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任意整理をするなら必ず押さえておくべき手続きの流れ

2019.08.14 更新

牛山 定彦
東京司法書士会所属簡裁代理認定司法書士

牛山 定彦

この記事の監修

任意整理の手続きってどんな流れで進むの?
期間はどのくらいかかるの...?

借金の返済に困っているけど、借りた以上はできるだけ返したい、あるいは破産はしたくないという方もいらっしゃると思います。
そのような場合には、債権者(お金を貸した側)との話し合いで借金を整理する、任意整理という手続があります。

任意整理は個人でも不可能ではありませんが、必ずしも債務者本人に法律の知識や交渉力があるとは限りませんので、弁護士や司法書士(法務大臣の認定を受けた司法書士)に依頼して交渉をしてもらうという選択肢もあります。

そこで今回は、弁護士や司法書士に任意整理を依頼した場合の基本的な流れを紹介したいと思います。

今の借金滞納生活から抜け出す方法を知る

この記事のポイント

任意整理の手続きは短期間で誰にもバレずに終わる

流れといっても基本的に明細履歴を参考にし利息の引き直し計算をするところから和解交渉まで、すべて弁護士・司法書士が行ってくれますので、あなた自身は必要書類の提出以外特にすることがありません。

和解交渉までの期間に関してはだいたい3~6ヶ月程度で、意外にも短期間で終わることが多いです。

任意整理を依頼した場合の具体的な流れを把握する

任意整理は、裁判所を通さずに各債権者と交渉で借金を整理し、残った借金を余裕のあるスケジュールで返済していくことを目的としています。ですから、電話相談や面談の際は、破産や個人再生等の手続きは取らず、任意整理での解決の見込みがあるかを判断するために、以下の項目について質問されるのが一般的です。

  1. 全ての借入先
  2. 借入を始めた時期
  3. 現在の債務総額
  4. 現在の月々の返済額
  5. 現在の収入
  6. 月々の返済可能額
  7. 借金をした理由

面談から任意整理の契約を結ぶまで

正式に依頼をするにあたって、面談が必要なのか、それとも電話やメールのやりとりですませることができるのか、気になっている方もいらっしゃると思います。
中には面談なしと謳っている事務所もありますが、弁護士会も司法書士会も委任を受ける際は面談をすることを原則としています
特別な事情がない限り、面談の上で依頼をするか決めた方がいいでしょう。

面談の上、正式に委任契約を締結すれば、弁護士や司法書士が各債権者に対し、受任通知を送付します。受任通知には、弁護士・司法書士が委任を受けたこと、過去の取引履歴の開示の要求、債務者本人には連絡しないことの要求などが記載されています。

受任通知がクレジット・貸金業者などの債権者に到達すれば、基本的に債権者からの請求は止まりますので、業者との話し合いがまとまるまでの間、一時的に借金の返済をしなくてよくなります
その間に、話し合いがまとまった後の返済資金に充てるために積み立てをしておけば、返済を再開した際の生活が少しでも楽になるでしょう。

取引履歴が開示されれば、利息制限法による引き直し計算を行い、債務の額を減らすことができないか、過払い金が発生していないか等を確認します。債務が残る場合には、引き直し計算後の債務総額と、月々の返済可能な額などを考慮して、分割支払いによる和解案を作成し、債権者に送付します。

交渉の結果、合意ができれば、和解契約書を作成し、弁護士・司法書士と債権者の間で調印します。 その後、和解の内容に基づいて、無理のない分割払いで返済を始めます

任意整理をする際に必要な書類は何か

任意整理を依頼する際は、次の書類を用意しておくといいでしょう。

1.運転免許証、保険証など本人確認のための身分証明書

2.債権者一覧表

裁判所のホームページなどで書式が公開されています。
作成ができないときは、債権者名、住所、電話番号・FAX番号、最初の借入日・借入額、現在の債務額、月々の返済額、使途などを業者ごとに整理して債権者ごとに1枚の紙にまとめるといいでしょう。

3.消費者金融のカード、クレジットカード(裁判所から書類が届いている場合は、訴状や支払い督促等)

任意整理をするとカードが使えなくなり、債権者からカードの返還を求められることがあります。そのため、面談の際に、ハサミを入れるなどした上であらかじめ弁護士や司法書士が預かっておくことがあります。

4.預金通帳

5.給与明細・源泉徴収票など収入が分かるもの

それ以外に、次のような財産がある場合には、関係書類を求められることもあります。

不動産を所有している場合には、6.不動産の登記簿謄本、医療・生命保険に加入している場合には、7.保険証券、勤務先に退職金制度がある場合には、8.退職金の見込み額が分かる書類

任意整理の手続きをしたことによる効果を理解する

「債権者(お金を貸している側)との話し合いで借金を整理する」と言っても、なかなかイメージがわかないかもしれません。
そこで、任意整理をすることで具体的にどのような効果が生じるかを紹介したいと思います。

利息のカットにより支払総額が減額される

任意整理では、通常、和解時の経過利息、将来利息のカット(免除)を求め、元本のみを分割で支払うことを提案します。

経過利息とは、和解が成立するまでの間に発生する利息です。また将来利息とは、和解が成立してから和解に基づく返済を終えるまでの利息をいいます。

これらの利息のカットに応じてくれるかは債権者次第ですが、将来利息のカットには応じてくれる債権者が多いといえるでしょう。他方で、経過利息については、カットしないという対応をとる債権者が増えています。債務整理に強い弁護士・司法書士であれば、将来利息も経過利息もカットすることができるかもしれません。

また、利息のほかに、遅延損害金というものがあります。これは、支払いが遅れていることに対して課される賠償金のことで、通常の利息の利率より高く設定されています。弁護士や司法書士が任意整理交渉で債権者と合意できれば、この遅延損害金もカットできる可能性があります

利息制限法による引き直し計算とは

利息の利率については、利息制限法という法律が元本の額に応じて上限(年15~20%)を定めており、その上限を超える利率の合意は無効とされています。ただし、違反した場合でも刑罰の対象となりません。

他に貸金業者を規制する法律として、出資法という法律があります。出資法により、貸金業者が年29.2%を超える利息をとると、刑事罰の対象とされていました。以前は、多くの貸金業者が、利息制限法の上限と出資法の上限の規制の間、つまり利息制限法違反ではあるが、出資法には違反しないので罰則のない範囲で利息をとっていました。完全にシロでも完全にクロでもないということで、「グレーゾーン金利」と呼ばれています。

任意整理では、利息制限法違反の利率については「引き直し計算」を行います。
引き直し計算とは、利息制限法の上限を超える部分の利息の支払いを元本の返済にあてたものとみなして、債務の額を計算し直すことをいいます。

長期間、貸金業者に請求されるままに利息制限法を超える利息を払うと、元本の返済に充てたとみなされる額も大きくなりますから、法律上認められる元本が貸金業者の言分より大幅に下がったり、場合によっては元本がなくなった後も返済を続けて払いすぎになっている(過払い金が発生している)ということもあります。

この記事の監修者

牛山 定彦
東京司法書士会所属簡裁代理認定司法書士

牛山 定彦

2001年北海道大学法学部卒業。
2017年司法書士試験合格。不動産会社で5年勤務したのち、2018年みつ葉グループ入社。
不動産会社での勤務経験から、不動産売買における物件調査、契約書作成、重要事項説明等の経験から、考えうるパターンを予測し、リスクがあれば回避できるよう対応策を検討し提案、相談していくことを信条としている。

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