借金を債務整理するとローン組めない?事故情報や審査について

2018.07.06 更新

住宅ローンや車のローンなどのローンを抱えている場合でも、借金がかさんで返済が苦しくなることがあります。
この場合、借金問題の解決のためには債務整理が有効ですが、債務整理をすると住宅や車はなくなってしまうのでしょうか?
債務整理方法によっても、自宅や車を残せるかが変わってきます。
そこで今回は、ローンを抱えている場合に債務整理をすると家や車がどうなるのかや、債務整理しても自宅や車を残す方法を解説します。

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この記事のポイント

  • 連帯保証人がついているローンは、債務整理をするとデメリットがある
  • 不動産担保ローンは、債務整理をするとデメリットがある
  • 債務整理をすると、事故情報として最低でも5年は信用情報機関に登録される

債務整理をすると、住宅ローンや車のローンはどうなる?

住宅ローンや車のローンを抱えている状態で債務整理をすると、住宅ローンや車のローンの取り扱いはどうなるのでしょうか?
この問題は、住宅や車を手元に残せるかということとも関わってきますが、その結果は債務整理の種類によっても異なります。

そこでまずは、債務整理をした場合に住宅ローンや車のローンがどうなるのかについて説明します。

ローンの支払いがある家や車を残すなら、任意整理や個人再生を選択

ローンを債務整理すると家や車がなくなる

住宅ローン支払い中の家やローン支払い中の車を所有している場合に債務整理をすると、自宅や車がなくなることがあります
それは、住宅ローンや車のローンを債務整理の対象にした場合です。

住宅ローン債権者は、住宅ローン設定時に自宅に抵当権を設定しています。
よって、債務者が住宅ローンを支払わなくなったり債務整理をすると、自宅を競売にかけて売却し、その売却代金から債権回収してしまいます。
すると、当然自宅はなくなります

車のローンもこれと似ています。
車のローンの場合には、車のローン債権者は車のローン完済時まで車の所有者をローン会社にとどめています。
そうしておいて、債務者がローンの返済をしなくなったり債務整理した場合には、所有権にもとづいて車を回収してしまいます。
車のローン債権者は車を売却してその売却金額から債権回収をします

これらの債権回収の仕組みは両方とも担保権といいます。

住宅ローンの場合は抵当権、車のローンの場合には所有権留保という種類の担保権となります。

住宅ローンや車のローンの場合、これらの担保権がついているので、ローン返済をしなくなったりローンを対象にして債務整理をすると、対象とされている物がなくなってしまうのです。

任意整理で家や車を残せる

すると、住宅ローンや車のローンがある場合に債務整理をすると、住宅や車がなくなってしまうようにも思えます。
しかし、実際にはそうとは限りません。

ローン債権者が担保権を実行するのは、ローンを対象にして債務整理をした場合です。
債務整理をしても、ローンを対象にしなければ自宅を競売にかけられたり、車を回収されることはありません

そこで、まずはローンを債務整理の対象にしないで手続きをすれば、自宅や自動車がなくならずに済みます。
そのためには、債務整理手続きの中でも任意整理を利用します。

任意整理とは、債権者と直接交渉をして借金返済金額と返済方法を決め直す手続きのことです。

任意整理では、対象とする債権者を選ぶことができます。
よって、住宅ローンや車のローン債権者を外してそれ以外の借金だけを整理すれば、住宅や車を守ることができます

個人再生で住宅を残せることがある

住宅ローンがあっても自宅を守る方法としては、個人再生を利用する方法もあります。
個人再生とは裁判所に申立をして、借金を大幅に減額してもらう手続きのことです。

個人再生には、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)という督促があります。
これを利用すると、住宅ローンだけはそのまま支払を続け、他の借金だけを減額してもらうことが可能です。

住宅資金特別条項を利用すると、住宅ローンをそのまま支払続けるので、自宅が競売にかけられることもなく、自宅を守ることができます。

ただし、個人再生にはデメリットもあります。
個人再生を利用するには、安定した継続的な収入が必要になります。

個人再生は裁判所を利用した厳格な手続きなので、収入要件を裁判所から厳格に審査されるからです。

たとえば収入が安定しないアルバイトの人や収入の無い人、無職の人などは個人再生を利用することができないので注意が必要です。

また、個人再生は裁判所を利用した複雑な手続きですので、弁護士や司法書士に依頼する必要があります。
そうなると、そのための費用もかさんできます。

住宅資金特別条項をつけると、さらに費用が高額になることが多いです。

住宅資金特別条項を利用するためには、住宅ローンの滞納期間が長すぎないことが必要です。
住宅ローンを滞納して半年くらい経過すると、保証会社が代位弁済してしまいますが、その後6ヶ月以上が経過すると、もはや個人再生を利用しても家を守ることができなくなります。

また、住宅が競売にかかってすでに入札日を過ぎている場合にもやはり個人再生の住宅資金特別条項を利用することができません。

個人再生では車は守れない!

同じように車のローンがある場合にも任意整理や個人再生で車を守ることができるのでしょうか?

