)
在学時の借入額(月毎) 3万円 5万円 7万円 10万円 12万円
奨学金総額 144万円 240万円 336万円 480万円 576万円
返済回数(年数) 156回(13年) 180回(15年) 228回(19年) 240回(20年) 240回(20年)
月々の返済額 9230円 1万3333円 1万4736円 2万円 2万4000円

※返済額および返済回数は日本学生支援機構(奨学金返還年数算出表)を参照

第二種奨学金の返済では、上限3%の利息が月々の返済額の元本に加算されます。

利率は奨学金を借りるときではなく、借り終わったときの市場金利に応じて決定され、返済完了まで固定された利息が加算される「利率固定方式」と、おおむね5年ごとに利率が変動する「利率見直し方式」のどちらかを選択可能です。

平成31年4月に奨学金の貸与が完了した場合は利率固定方式で0.153%、利率見直し方式で0.002%の利息が加算されます。

奨学金を延滞するとどうなる?

奨学金も、銀行や消費者金融からの借金も、延滞したときの対応や措置は変わりません。奨学金を延滞すれば、以下のような順序で催告・督促がきます。

電話やハガキでの督促

奨学金の支払い期限を過ぎると、日本学生支援機構もしくは債権回収会社の担当者より、文書と同時に電話での督促(支払ってほしいとの請求)がされます。

督促の電話がかかってきた段階では「いつまでに支払う」と約束すれば、大きな問題にはなりません。しかし電話を無視すると勤務先に電話がかかってくる可能性があり、延滞が会社に知られる危険もあります

延滞金が発生する

延滞すれば利息とは別に延滞金が発生し、上乗せして返済する必要があります。延滞金は長引けば長引くほど雪だるま式に増えます。

クレジットカードやローンが組めなくなる

さらに、延滞が続くようであれば、個人信用情報機関に延滞者として登録されます。いわゆる「ブラックリストにのった」という状態です。

ブラックリストに載ると5年間はクレジットカードが発行されなかったり、自動車や住宅のローンが組めなかったりする場合があります

最終的に家や給与などの財産が差し押さえられる

奨学金を放置し続けると最終的に強制執行(差し押さえ)が行われます。

差し押さえは、裁判所の命令により強制的に財産を徴収して、換金したうえで借金の支払いにあてるもので、自宅や自動車、預金口座、毎月の給料などの財産が対象です。

手遅れになる前に、制度利用か身内への相談を

差し押さえになると生活が破綻する事態になりかねません。奨学金が返済できない、もしくは返済に少しでも不安があると思った時点で、延滞を放置せず、以下の行動を起こすことが必要です。

  • 返済状況を再度整理して、このまま返済が可能かどうか見直す
  • 日本学生支援機構に現在の状況を相談して、利用できる制度があるか確認する
  • 親や身内の人間など、信頼できる人に相談する

すでに差し押さえされる直前の「督促状」が届いている場合などは、差し押さえを回避する目的での債務整理を検討する余地がありますが、「返済がつらい」「延滞してしまうかも」という段階にいる方は、まずは状況整理、支援機構や身内への相談から始めるとよいでしょう。

どうしても奨学金の返済ができない人は「債務整理」の検討を

日本学生支援機構で認められた4つの方法や制度がどうしても利用できず、誰にも頼ることができなくなった場合の最終手段として、奨学金の返済問題を解決する方法があります。

それは「債務整理」です。

債務整理とは 弁護士・司法書士などの専門家や裁判所を通して、借金の減額や免除ができる国が認めた手続き

債務整理は大きく分けた3種類の手続きからなります。

  • 任意整理(裁判所を通さず、貸金業者との交渉により借金の金額や返済方法を決め直す)
  • 個人再生(裁判所を通して借金の金額を減らし、3~5年に分割して返済する)
  • 自己破産(裁判所に返済できないことを認めてもらい、借金をなくす)

このうち奨学金の性質上「任意整理」は債務者にとって返済の負担を軽くする効果がありません

理由として、任意整理は、将来の利息をカットして借金を減らす手続きです。奨学金はそもそも利率が低いため、利息をカットしても元本自体の大幅な減額は期待できません。

また、任意整理による借金の減額は債権者(お金を貸している人)との交渉が必要です。しかし、日本学生支援機構は交渉にほとんど応じないという姿勢があるため、借金を減らすための交渉は失敗に終わるケースがほとんどです。

残りの「個人再生」や「自己破産」がどのような手続きなのかを紹介します。

返済額を大幅に減額できる個人再生

個人再生とは借金を減額(通常5分の1)し、3~5年で分割して返済してゆく手続きです。

利息だけでなく借り入れ総額を減らすので、奨学金の返済においては任意整理よりも有効な手続きといえるでしょう。

個人再生のメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリット

  • 奨学金の返済額を5分の1程度まで減額できる
  • 住宅など財産を手放す必要がない

デメリット

  • 保証人が代わりに請求される
  • 継続した収入が必要
  • クレジットカードやローンが組めなくなる
  • 官報に掲載される

デメリットの中でも特に注意したいのは「保証人が代わりに請求される」ことです。

日本学生支援機構による奨学金は原則として父母を連帯保証人に選任しなければならないため、親に返済するためのお金がなければ、保証人を巻き込んだ債務整理となります。

保証人に迷惑をかけないためには…
保証人に迷惑をかけずに手続きをするなら「任意整理」を選びたいところですが、奨学金の延滞が借金の元本となった場合、減額は多く見込めません。
ただし、奨学金以外にも他の金融機関から借金(多重債務)をしているケースであれば、任意整理が有効に働く場合もあります。
奨学金の返済額はほぼ変わりませんが、任意整理を通した交渉によって他の金融機関から借り入れた借金が減れば、借金の総額が減るため、自然と債務者への負担も少なくなります。
個人再生の場合は、継続した返済能力の証明が必要です。つまり定期的な収入を得ることが条件となります。そのため会社員やアルバイト・パートの方であれば手続き可能ですが、無職の方は手続きが難しくなります。
収入がない、もしくは不安定な場合で、身内にも頼る人がおらず、どうしても奨学金の返済ができない場合の最終手段として「自己破産」を検討しましょう。

債務すべての返済を免除する自己破産

自己破産とは、裁判所にすべての借金の免除を認めてもらう手続きです。

個人再生と同じく保証人に返済義務が移りますが、収入がない無職の方でも手続きが可能です。

自己破産のメリット

  • すべての借金の支払いが免除される
  • 収入がなくても手続き可能

自己破産のデメリット

  • 家や車など一定の財産を失う
  • 保証人に迷惑がかかる
  • クレジットカードやローンが組めなくなる
  • 官報に掲載される
  • (手続き期間中)弁護士や警備員など一部職業に制限がかかる

すべての借金を帳消しにできる反面、他の債務整理に比べてデメリットも多いのが特徴です。

自己破産にはネガティブなイメージをお持ちかもしれませんが、あくまで借金で苦しむ人のための救済制度です。

上記のようなメリットやデメリットがあることをしっかりと理解したうえで、「支援制度や家族への相談でも問題が解決できず、どうしても奨学金の返済ができない」という方は、あらためて弁護士や司法書士に相談しましょう。

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