奨学金の返済がつらい…返済を軽くする3つの制度と減額する方法

2018.08.31 更新

将来のためとはいえ、学生時代に借りた奨学金が今になってあなたの生活を苦しめていませんか?

収入が少なくて毎月の奨学金の返済が苦しい
奨学金の返済地獄から解放されたい

そう思っても、どうしたらいいのか分からない…と諦めている人も多いでしょう。

実は、日本学生支援機構では奨学金を返済できない場合に利用できる制度がいくつかあります。また国が認めた手続きで、奨学金を減額または免除する方法もあります

このページでは、

  • 奨学金が返済できない場合の対処法
  • 奨学金の返済ができない場合(滞納したら)どうなるのか

について紹介します。

奨学金の返済は軽くできる?利用できる3つの制度と条件

そもそも、奨学金を返済しなくてもいい場合などあるのでしょうか。

基本的に奨学金の返済はしなければなりません。返済義務をなくすことはできないのです。
というのも、この返済したお金は、学費で困っている次世代の学生に貸す資金となるからです。

ですから、日本学生支援機構では、返済ではなく「返還」(循環するという意味が込められている)という言葉を使っています。

一方で、奨学金の返済に困っている人のために

  • 月々の返済額を減らす制度
  • 一定期間、返済を免除する制度
  • 返済そのものを免除する制度

が用意されています。

ここではその3つの制度とその利用条件について、具体的に説明していきます。

月々の返済を減らす減額返還制度

減額返還制度とは

月々の返済額を2分の1もしくは3分の1にしてくれる制度

総額が減るわけではないので返済期間は長くなってしまいますが、最長で15年まで延長できます。

減額返還制度を利用する条件は以下のとおりです。

  • 災害や傷病、失業など返済困難であること
  • 年収が300万円以下(自営業の場合は200万円以下)
  • 返済を滞納していない(申請時点で解消すれば可能)

制度利用あたっては、日本学生支援機構の公式サイトをご確認ください。

一定期間、返済を免除する返還期限猶予制度

返済期限猶予制度とは

最長10年間返済を免除してくれる制度

減額返還制度と同様に返済総額が減るわけではありませんので、猶予期間後は再び返済する必要がありますが、滞納している場合も申請が可能です。

返済期限猶予制度の条件は以下のとおりです。

  • 災害や傷病、産休、失業など返済困難であること
  • 年収が300万円以下(自営業の場合は200万円以下)

制度利用あたっては、日本学生支援機構の公式サイトをご確認ください。

返済そのものを免除する返還免除制度

返還免除制度とは

本人が死亡して返済ができなくなった場合や障害により働けなくなった場合に、一部または全額返済が免除される制度

返還免除制度の条件は以下のとおりです。

  • 本人が死亡し、返還できなくなった
  • 精神もしくは身体の障害により働けなくなった

制度利用あたっては、日本学生支援機構の公式サイトをご確認ください。

お話しした3つの制度は誰でも利用できるわけではありません。それぞれ利用するためには条件を満たす必要があります。

ただしこれらの制度を利用できないからといって諦める必要はありません。奨学金の返済額を減額したり、免除する方法については、日本学生支援機構で認められた制度以外に国が認めている方法もあります

どうしても奨学金の返済ができないときは債務整理を検討

これまで説明してきた日本学生支援機構で認められた3つの制度が利用できない場合でも、まだ奨学金の返済問題を解決する方法はあります。

それは「債務整理」です。

債務整理とは

弁護士・司法書士などの専門家や裁判所を通して、借金の減額や免除ができる国が認めた手続き

債務整理には大きく分けて3つあります。

  • 任意整理(裁判所を通さず、貸金業者との交渉により借金の金額や返済方法を決め直す)
  • 個人再生(裁判所を通して借金の金額を減らし、3~5年に分割して返済する)
  • 自己破産(裁判所に返済できないことを認めてもらい、借金をなくす)

このうち奨学金の性質上「任意整理」はあまり効果がありません

というのも任意整理は、将来の利息をカットして借金を減らす手続きです。奨学金はそもそも利率が低いため、利息をカットしても大幅な減額は期待できないのです。

また、任意整理は債権者(お金を貸している人)との交渉が必要となります。しかし、日本学生支援機構は交渉にほとんど応じないという姿勢があるため、失敗に終わるケースが多くなっています。

それでは「個人再生」や「自己破産」がどのような手続きなのか紹介していきます。

返済額を大幅に減額できる個人再生

個人再生とは借金を減額し(通常5分の1)、3~5年で分割して返済していく手続きです。

利息だけでなく借り入れ総額を減らすので、奨学金の返済に限っていえば、任意整理よりも有効な手続きといえるでしょう。個人再生のメリットやデメリットは以下のとおりです。

