「債権者」「債務者」とは?わかりづらい督促状の中身と対処法をわかりやすく解説

2019.01.09 更新

借金の支払いが滞ると、金融機関から届く「督促状」。

難しい言葉が並んでいる督促状を見て「どんなことが書いてあるのか理解できない」と困ってしまう方も多いのではないでしょうか?

しかし、「とりあえず後で調べればいいか……」などと考えて督促状を放置するわけにもいきません。滞納した借金に遅延損害金が乗って返済金額が大きく膨らんでしまいます。

そうした事態を招かないよう、この記事では督促状に記載してある言葉の解説や、督促状が届いたときの対処法についてご説明します。

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「債権」「債務」「債権者」「債務者」とは?

督促状は、未払いとなっている料金の支払いや借金の返済を催促するための手紙のこと。督促状には、普段生活している上であまり見かけない言葉が数多く記載されています。

その中でもとくに覚えておくべきなのが、「債権」と「債権者」または「債務」と「債務者」という4つの言葉です。

では、それぞれの言葉の意味を見ていきましょう。

【債権とは】

「債権」とは、お金やモノを貸した人が借りた人に返してもらう権利のことです。お金の貸し借りが発生した場合、お金を貸した人は借りた人に借金の返済を要求することができます。

【債権者とは】

「債権者」は債権をもつ人、つまりお金やモノを貸した人のことです。お金の貸し借りが発生した場合、債権者は貸したお金を返すよう要求できます。金融機関から督促状が届いた場合は、その金融機関が債権者となります。

【債務とは】

「債務」は借りたお金やモノを返す義務のことです。お金を借りた場合は、借金を返すまでは債権者に対して返済の義務を負いますが、全額返済すれば債務は消えます。

【債務者とは】

「債務者」とは、借金を返す義務を負っている人、つまり債権者からお金やモノを借りている人のことです。したがって金融機関からお金を借りた場合、借りている人が債務者となります。

したがって「債権」「債権者」はお金を貸した人を指し、「債務」「債務者」はお金を借りた人を指す、と考えれば間違いありません。

督促状が届いた!債務者が取るべき対応は?

期限日に返せなければ、数日~数カ月で督促状が届く

期限までに借金を返さないと、債権者から督促状が届きます。

督促状には「〇日までに返さなければ期限の利益を喪失する」といった内容が書いてあります。この文章を読んで困惑した方もいるかもしれませんが、これは〇日までに返済しないと借金の返済を一括請求する、という意味です。

さらに督促状が届くと滞納している借金に加え、借金を滞納した罰として「遅延損害金(延滞利息)」も請求されます。返済する際は返済額に遅延損害金をプラスして債権者に支払うことになります。

遅延損害金は返済までの日数に応じて計算されるため、滞納期間が長引くほど多額になってしまうのです。

したがって重要なのはできるだけ早くお金を返すこと。督促状が来たら放置せず、できるだけスピーディーに対応しましょう。

「期限の利益」の喪失?一括返済の督促状

一定期間以上滞納してしまうと一括請求の督促状が届くことがあります。

ここからは一括請求の督促状に記載された言葉の意味や請求内容について解説していきます。お手元に督促状がある方は、合わせて確認してみてください。

まず、文中に「期限の利益」という言葉があります。これは、債務者が保有している以下の権利を意味しています。

期限の利益とは?
「●月●日までに返済する」のように期限が定められていることによって債務者が受ける利益。 債務者が受ける利益とは以下のようなものが挙げられます。
  • 返済期限までに借金を返済すればよい
  • 返済期限までは借金を分割返済できる

つまり「期限の利益を喪失」するということは、返済期限までに借金返済が行われなかったことを理由に、債務者にはすぐに借金を一括返済する義務が生じることを意味します。

それをふまえてもう一度、督促状を読んでみましょう。おおむね、以下のような意味になります。

「借金が期日までに返済されなかったので、一括での返済を求めます。ペナルティとして遅延損害金も請求しますので、合わせてお支払いください。もし返済できなければ裁判に訴えることがあります」

なお、一括請求の督促状は、実際に借り入れをした金融機関ではなく、「●●債権回収」といった別の会社から届く場合があります。

これは「債権回収業者(サービサー)」と呼ばれる、借金の回収を専門的に扱う業者のことで、債権が「もとの債権者」から「債権回収業者」に移ったことを意味します。

債権回収業者には「求償権(きゅうしょうけん)」が発生し、債務者に対して借金の返済を求める権利を得ます。

求償権とは?
「あなたの代わりに借金を支払ってあげたから、そのお金を支払ってください」といった具合に他人の借金を肩代わりした代金を請求できる権利。

そして、返済できなければ裁判で訴えられることがあります。

債権者からの「差し押さえ予告通知」を放置すると?

