債務整理の条件ってなに?弁護士に相談するべき基準と手続きの種類

2017.12.26 更新

債務整理の条件がわからない
自分の借金総額は債務整理するべき金額なの?
どの手続きが自分に合っているの?

債務整理の条件は「借金総額」「収入」「返済能力」によって異なります。このページでは3つの債務整理の種類とそれぞれの手続き条件について解説します。

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【最初に読んでほしい】債務整理には3つの種類がある

債務整理は3つの種類がある「任意整理」「個人再生」「自己破産」

債務整理の種類

債務整理の条件を知る前に、まずはそれぞれの手続きの特徴について知っておきましょう。

任意整理 裁判所を介さずに、債権者(貸金業者)との交渉によって借金の返済額や借金の総額を見直す手続き。リスクやデメリットが少なく、最も利用者が多い
個人再生 裁判所を通して、3年で完済できる金額に借金を圧縮する手続き。継続した収入を得ていることが条件。
自己破産 裁判所に、借金の返済ができないことを伝えることで、返済を免除してもらう手続き。借金はなくなるが、自分の財産も全てなくなるハイリスクハイリターンな手続き。

おおまかな手続き内容は理解いただけたでしょうか?次にそれぞれの手続きの条件とその手続きに向いた人について解説します。

任意整理の条件と任意整理に向いている人の特徴

先生、任意整理ができる条件とは何でしょうか?
借金額の総額や、現在の収入といった条件があるのでしょうか?

気になりますよね。簡単にいうと任意整理をするための条件は「返済を3~5年間継続できるだけの収入」です。
それについて詳しく説明していきましょう。

任意整理の条件
  • 返済を3~5年間継続できるだけの収入
  • 過去に借りた借金を返済した履歴あり(全額じゃなくてもOK)
  • 返済の意志がある
任意整理に向いている人の特徴
  • 借金総額が100万円以上
  • 毎月安定した収入がある
  • 和解した金額を3~5年で返せる見込みがある
  • 返済の意志がある

上記に該当する人は任意整理を検討しましょう。借金が100万円以上〜と記載しましたが、実際は「3~5年以内に返済できるかどうか」が任意整理をするうえで重要となります。それ以上の返済期間が必要な場合は「個人再生」か「自己破産」を検討したほうがいいかもしれません。

簡易な手続きだけど、「安定した収入」や「返済を継続する意思」などが必要

任意整理を利用するための条件

条件が少ないとは⾔っても、最低限の条件を満たす必要があります。任意整理をする場合には、返済を継続していけるだけの最低限の収⼊が必要です。また、その収⼊は、ある程度安定している必要があります。
任意整理をすると、債権者と話し合って借⾦返済額を減額してもらうことはできますが、⼿続き後に 3年~5年程度、債権者に対する⽀払いが継続します。⽀払い⽅法は、通常毎⽉の返済になります。この⽀払いを途中でできなくなると、任意整理に失敗してしまいます。

そこで、任意整理後は、債権者への⽀払いを確実にしていけるだけの収⼊が必要になります。さらに、返済期間が 3 年〜5 年程度継続することと、通常⽉ 1 回の返済になることから、収⼊はある程度安定していることが要求されます。途中で収⼊が激減して⽀払いができなくなると、⼿続きに失敗してしまうからです。

また、任意整理をする場合には、債務者側に返済を継続する意思が必要です。任意整理後は、3年~5年間の長い間返済が継続するので、それなりの忍耐が必要になります。強い意思をもって支払いを完了する気持ちがなければ、任意整理後の支払いが途中で苦しくなってしまうことがあるからです。

任意整理は条件が少なく利用しやすい!