まず、任意整理の場合なら、問題なく車を守ることができます。
任意整理なら、車のローンを外して手続きができるので、そのようにして車のローンは支払を続ければ、車がなくなることはありません。

これに対して個人再生の場合には、基本的に車を守ることができません。

個人再生の住宅資金特別条項は、住宅ローンの場合に特別に認められた特則です

個人再生の場合、基本的にはすべての債権者を平等に扱わなければならないという債権者平等の原則がはたらきます。

よって、個人再生の場合には、車のローン債権者だけを特別扱いして支払を続けることはできないのです。

個人再生で車を残せるケース

原則的に個人再生をすると、ローン支払い中の車はなくなります。
しかし、車のローン返済中に個人再生をした場合でも車を手元に残せるケースがあります。
これは一般的なケースではなく、タクシー運転手や宅配業者など、車が生活の必需品となっている場合のレアケースです。

このような場合には、個人再生で車がなくなると、債務者は仕事を失うこととなって、生活が成り立たなくなります。
そうなると、収入がなくなって手続き後の返済もできなくなるので、債務者にとっても債権者にとっても不都合です。

そこで、このように自動車が生活の必需品となっている場合には、例外的に裁判所が車のローン債権者に対する返済を許可することがあります。
返済する金額は、車を売却した場合の想定額である車の時価になります。

別除権協定で車を残す方法

車のローン債権者に車の時価を払っていくためには、車のローン債権者との間で「別除権協定」という協定を締結する必要があります。

別除権協定とは、車のローン債権者などの別除権者と話し合って、債務の返済金額と返済方法を決める協定です。

車のローンがある場合に車を守るためには、まずはローン債権者と話し合って別除権協定を結ぶ必要があります。

具体的には、車のローン残金として具体的にどれだけの金額を支払っていくか、その返済方法をどうするかということを決めます。

そして、その協定の内容を裁判所に提出して、その内容について裁判所の許可を得る必要があります。
よって、あまりに高額な金額を支払う内容になっている場合などには他の債権者を害するとして許可されない可能性も出てきます。

さらに、別除権協定について、他の債権者の納得も得る必要があります。

個人再生の中でも小規模個人再生の場合には、債権者の過半数の数と債権額の債権者が再生計画案に異議を出すと、その再生計画案が認可されなくなってしまいます。

別除権協定を締結して車のローン債権者にのみ返済をするとなると、他の債権者としては再生計画案に同意しかねる、ということになる可能性があります。

ここで事前に各債権者にその内容や必要性を説明して、再生計画案に反対しないように根回しをしておく必要があるのです。

このように、個人再生で別除権協定によって車を守る方法は、誰でも利用出来るわけではありませんし、利用の際のハードルもかなり高いです。

一般の人の場合には、個人再生をするとローン支払い中の車はなくなると考えた方が良いです

車のローンを完済していれば車を残せる

車の場合、ローンを完済していれば手放す必要はありません。

車のローンを組んでいる場合、ローン返済中は所有者名義をローン会社にとどめていますが、ローンを完済した後は所有名義を利用者(購入者)に書き換えてもらえます。

また、ローンを完済した以上、ローン債権者が車を回収する根拠はなくなります。

よって、ローンを完済している場合には、任意整理をしても個人再生をしても車がなくなることはありません。

債務整理をすると、信用情報機関に異動情報(事故情報)が登録される

住宅ローンや車のローンがある場合でも任意整理や個人再生の住宅ローン特則を利用すれば、自宅や車を守ることができます。
しかし、この場合個人信用情報に異動情報(事故情報)が記録されてしまうというデメリットがあります。

これはいったいどのようなことなのでしょうか?以下でわかりやすく解説します。

信用情報機関に異動情報が登録される=ブラックリストに載る

債務整理によるブラックリスト状態とは

債務整理をすると、借金問題は解決出来ますが、いわゆるブラックリスト状態になってしまいます。

ブラックリスト状態とは、ローンやクレジットカードなどを一切利用出来ない状態のことです。
債務整理をすると、信用情報機関が保有している個人信用情報に異動情報というネガティブな情報が登録されてしまいます。
銀行等の金融機関やローン会社などの貸金業者はローン審査の際に個人信用情報を参照します。
そうなると、そのときに異動情報(事故情報)が記録されている場合には、過去に債務整理などの問題を起こしたことが判明してローンの審査にとおらなくなってしまいます。

よって、債務整理手続きをすると、その後ローンやクレジットカードを利用することができなくなるのです。
このように、個人信用情報に異動情報が記録されている状態のことを、俗にブラックリスト状態と言っています。
ブラックリストとは言っても実際に何らかのリストが存在するわけではありません。

任意整理でも個人再生でも、どの債務整理手続きを利用しても個人信用情報に事故情報が記録されます。

ブラックリスト状態になる期間

債務整理によっていったん事故情報が記録されても、その記録は一生残るわけではありません
債務整理後一定期間がたてば消去されます。

このとき、事故情報が記録され続ける期間については、各債務整理方法によって異なりますし、各信用情報機関によっても異なります。

信用情報機関にはCICとJICC、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3つがあります。
多くの信販会社はCICに加盟しており、消費者金融の多くはJICCに加盟しています。
銀行や信用金庫などの金融機関はKSCに加盟しています。
これらの複数に加盟している会社もたくさんあります。

そして、まず、任意整理の場合には、どの信用情報機関でも、事故情報の記録期間は手続き後5年です。
よって任意整理をしても、5年程度が経過したらまた住宅ローンや車のローンが利用出来る可能性があります。
ただし、この場合、手続き後の返済を滞納していないことが前提です。
もし手続き後の返済を滞納してしまったら、延滞解消時から5年のカウントが開始されるので、事故情報の記録期間が長引いてしまうことがあります。

これに対して、個人再生や自己破産の場合には信用情報機関によって事故情報の記録機関が異なります。

具体的には、CICとJICCの場合には、手続き後5年になりますが、KSCの場合には、手続き後10年になります。

よって、個人再生を利用すると、手続き後5年程度が経過すれば信販会社の車のローンなどが利用出来るようになりますが、銀行などで住宅ローンを借りるには手続き後10年の経過が必要になるケースが多いです。

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