メリット

  • 奨学金の返済額を5分の1程度まで減額できる
  • 住宅など財産を手放す必要がない

デメリット

  • 保証人が代わりに請求される
  • 継続した収入が必要
  • クレジットカードやローンが組めなくなる
  • 官報に掲載される

デメリットの中でも特に注意したいのは「保証人が代わりに請求される」ことです。奨学金は親が保証人になっているケースが多いため、親に支払えるお金がなければ一家で債務整理をする必要が出てきます。

保証人に迷惑をかけないためには…

保証人に迷惑をかけずに手続きをするなら「任意整理」になりますが、先ほどもお話ししたとおり、奨学金の減額は多く見込めません。ただし、奨学金以外にも他の金融機関から借金をしているケースであれば、任意整理が有効に働く場合もあります。

奨学金の返済はそのまま続きますが、他の金融機関からの借金が減れば、負担も少なくなります。

なお、この個人再生の場合は継続して返済できることが前提となるので、一定の収入が条件となります。そのため会社員やアルバイト・パートの方でれば手続き可能ですが、失業や無職の方は手続きが難しくなります。

収入がない、もしくは不安定な場合は続いてお話しする「自己破産」を検討しましょう。

すべての返済を免除する自己破産

自己破産とは、裁判所にすべての借金の免除を認めてもらう手続きです
個人再生と同じく保証人に返済義務が移りますが、収入がない無職の方でも手続きが可能です。

自己破産のメリット

  • すべての借金の支払いが免除される
  • 収入がなくても手続き可能

自己破産のデメリット

  • 家や車など一定の財産を失う
  • 保証人に迷惑がかかる
  • クレジットカードやローンが組めなくなる
  • 官報に掲載される
  • (手続き期間中)弁護士や警備員など一部職業に制限がかかる

すべての借金を帳消しにできる反面、他の債務整理に比べてデメリットも多いのが特徴です。自己破産にはネガティブなイメージをお持ちかもしれませんが、あくまで借金で苦しむ人のための救済制度です。

上記のようなメリットやデメリットがあることをしっかりと理解し、どのような方法が一番いいのか、弁護士や司法書士などの専門家に相談することが解決の近道といえるでしょう。

奨学金を滞納するとどうなる?

奨学金の返済をせずに滞納するとどうなるのでしょうか。奨学金は利率は高くないものの、借金であることには変わりありません。したがって金融機関から借金をするのと同様の措置がなされます。

そのため放置すると人生が台無しになる可能性もありますので、くれぐれも放置だけはしないようにしてください。

電話やハガキなどで督促される

奨学金の支払い期限を過ぎると、日本学生支援機構もしくは債権回収会社の担当者より、文書と同時に電話での督促(支払ってほしいとの請求)がなされます

督促の電話がかかってきた段階では「いつまでに支払う」と約束すれば、大きな問題にはなりません。しかし電話を無視すると勤務先に電話がかかってくる可能性があり、滞納が会社に知られる危険もあります。

延滞金が発生する

延滞すれば利息とは別に延滞金が発生し、上乗せして返済する必要があります。延滞金は長引けば長引くほど雪だるま式に植えていきます。

クレジットカードやローンが組めなくなる

さらに、滞納が続くようであれば、個人信用情報機関に延滞者として登録されます。いわゆるブラックリストに載ったという状態です。

ブラックリストに載ると5年間はクレジットカードが発行されなかったり、自動車や住宅のローンが組めなくなる場合があります

終的には裁判所になり家や給与が差し押さえられる

奨学金を放置し続けると最終的に「強制執行による差し押さえ」が行われます。

これは裁判所により強制的に財産を差し押さえて、そこから借金の支払いをさせるというもので、自宅や預金口座、毎月の給料などが対象になります。

差し押さえになると生活が破綻する事態になりかねません。返済できない、もしくは返済に少しでも不安があると思った時点で、以下の行動を起こすことをおすすめします

  • 日本学生支援機構に現在の状況を相談して、利用できる制度があるか確認する
  • 返済状況を再度整理して、このまま返済が可能かどうか見直す
  • 返済が不可能になった場合は、早急に「債務整理」を検討する

自力で返済できない場合は弁護士・司法書士に相談を

「奨学金が返済できずに困っている」という現状を放置せずに問題を真正面から受け止めることが大切です。

そのためには、債務整理を専門にしている弁護士や司法書士など専門家に相談することが解決の第一歩です。相談だけであれば無料としている事務所も数多くありますし、解決に向けた適切なアドバイスがもらえるはずです。

奨学金を含めた借金は家族や友人であっても打ち明けづらいもの。だからといって一人で抱え込むのは何の解決にもなりません。奨学金の返済に困ったら、法律事務所を訪れてみましょう。

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