任意整理は、ほかの債務整理⼿続きと⽐べると、⽐較的簡易な⼿続きです。ほかの債務整理⼿続きは、裁判所への申し⽴てが必要になるし、⾃⼰破産や個⼈再⽣の場合には、必要書類も膨⼤になります。また、⼿続きの進⾏中も、常に裁判所の指⽰に注意をして、その都度適切な対処をする必要があります。これらの債務整理に対して、任意整理は裁判所を利⽤しません。債権者と直接交渉をするだけなので、必要書類もほとんどなく、⼿続きを進めるのもとても簡単です。⼿続きが簡易な分、満たさなければならない条件も少ないです。

任意整理を利用できない人

ただし、任意整理を利⽤できない⼈がいます。

まずは、収⼊がない⼈や少な過ぎる⼈です。任意整理の場合、⼿続き後に⽀払いが残るので、収⼊がなかったり、返済に不⼗分なほど少ない⼈は利⽤できません。ただし、専業主婦であっても、夫の給料などから⽀払いができる場合には、任意整理ができます。次に、借⾦額が⼤き過ぎる⼈です。任意整理をする場合、利息制限法を超過した利率での取引がない限り、借⾦額の⼤幅な減額は認められません。そこで、借⾦額があまりに⼤きいと、任意整理をしても整理ができないのです。

借⾦額が少な過ぎる場合にも、任意整理をするメリットが少なくなってしまいます。任意整理では、借⾦額元本の減額は難しいのですが、利息がカットできる点がメリットです。ところが、借⾦額が少ない場合には将来利息をカットできるとは⾔っても、微々たる⾦額になってしまい、ほとんど借⾦返済額が減らないからです。このようなことがあるので、「1 社からの借⾦額が 20 万円以下」の場合には任意整理事件を受任できない場合もあります。

借⾦額があまりに少ない場合には、任意整理を弁護⼠に断られる可能性があるので注意しましょう。

注意します!

個人再生や自己破産をするうえで必要とされる条件は?

任意整理の条件を満たさず利⽤できない場合、個⼈再⽣や⾃⼰破産であれば利⽤できるのかという問題があります。個⼈再⽣とは、裁判所に申し⽴てをして、借⾦返済額を⼤幅に減額してもらう⼿続きのことで、⾃⼰破産とは裁判所に申し⽴てをして、借⾦返済義務を 0(ゼロ)にしてもらう⼿続きのことです。これらの⼿続きではどのような条件が必要になるのでしょうか。

任意整理がダメなら、個人再生や自己破産という選択

個人再生を利用するための条件

個⼈再⽣をする場合、借⾦額に限度額があります。個⼈再⽣を利⽤するためには、借⾦が5000 万円以下でないといけません。これを超える⾦額の借⾦がある場合には、通常の⺠事再⽣⼿続きになります。

また、個⼈再⽣後には原則として 3 年間、債権者に対する⽀払いが継続します。この⽀払いは、おおよそ 3 ⽉に 1 回になることが多いです。3 年間返済を継続できなければ、やはり⼿続きに失敗してしまいます。そこで、個⼈再⽣を利⽤する場合にも、返済を継続できるだけの継続的で安定した収⼊が必要になります。収⼊は安定しているだけではなく、個⼈再⽣後の返済をするのに⼗分な⾦額であることも必要です。

個人再生は、裁判所を利用した比較的厳格な手続きです。そこで、収入要件を満たしているかどうかについては、裁判所から厳しく審査されます。この場合、任意整理の場合よりも厳しく収入要件をチェックされます。よって、同じ返済額でも、任意整理ならできる場合でも個人再生は利用できないというケースも出てきます。

例えば専業主婦の場合、夫の給料から返済ができれば任意整理は利⽤可能ですが、⾃分⾃⾝の収⼊が 0(ゼロ)なので、個⼈再⽣は利⽤できません。個⼈再⽣を申し⽴てると、⼿続き後に⽀払いが予定されているだけの⾦額について、毎⽉積み⽴て⾦をする必要があります。この積み⽴て⾦ができない⼈は、⼿続き後の返済もできないとみなされて個⼈再⽣の再⽣計画案を認可してもらうことができません。このように、個⼈再⽣では収⼊要件が⾮常に重要になります。

