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任意整理と自己破産・個人再生の違いは?最適な債務整理手続きはどれ?

2019.10.16 更新

中町 遥
司法書士法人みつ葉グループ

中町 遥

この記事の監修

任意整理は、4種類ある「債務整理」の種類のひとつで、他には特定調停や個人再生自己破産があります。どの方法を選んでも、信用情報機関に登録される、いわゆるブラックリストに載ることに変わりませんが、借金の額によっては選択肢が狭まったり、手元に残せる財産に違いがでたりします。

基本的には弁護士や司法書士などの専門家と、どの債務整理の手段をとった方がいいのかを相談して決めることをおすすめしますが、この記事では、どの債務整理が自分に向いているのかの目安と、一般的に選ばれることの多い任意整理は自己破産など他の債務整理とどう違うのかを解説します。

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自分にはどの債務整理が最適?

どの債務整理が自分に最適なのかは、細かい条件で変わるため詳しくは弁護士や司法書士など法律の専門家に相談することをおすすめします。借金を返せる余力があれば、日本クレジットカウンセリング協会での任意整理を検討しましょう。

理由は任意整理なら、無料で行ってくれるためです。

任意整理 借金の債務額が200万円未満ほどの比較的少なめの人で、これから先に定期的な収入の見込みがある人、相手を選んで債務整理したい人、誰にも知られずに債務整理をしたい人、給料差し押さえを受けていない人に向いている債務整理方法です
特定調停 上記にある任意整理の内容に当てはまり、かつ、弁護士などの依頼費用を支払えない人に向いている債務整理方法です
債務整理手続きを弁護士などには依頼せずに、自分で行うことになります。

※詳しい特定調停の内容はこちらの記事をご覧ください。

個人再生(民事再生) 借金の債務額が5000万円以下位など比較的多めの人で、これから定期的な収入の見込みがある人に向いている債務整理方法です
債務が200万円以下の場合は個人再生では債務整理が不利になる性質があります。

※詳しい個人再生の内容はこちらの記事をご覧ください。

自己破産 借金返済が不可能な人が生活を立て直すために行う、借金返済義務をなくす目的で行われる債務整理方法です
任意整理と自己破産の違いは後ほど解説します。

※詳しい自己破産の内容はこちらの記事をご覧ください。

任意整理とは?

任意整理は、唯一裁判所を介さず、利用者も多い手続きです。任意整理でできる借金整理の内容を確認しましょう。

  • 裁判所を通さずに、債権者から任意整理手続きの依頼を受けた弁護士や司法書士などが債権者と直接交渉します。
  • 債権者(消費者金融などの貸金業者)と交渉して、無理のない返済方法を実現するための手続きです。
  • 交渉が終わった後の利息(将来利息)や、延滞で生じた遅延損害金の支払いを免除してもらうことで借金総額を減らし、債権者が返済可能な範囲まで債務を縮小することを目指します。

借金の元本については減額されませんが、将来利息がなくなると、債務総額が30%~50%ほど減る効可能性があります。たとえば12%の年利で3年分の分割にしていた場合は36%も支払いが減るので、弁護士費用を払っても任意整理前の債務総額よりも支払いが少なく済みます。

利息制限法を超過した利率での返済歴がある場合は、利息を計算しなおしす引き直し計算により、元本が減額になったり過払い金返済請求ができるケースもあります。

任意整理のメリット!他の債務整理方法と比較

裁判所には行かなくてよい

任意整理は裁判所を通さない手続きなので、裁判所に行ったり裁判に必要な書類を作成したりという手間がかかりません。任意整理以外の債務整理ではすべて裁判所に行く必要があります。

整理したい債務のみを手続きできる

任意整理は、債権者が借金返済条件を緩和したい債務のみを選んで、手続きすることができます

保証人/連帯保証人に迷惑をかけなくて済む

基本的にはどの債務整理も、未納の借金である残債の一括請求が、保証人/連帯保証人に行き迷惑をかけてしまう構造です。

しかし、任意整理と特定調停においては保証人付きの債務を整理対象から外すことができるので、外した場合は、債務整理を保証人等に知られることも、一括請求連絡が保証人等にいって迷惑をかけることもありません。

※保証人も連帯保証人も、債務者本人が借金返済をできなくなった場合に借金返済の義務を負う人です。保証人と連帯保証人は、保証すべき返済の範囲や借金返済の督促を受けるタイミングが異なります。

ローン支払い中でも家や車を維持できる

住宅ローンや自動車ローンを支払い中の人でも、そのローンを任意整理対象から外しておければ、家や車を維持することができます

特定調停も任意整理と同様に整理したい債務のみを手続きすることができますが、自己破産と個人再生は事情にかかわらず全債務が手続き対象になるので、保証人を必ず巻き込むことになり、ローン支払い中の家や車も維持できなくなります。