一括返済を求める督促状を無視したり放置したりしていると、今度は裁判を予告する督促状(催告書)が届きます。

一見、一括返済の督促状と同じように思えますが、一部内容が大きく異なっています。

その部分をわかりやすくご説明すると…

「平成●●年●月●日までに残りの借金の返済が行われない場合、裁判所での法的手続きを通した強制執行により給料を差し押さえ、借金の返済に充てることにします」

となります。

上の文中にある「強制執行」とは、債権者の請求にもとづき裁判所の権限で債務者の財産(給料など)を差し押さえる行為です。したがって直接的に差し押さえを行うのは国であり、債務者がそれを拒否することはできません。

つまり「借金を返すつもりがないなら、あなたの財産を国が強制的に確保しますよ」という意味です。

上記の催告書は、その強制執行の予告です。この段階ではまだ強制執行が決まったわけではないので、すぐに借金を一括返済すれば回避が可能です。

一括返済が不可能な場合は、弁護士や司法書士に相談しましょう。

裁判所からの「訴状」の対処法

強制執行を予告する督促状(催告書)も放置してしまうと、次に届くのは裁判所からの訴状です。

訴状が届くということは、債権者(多くは債権回収業者)が借金の回収のための訴訟を起こしたことを意味します。

では裁判所から訴状が届いた場合、債務者にはどのような対応が必要となるのでしょうか?その点についてご説明します。

債務者にはまず、指定された日に裁判所に出廷する義務が発生します。それを通知する文書が、訴状に同封された「口頭弁論期日呼出状」です。

病気などの理由で裁判所に行けない場合は「答弁書」に当日行けない理由を記載し、初回弁論期日までに裁判所へ提出しましょう。

また、答弁書には「一括での支払いが難しいので分割払いを希望する」などの希望を書けば、強制執行などの法的措置の開始を遅らせることもできます。

なお、弁護士に債務者の代理人として裁判所に行ってもらうことも可能です。その場合は、訴状が届いた時点で速やかに弁護士に相談しましょう。

債権者からの一括請求が返せない…どうすればいい?

これまでお話ししてきたとおり、借金の督促状を放置すると以下のような流れになります。

  • 債権者から「期限の利益の喪失」により一括請求される
  • 債権者から「差し押さえ予告通知」が届く
  • 裁判所から「訴状」が届く

そして、裁判所から「支払督促」が届いた場合はさらに深刻です。

届いてから2週間以内に異議申し立てをしないと、即座に財産や給与を差し押さえられ、たちまち生活に窮する事態となります。

しかし、借金の返済が滞っている人の多くは「返すお金がないから返済できない」というケースが非常に多いもの。金融機関などの債権者から督促状が届いたが、どうしようもない、という方もいるでしょう。

借金返済の見通しが立たなくなった時点で弁護士や司法書士に相談し、債務整理を行いましょう。

債務整理をすることで、債権者からの督促をストップすることができます。

また弁護士などの専門家と債権者との交渉により、分割払いや将来利息のカットなどにより、借金の負担が軽くなる可能性もあります。

借金の返済に困った場合は決して放置せず、速やかに弁護士や司法書士に相談しましょう。

以下の記事で詳しく「債務整理」について説明しています。
債務整理のデメリットとは?終わらない借金生活から脱出する方法

時効成立?かなり昔の債務の督促状が来たら

ごくまれに債権者からかなり昔に作った借金の督促状が届くケースがあります。「昔の借金なので時効だろう」と勝手に判断し、そのまま放置してしまうのは危険です。

借金を滞納していても、債権者が督促状を送るなどの行動を起こさない場合は法律により「消滅時効」が適用されます。消費者金融やクレジットカード会社、銀行等からの借金の消滅時効は5年です。一方で、信用金庫や公庫、個人からの借金の消滅時効は10年です。

ただし、時効を成立させるには、債務者が「時効の援用」を行う必要があります。

具体的には、「時効の援用」の意思表示をした書面を内容証明郵便を利用して債権者に通知します。それを受けて、借金の時効は成立します。

しかし、法律にもとづく「時効の中断」により、進行中の時効期間がゼロになることのほうが多いので注意が必要です。

「時効の中断事由」となるのは以下の3つです。

  1. 請求(支払督促申立てなど)
  2. 差し押さえ・仮差し押さえ・仮処分
  3. 承認(債務者による返済猶予の申し入れなど)

これらに該当する場合は時効が成立しません。

以上のことから、債権者が黙って時効まで見過ごすことはほぼない、といっていいでしょう。

時効成立のために滞納を続けると、利息や遅延損害金が雪だるま式に膨らみます。結果、借金が減るどころが増えしまったなんてことになりかねません。

借金の返済が苦しくなった場合は、弁護士や司法書士に相談して、根本的な解決策を図りましょう。

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