個人再生を利用できないケース

個⼈再⽣を利⽤できない⼈は、どのような⼈なのでしょうか。

まずは、収⼊が不⼗分である⼈や収⼊がない⼈、安定していない⼈です。これらの⼈は、個⼈再⽣後の⽀払いを継続していくことが不可能とみなされるので、個⼈再⽣ができません。また、⽣活保護の受給者も個⼈再⽣はできません。⽣活保護を受給している場合、⾏政から⽣活保護のお⾦で借⾦返済をすることを禁じられるので、個⼈再⽣を利⽤しても⼿続き後の返済ができないからです。

さらに、借金額が5000万円を超えている人も個人再生を利用することはできません。その場合には、通常の民事再生手続きを利用するか、自己破産をする必要があります。また、個人再生はその名のとおり個人が利用する手続きなので、法人(会社など)は利用できません。会社が再生したい場合にも、やはり一般の民事再生手続きを利用することになります。

自己破産を利用するための条件

次に、自己破産を利用するための条件について見てみましょう。自己破産をするためには、「返済不能状態であること」と、「免責不許可事由に該当しないこと」が必要です。

返済不能の条件

まず、返済不能について説明します。返済不能とは、現在の債務者の収⼊と⽀出、借⾦返済額などの状況からして、すでに借⾦返済を継続していくことが不可能になっている状態のことです。例えば、収⼊が⽉ 20 万円で、家賃や光熱費、⾷費などの最低限必要な⽀出が 15万円、借⾦返済額が 10 万円の場合には、常に毎⽉ 5 万円が⾚字になるので、すでに返済不能状態になっているとみなされます。これに対して、上記の場合で借⾦返済額が 3 万円の場合には、2 万円の余剰があるので⽀払いを継続していけるとみなされる可能性が⾼いです。

免責不許可事由に該当しないことが必要

⾃⼰破産には、「免責不許可事由」があります。免責不許可事由とは、その事情があると、免責決定(借⾦をなくしてもらう決定)を受けられなくなる事情のことです。⾃⼰破産をする場合には、免責決定を得ることによって、はじめて借⾦をなくしてもらうことができます。ここで免責不許可事由があると、免責を受けられなくなってしまうので、⾃⼰破産する意味がなくなってしまいます。そのため、免責不許可事由がある場合には、⾃⼰破産を利⽤できなくなるのです。

免責不許可事由には、例えば借⾦の原因が浪費やギャンブルなどがあります。ただし、⾃⼰破産には「裁量免責」という制度があります。裁量免責とは、免責不許可事由があっても、裁判所が事件を全体的に評価して、裁量によって免責を認める制度のことです。特に 1 回⽬の⾃⼰破産の場合には、免責不許可事由があってもこの裁量免責によって免責が認められることが多いので、免責不許可事由があるからといって、必ずしも⾃⼰破産できなくなるわけではありません。

2回目の自己破産の期間制限

⾃⼰破産を利⽤するための条件としては、期間の制限もあります。過去に⾃⼰破産をして免責決定を受けて確定している場合には、その後 7 年が経過するまでは新たに⾃⼰破産を申し⽴てても免責が受けられません。

同様に、過去に「給与所得者等再⽣」の⼿続きを利⽤して、再⽣計画案が確定し、それに従って弁済を完了した場合には、再⽣計画案の認可決定後 7 年以内は⾃⼰破産の申し⽴てをしても免責が受けられません。

このように、「過去 7 年以内に⾃⼰破産をした場合」や、「給与所得者等再⽣を利⽤した場合」にも、⾃⼰破産ができなくなります

財産を守りたい場合には利用できない

自己破産をすると、債務者名義の財産が基本的にすべてなくなります。預貯金や生命保険、車や不動産などすべてです。よって、どうしても守りたい財産がある人は、自己破産を利用できません

