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借金の時効は5~10年 時効成立までの流れ

2020.04.07 更新

「借金をチャラにできる方法はないかな」
「こんな額払えない…ダメだとわかっているけど借金を踏み倒したい」

払うのは難しい額の借金を抱えてしまっている場合、願わくは借金を払わずにチャラにできることを期待している人もいるのではないでしょうか。借金にも「時効」というものが存在します

条件を満たしたうえで手続きを行えば、時効が認められ借金を消滅させることも可能ですが、実際には借金に対する時効を成立させるのは難しいでしょう。

しかし、時効の成立がかなわなくても、「債務整理」という手段を使って借金を減らせる可能性はあります

今回は、借金を時効にするための条件や手続き、また借金を時効にした場合のデメリット、また債務整理について詳しく見ていきます。

借金の時効について相談してみる

この記事のポイント

借金にも時効が存在します。

これによって、債務者は借金の返済義務がなくなります。

時効が成立する条件

  • 5~10年の時効期間が満了
  • 「時効の援用」手続きをする

しかし、実際には多くの場合で時効は中断され、成立しません
債権者が時効を成立させないための対策をするためです。

よって、時効の成立を待つよりも、任意整理のような他の手段で根本的に解決することがお勧めされます。

借金にも時効はある!消滅時効とは

借金でも、一定期間支払いがなされない場合は「時効」が成立します

「消滅時効」とは、金融業者からの借金や多重債務などに苦しめられている場合に適用されます。
債権者が債務者に対して、請求などをしないまま法律で定められた一定期間が経過した場合に債権者の法的な権利が消滅します。

消滅時効を成立させるためには、「時効の援用手続き」と「起算日の計算」がポイントになります。

借金の時効は5~10年|時効成立の条件と流れ

借金の時効を成立させるためには、いくつかの条件があります。

  • 起算日(契約によって異なる)から数えて5~10年で成立
  • 「時効の援用」という手続きが必要

借金の時効はただ期間が過ぎれば成立するというものではありません。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく見ていきます。

借金の消滅時効期間は5~10年

民事債権 商事債権 信用金庫、農協等 奨学金
10年 5年 10年 10年

時効の完成に必要な期間は、権利の性質によって異なり、個人間の借金(※民事債権といいます)の場合は10年、貸金業者からの借金(※商事債権といいます)の場合は5年と定められています

貸金業者が行う行為は商取引と呼ばれ迅速性が求められるため、時効完成までに必要な期間が短縮されています。

もっとも貸金業者は、時効完成が近づくと時効の完成を阻止するための措置(※時効の中断といいます。これについては、後で紹介します。)をとることが多いので、期間が短いからといって時効になりやすいとは必ずしもいえません。

やや特殊な例として、同じ借金でも債権者が信用金庫や農協、住宅金融支援機構などの場合は時効期間は10年となります。これらの金融機関は、銀行や消費者金融のような会社ではないので民事債権の時効の対象となるからです。
また、日本学生支援機構(旧育英会)などの奨学金も、営利を目的とした会社ではないので民事債権として扱われるため、10年で時効が完成します。

消滅時効の期間計算

借金の時効が適用されうる場合の条件を理解したところで、次は「期間」について詳しく見ていきます。借金の消滅時効期間が5~10年ということはわかりましたが、起算点はいつから計算すればいいのでしょうか?
以下で、消滅時効が適用されうる期間として3つのケースをご紹介します。

借入先 返済期日あり 返済期日が確定していない 返済期日を決めていない
法人 5年後に時効成立 5年後に時効成立 借金をした翌日から5年後に時効成立
個人 10年後に時効成立 10年後に時効成立 借金をした翌日から10年後に時効成立

借金返済の期日が決まっている場合

借金返済の期日が決まっている場合は、返済期日の翌日を1日目としてカウントし始めます
時効がカウントされ始めてから一度でも返済をしてしまうと、最後の返済の翌日を1日目としてまたカウントし始めることになります。

