住宅ローンが苦しくて債務整理するけど、持ち家は残したい!

2018.10.24 更新

家は一生で一度の買い物とも言われます。住宅ローンを利用して家を購入したけれど、支払いが苦しくて、延滞をしている人もいるのではないでしょうか。
債務整理を考えてはいるけれど、「家を失ってしまうのでは」と心配でなかなか踏み出せないというのでは、何の解決にもなりません。

そこで今回は、債務整理と住宅ローンに関することに焦点を当てて、先生に聞いてみました。

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この記事のポイント

  • 住宅ローンの支払いを延滞すると、ブラックリストに載る
  • 債務整理の種類によって、ブラックリストに載る期間は異なる
  • 任意整理と特定調停、個人再生なら持ち家を残すこともできる

住宅ローンの支払い延滞は、ブラックリストに載る!

友人の夫婦が住宅ローンで家を買ったんですけど、返済が苦しくて延滞しているようなんです。
持ち家を手放そうかって話も夫婦の間で出ているとか……。

それは大変ですね。

住宅ローンの返済を延滞している状態でも、ローンの借り換えをすることって可能なんですか?

住宅ローンの返済を延滞していると、借り換えができない場合があります。なぜなら、住宅ローンの返済を延滞すると、それが原因でブラックリストに載ってしまうことがあるからです。

住宅ローンでも、返済を延滞するとブラックリストに載ってしまうんですね。

ローンの支払いは、数日遅滞したくらいでは大きな問題にならず、遅れた分を支払えば前と同じように続けることができます。でも、長期延滞(だいたい61日以上)をすると、これを理由に遅延情報という事故情報が信用情報機関に記録される、いわゆるブラックリストに載ることになります。

「61日以上」がポイントですね。

ブラックリストに載っていると、借り換えの審査にも通りません。そのため、住宅ローンを61日以上遅延している場合には、借り換えは利用できないというわけです。返済が数日などという軽微な場合には、審査に通って借り換えが利用できることもありますが、当然ながら遅滞した分を完済する必要があります。

住宅ローンの返済を延滞し続けるなら、債務整理をしたほうがいいかもしれません。でも、債務整理をしても、結局はブラックリストに載ってしまうんですよね。

そうですね。
債務整理をすると同じように信用情報機関に事故情報が登録されるので、そもそも住宅ローンは組めなくなります。

それなら、ブラックリストに載ってからどれくらい経てば、住宅ローンが組めるようになるんでしょうか。

事故情報は、債務整理の手続きが終了したあと、5年~7年くらい経つと消去されます。そのため、住宅ローンも債務整理の手続きが終了したあと、5年~7年くらい経てば組めるようになります。
具体的には、次のようになります。

任意整理 合意後の支払い開始時から5年~7年くらい
個人再生 認可決定時から5~10年くらい間
自己破産 免責決定時から5~10年くらい

なるほど。債務整理の種類によって、少し違うんですね。

任意整理や個人再生の場合、完済後のカウントではありません。そのため、完済したからといって事故情報が消えるわけではないので、注意が必要です。
また、5~10年のように期間に開きがあるのは、それぞれの信用情報機関や債務整理手続きの種類によって、事故情報に関する取り扱い方法が多少異なるためです。

債務整理の種類によっては、持ち家を残すこともできる!

住宅ローンの返済が残った状態で債務整理をするとなると、持ち家は失ってしまうんでしょうか。

債務整理の種類によって違いますよ。
自己破産の場合は住宅ローンが免除されますが、持ち家は差し押さえられ、競売にかけられるので、残すことはできません。

しかし、任意整理であれば住宅ローンを対象から外すことができます。また、個人再生なら「住宅ローン特則(住宅資金貸付債権に関する特則)」を利用すれば、持ち家を手放す必要はありません。

任意整理 住宅ローンを対象から外すことで持ち家を残せる
個人再生 住宅ローン特則を利用すれば持ち家を残せる
自己破産 持ち家は競売にかけられるので残せない

住宅ローンが残っている状態で自己破産をすると、持ち家は失ってしまうんですよね。その場合、破産した人はほかに住む家を探して、賃貸契約を結ぶことってできるんですか?

持ち家があって自己破産をした場合でも、破産した人は賃貸契約を結ぶことはできます。むしろ、それが一般的な流れになりますね。自己破産をしてブラックリストに載ったとしても、問題なく賃貸契約を結ぶことができます。

なるほど。そうなんですね。

自己破産をすると持ち家は管財人に引き渡すことになり、最終的には他人に売却されてしまいます。この場合、破産した人は生活するために新しい家を探さないといけません。

しかし、破産した人が新しい家を購入することは不可能ですし、住まわせてくれるような知人や親族が必ずしもいるわけではありません。そのため、破産した人は普通、持ち家を管財人に引き渡す前に住む家を探して賃貸契約を結び、引っ越しをすることになります。

持ち家のある人が自己破産を選択するケースって、多いんですか?

持ち家のある人が自己破産することは、よくあります。
持ち家があっても借金がかさんで支払いがかなり苦しくなると、生活をすることができません。借金を放置していると、家が差し押さえられることもあります。
結局、借金問題を放置していても家はなくなるので、自己破産をして借金問題を解決したほうがいいわけです。
このような理由で、持ち家があっても自己破産をする人は結構います。

特定調停でも持ち家を残すことはできる!

債務整理をしても持ち家は残したいとなると、やっぱり、任意整理か個人再生をすることになりそうですね。でも、それ以外の方法で、持ち家を残すことってできないんでしょうか。

債務整理をしても持ち家を残したいという場合、任意整理か個人再生、特定調停のいずれかを選択することになります。実は、債務整理には特定調停という方法もあるのです。

特定調停って何ですか?

特定調停というのは、債務者の申し立てによって裁判所(簡易裁判所)が債務者と債権者の話し合いの仲裁をして、借金の減額や返済条件について話し合うものです。

任意整理 裁判所を介さずに、債権者(貸金業者)との交渉によって借金の返済額や借金の総額を見直す
個人再生 地方裁判所に申し立てて、借金の一部を3年で支払うことを条件に債務を5分の1程度に免責してもらう
自己破産 地方裁判所に支払い不能(破産)を申し立てて、免責を受けることにより借金を免除してもらう
特定調停 簡易裁判所の仲裁により、債権者と債務者が借金の減額や将来の分割払いの条件を話し合う

借金問題の内容によって、どの債務整理を選ぶかが重要になりますね。勉強になりました。
住宅ローンが残っている状態で債務整理をしても、持ち家は残せることもあるというのを、さっそく知り合いに教えます!

このように、債務整理には4つの手続きが用意されており、そのうちの3つを利用すれば、持ち家を守ることができるので、決して選択肢が狭いわけではありません。

住宅ローンの支払いを遅延していて、持ち家を失うからと債務整理をすることをためらっている人は、まずは弁護士や司法書士に相談してみましょう。
債務整理の種類によっては持ち家を残すことができるので、あなたに合った最適な解決策を提案してくれますよ。

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