自己破産する際に収入は不要

⾃⼰破産をする場合、任意整理や個⼈再⽣とは異なり、収⼊要件はまったく不要になります。⾃⼰破産をすると、⼿続き後には⼀切返済が残らないので、⽀払い能⼒があるかどうかは問題にならないからです。無職・無収⼊の⼈や⽣活保護受給者でも、⾃⼰破産であれば問題なく利⽤できます。任意整理や個⼈再⽣で借⾦額が⼤き過ぎる⼈や収⼊が少な過ぎる⼈、収⼊が安定していないために⼿続きを利⽤できない⼈の場合、⾃⼰破産によって借⾦問題を解決することが効果的になるケースがあります。

過払い金請求の条件

債務整理の⼿続きには「過払い⾦請求」もあります。過払い⾦請求とは、過去に⾼利率な消費者⾦融会社やクレジットカードのキャッシングを利⽤していた場合に、払い過ぎた利息を取り戻すことができる⼿続きのことです。過払い⾦請求をするためにも、いくつか条件があります。

まずは、消費者金融会社やクレジットカード会社との間で、利息制限法を超過する利率での取引をしていたことです。平成20年以前の取引であれば、制限利率を超過していた可能性があります。

次に、借⾦返済中に過払い⾦請求をする場合には、ある程度取引期間が継続している必要があります。平成 20 年以前の取引が、最低でも 5 年程度は必要になることが多いです。さらに、借⾦完済後 10 年が経過していないことも必要です。過払い⾦請求権には時効があり、その時効期間は「借⾦の完済後 10 年」になるので、完済後 10 年が経過していると、消滅時効によって過払い⾦請求ができなくなってしまうからです。

条件を満たしているか迷ったら、債務整理に強い弁護士に依頼するのがおすすめ

借⾦問題に困ったら、任意整理や個⼈再⽣、⾃⼰破産などの適切な債務整理で解決する必要があります。この場合、司法書⼠ではなく、債務整理に強い、よい弁護⼠を⾒つけて依頼することが重要です。

条件を満たしているのか分からないなら、まずは相談だけでもOK

債務整理は司法書士より弁護士に依頼する

借⾦問題を解決するための債務整理ですが、債務者が⾃分で⼿続きするのは⼤変なので、法律の専⾨家に依頼することが多いです。債務整理の⼿続きを依頼する場合には、司法書⼠ではなく弁護⼠に依頼しましょう。司法書⼠には取り扱える⾦額に制限があるし、裁判所での代理権にも制限があるので、弁護⼠と⽐べると、いろいろとデメリットが⼤きいからです。

弁護士に債務整理手続きを依頼すると、借金が整理できる以外にもメリットがあります。弁護士は債務整理事件を受任すると、債権者に対して受任通知を送りますが、この時点で債権者からの支払請求(督促)が止まります

今借金を滞納していて度重なる債権者からの電話や督促状におびえている場合には、精神的にとても楽になります。これは、貸金業法などの法律によって、弁護士などの専門家の介入後は、債権者は債務者に対して直接の取り立て行為をしてはいけないと規定されているからです。

債務整理を依頼する弁護士の選び方

弁護士が受任通知を送ると、借金の支払いもストップできるので、債務者にとっては非常に助かります。

任意整理でも個⼈再⽣でも、⾃⼰破産でも、弁護⼠が介⼊したら債権者からの督促や⽀払いはストップします。債務整理をする場合、依頼する専⾨家の⼒量が重要です。任意整理では、債権者との⾼い交渉⼒が要求されるし、個⼈再⽣や⾃⼰破産でも、⼿続きを適切に進めてスムーズに免責決定や再⽣計画案の認可決定につなげてもらう必要があります。

債務整理の条件ってなんですか?

債務整理の条件を知る前に、まずは債務整理には「3つ」の種類があることを知っておきましょう。条件は後ほど説明しますね。

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