返済期日が確定していない場合(不確定期限付債務)

借金返済の期日が確定していない場合は、期日が決まっている場合と同じように、その期限が到来した日の翌日を1日目としてカウントし始めます

不確定期限付債務とは「○○になったときに借金を返済します」といったその出来事が起こることは確実であるが、いつ起きるかわからない期限で借金をすることです。

おおよそ、日付ではなく出来事で借金返済を約束している場合にこのパターンになります。

例えば「退職金が手に入ったら借金を返済する」というような場合です。

例:19XX年に期日不確定なまま借金をする

翌年の2月、退職金が手に入る ⇒この翌日を1日目として時効のカウントを開始する

返済期日を決めていなかった場合

借金の返済期日を決めていなかった場合は、借金をした翌日を1日目として時効の日数をカウントし始めます

ただし、「返済期日が決まっている場合」と同じく時効のカウントが始まってから一度でも返済してしまうと、最後の返済の翌日を1日目として時効をカウントし直すことになります。

借金時効成立までの流れ

借金時効の成立の流れは以下のようになります。

  1. 時効期間が満了する
  2. 時効の援用の手続きをする
  3. 債権者が内容証明書を受け取る
  4. 時効が成立し、返済の義務がなくなる

時効期間を満了したら、まずは「時効の援用」をする必要があります。

【時効の援用】
借金の時効による利益を受けることを相手方(債権者)に伝えること。

時効の援用は、一般的には内容証明郵便を利用して文書で相手方に通知します。口約束では、後日、「言った」「言わない」の水掛け論になるおそれがあります。また普通郵便では相手が受け取った証拠が残らず、書留郵便では相手方に文書を送った証拠にはなっても、文書の内容までは証明できません。

これに対して、内容証明郵便は相手方に送った文書と同じものが郵便局に保管されるので、「そんな文書は受け取っていない」といった争いを防ぐことができます。そのため、時効の援用をしたことを確実に記録に残すように、内容証明郵便を債権者に発送する必要があります。

時効成立は難しい|中断されるケース

実際のところ、借金の時効がうまく成立したケースは少ないでしょう。途中で借金を返済してしまったり、債権者が裁判所を通して債務者に支払いを請求したりする場合など、借金の時効は「中断」される場合がよくあります。

ここでいう「中断」とは一定期間のみ時効が停止されるわけではなく、一度中断するとそれまでの経過は無効となり、また一から時効期間が進行するのを待たなければならないことを意味します

したがって、時効の完成まであと1週間であったとしても、時効が中断してしまうと再度5〜10年たつまで時効は成立しません。

そのため次の督促が来るときには莫大な遅延損害金がついていて、一層返済が難しくなるということも考えられます。

それでは、どういった場合に「時効の中断」になるのでしょうか。
順に紹介していきます。

裁判所からの請求

ここでいう請求とは、裁判上の請求(訴えの提起)のことで、支払督促、和解・調停の申し立てなど裁判所が関与する手続きにおける請求を意味します。
債権者側は債務者に向けて、それらの請求を行うことができます。

これに対して、裁判外で債権者が債務者に履行を求めることを「催告」といいます。

催告をしただけでは時効を中断することはできず、6ヶ月以内に、前述の裁判所が関与する手続きか、次に説明する差押え・仮差押え・仮処分をしなければ時効中断の効力が生じません

差押え・仮差押え・仮処分

債権者が債務者の財産に対して、差押え・仮差押え・仮処分を行った場合には、時効が中断します。

支払いが滞った場合に「強制執行を受けても異議がない」という文言を含んだ公正証書で借用書をつくることができます。そして実際に支払いが滞ったときに、債務者の預貯金や給与、不動産などを差押えることができ、これは権利を強制的に実現する手段であるため権利行使として中断事由にあたります

公正証書がない場合でも、裁判などで権利を実現する必要があるものの訴訟を提起することができます。しかし、判決が出るまでに債務者が財産を処分してしまうと、勝訴判決を得ても回収ができなくなってしまいます。