どのような借金にも対応可能

自己破産では、ギャンブルや浪費を理由に手続きをすることは基本的にはできませんが、任意整理では、どんな理由であっても手続きをすることが可能です。特定調停・個人再生も任意整理と同様です。

自己破産以外は手続きをする理由は問われませんが、手続きで決められる期間中に、手続きで決められる額の返済を遂行することが非常に大切です。

職業制限や資格制限がない

任意整理には職業制限や資格制限はなく、仕事に支障をきたすことはありません。特定調停・個人再生も同様です。しかし自己破産だと、破産手続開始から免責決定を受けるまでの期間は、士業・警備員などの職業に就くことができないという職業制限、後見人などになることができないという資格制限があるので注意が必要です。

家族や職場の人に知られるリスクが少ない

任意整理は官報に氏名などが掲載されることがないため、家族や職場の人に債務整理をしたことを知られるリスクが低いと言えるでしょう。特定調停も同様です。自己破産や個人再生は官報に氏名・住所が掲載されるので、家族や職場の人に債務整理をしたことを知られるリスクが高めの債務整理方法と言えます。

借金の取り立てがすぐに止まる

債務者が弁護士や司法書士に任意整理手続きを依頼すると、弁護士や司法書士が債権者に受任通知書を送るため、債権者から債務者への借金取り立てが速やかに止まります。取り立てが止まると気持ち的に少し落ち着くことができます。自己破産、個人再生でも同様です。

特定調停でも最終的には借金取り立ては止まりますが、書類を自分で準備して裁判所に持ち込んで、特定調停の申立てをし、裁判所の取り立て停止命令が出されるのを待つという時間がかかるので、取り立てが比較的長く続くことになります。すぐに取り立てを止めたい人は特定調停以外の債務整理方法が良いでしょう。

任意整理のデメリット!他の債務整理方法と比較

自己破産や個人再生よりも借金減額の効果が低い

任意整理や特定調停はその性質上、自己破産や個人再生よりも借金減額の効果が低いので、借金返済額をとにかく低くする必要がある場合は任意整理ではなく自己破産や個人再生を選ぶのが良いでしょう。

任意整理や特定調停は、将来分の利息や損害遅延金の負担をなくして残った借金を分割して返済する手続きで、手続き前よりは返済の負担は軽くなるものの、一般的な返済期間である3〜5年の間は借金を返済し続けることになります。

一方、自己破産は大半の財産を処分する代わりに税金など一部の債務を除いて残債務の借金返済が法的に免除(免責)される手続きで、個人再生は債務は免除されないものの、再生計画案(借金返済計画案)が裁判所に認められれば最大で債務が1/10ほどまで減らせる借金減額効果が大きい手続きです。

交渉さえできない/和解が成立しない場合もある

債務者と債権者が「任意」で債務内容を協議する任意整理は、債権者側の要求が高くてなかなか和解が成立しない場合や、数は少ないですが、貸金業者によっては交渉さえも受け付けないという場合もあります。特定調停も同様です。

給料差し押さえの執行が停止されない

給料差し押さえは裁判所が認める強制執行のひとつですが、任意整理には強制執行停止機能がないため、給料差し押さえを解除できません。

5年間はクレジットカードやローンの審査にほぼ通らなくなる

任意整理・特定調停・個人再生は完済して5年間、自己破産は申立から5年の間、クレジットカード会社や金融機関などが加盟する信用情報機関に金融事故情報が登録されます
※自己破産は信用情報機関ごとに異なり、JICCおよびCICでは、免責許可決定から約5年間、KSCでは破産手続開始決定から約10年間、事故情報が登録されるといわれております。

すなわち、通称ブラックリストに名前が載ることになり、新たなクレジットカード作成や、住宅ローン・マイカーローンなどのローンを組むための審査に通らなくなります。任意整理で整理対象に含めなかったクレジットカードでも、更新などのタイミングで事故情報に気付かれると使えなくなる可能性があります。

クレジットカードが利用できない間は、銀行口座を持っていれば審査なしで作れるデビットカードを利用するのが便利です。銀行口座と直結しているデビットカードは買物と同時に代金が銀行口座から引き落とされる仕組みなのでお金の使い過ぎも防げます。

まとめ

4つある債務整理にはそれぞれの特徴があり、各自の状況やニーズに合わせて適切な債務整理を選ぶことが重要です。

各自の借金額や債務整理後の収入、家族や親戚・保証人の協力を含めた返済能力などによって最適な手続きは異なるので、債務整理に詳しい弁護士や司法書士に一度相談されることをおすすめします。

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