そのため、判決が出るまでの間、債務者の財産を「仮に」差押えるという制度があります。これを「仮差押え」といいます。将来、判決を得て強制的に権利を実現するための手段なので、権利行使の一つとして時効の中断という効力が認められるのです。

債務者が借金を認める行為

自己破産が中断する理由としてもっとも代表的なものが「債務者が借金を認めるような行為」、承認です
5〜10年間の間に借金を返済したり、督促に応じたりしてしまうなど、一度でも借金があることを認めれば、その時点で時効は中断してしまいます。そのため、再び一から時効をやり直すことになります。

承認は、時効の利益を受ける者が相手方に対して、相手方の権利の存在を認める行為をいいます。明示的に認める行為の他、利息の支払いや元本の一部の返済など、債務があることを前提とする行為は承認にあたるとされています。


このように、時効には中断の制度があります。そして先に紹介したとおり、貸金業者は時効完成が近づくと、支払督促や訴訟提起などで時効を中断させようとします。

時効が中断すると元本が消滅しないことはもちろんですが、その間に生じた利息や遅延損害金も残るということになります。

時効の成立以外の方法で借金問題を解決する

借金の時効援用のデメリットは?

借金の時効援用をして認められれば返済義務はなくなりますが、以下のようなデメリットも生じます。

  • 時効で踏み倒した貸金業者でお金を借りたりローンを組んだりすることができなくなる
  • 途中で時効援用に失敗した場合は借金が増えることになる

まず、時効の援用をして借金を踏み倒した貸金業者でのローンはその後組むことができなくなります。信用情報の記録は5年で消えますが、その後も時効援用をした貸金業者にはデータが消えずに残っています。

よって、時効の援用後にローンやクレジットカードを新たに申し込もうとしても、データを照らし合わされて審査に落ちてしまう可能性が高くなるのです。

また、時効成立のために借金を返済しないとなると、その間利息や遅延損害金が発生することになります。もし途中で債権者から督促が来てしまった場合は時効援用が成立しなくなることになるので、結果、借金が減るどころか増えてしまったなんてことになりかねません。

返済できない借金を解決するには債務整理という方法もある

ここまでの内容から、借金の時効はリスクがあるうえになかなか成立しないことがわかったと思います。「債務整理」であれば、正当な方法で借金を減らしたり、免除したりすることも可能です
この章では債務整理のメリット・デメリットについて詳しく説明します。

債務整理には多くのメリットがある

債務整理の中でももっとも利用者の多い「任意整理」に焦点を絞って説明していきます。おもなメリットは、

  • 将来利息の支払いが0円になることもある
  • 許容分割回数が増える→月々の負担が軽減する
  • 手続きに手間がかからない

上記の3つになります。

任意整理は債務整理の中でもデメリットが少なく、一番利用者が多い方法です。手続きにかかる期間は1〜3ヶ月で債務整理の中でもっとも短く、費用も弁護士・司法書士に依頼するときにかかる費用のみです。任意整理は特に自分の車や家などの財産を差押えられることなく、手続きできます。

次にデメリットについて説明していきます。

任意整理でブラックリスト入り?

任意整理の最大のデメリットは、ブラックリスト入りです。

時効を待つとしても借金を滞納してしまったことにはなるので、任意整理をするしないにかかわらずすでに信用情報機関に事故情報が登録されてしまっています(俗にいうブラックリスト状態)。

しかし、任意整理によるブラックリスト状態は手続き後、5~10年で解除されます。借金を滞納したことによるブラックリスト状態は「延滞解消から5年または10年」なのに対し、債務整理によるブラックリスト状態は「手続き後からカウントして5年または10年」です。

消滅時効を待つより、債務整理の手続きを開始してしまえばそこからカウントが開始します。具体的には任意整理や特定調停の場合には手続き後5年、個人再生や自己破産の場合には手続き後5年または10年になります。つまり借入先に任せて時効成立を待つよりも、債務整理の方が早く解除されます

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