自己破産は家を失う?家を残して借金を整理する2つの方法

2018.08.14 更新

自己破産すると家を手放さないといけないのかな?

結論から言うと、自己破産をすると家を手放すことになります

しかし、自己破産以外の方法で借金を返済すれば、いまの家に住み続けることができます。それは任意整理や個人再生で借金を返済することです。

そこで今回は、家を残した状態で借金を整理する2つの方法を紹介します。

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この記事のポイント

まず、自己破産をすると以下のようなデメリットが生じます。

  • 持ち家を失う
  • 住宅ローンが組めなくなる
  • 賃貸契約が難しくなる

しかし、「任意整理」や「個人再生」という方法なら家を失わずに借金返済することが可能です。

自己破産を検討しているのであれば、まずは弁護士に無料相談して家を残して借金返済をできる方法を教えてもらいましょう。

自己破産すると家は例外なく手放すことになってしまう

「自己破産」は裁判所があなたの全ての借金を免除してくれる手続きです。

しかし、お金を貸した金融機関も、できる限りは借金を回収しなければなりません。
そのため、債務者の家や車など、価値のある財産は全て売却し債権者に分配されます。

ただ借金が0円になるのではなく、可能な限り返済をしたうえで借金をゼロにする手続きなのです。

持ち家があればすぐさま売却されるため、自己破産すると家を手放さなくてはならないのです。

自己破産にウラワザはない。よくある3つの勘違い

自己破産しても、なんとか家だけは残せないだろうか…」とウラワザを探す人も多いですが、残念ながらどんな方法でも持ち家は残せません。

それどころか、違法として罪に問われる、ウラワザと勘違いされている手段もあります。
以下の3つの手段は避けたほうがよいでしょう。

  1. 親族に買い取ってもらう
  2. 自己破産前に自分名義の家を他人名義に移す
  3. 夫婦が連名で住宅ローンを借りる

1.親族に買い取ってもらう

差押さえられた家を親族に買い取ってもらい借りることで、持ち家に住み続ける方法です。

不可能ではないですが、銀行は親族間売買はあまり融資してくれず、一般的には住宅ローンを組むことができません。つまり一括で購入するしか手段がありません。

2.自己破産前に自分名義の家を他人名義に移す

破産前に家という重大な財産を処分することは「財産隠し」として違法になります。なので、安易に名義を移転させることは絶対にしてはいけません

3.夫婦が連名で住宅ローンを借りる

夫婦連名の住宅ローンの場合、夫婦の一方だけでも破産手続きをすると家は残せません。

夫婦の連帯債務では、抵当権は各自の持ち分ではなく不動産全体に設定されます。
そのため、夫婦の一方が破産をした時点で金融機関は家全体を競売にかけます。

自己破産後に「リースバック」して住み続けることはできる

「リースバック」という、売却した相手から売却した家を借りる方法を利用すれば自分で建てた家に住み続けることができます。

リースバックのメリット

  • 引越し不要
  • 家を売ったことが周りに知られにくい

売却時の交渉次第なので、リースバックをしたいのなら自己破産する際に弁護士に相談してみてください。

持ち家を残せる!自己破産以外の2つの借金解決方法

債務整理には、自己破産以外に「任意整理」や「個人再生」といった手続きがあります。
これらを利用すれば、家を手放すことなく、借金整理が可能です。

任意整理・個人再生とはどのような手続きなのか、詳しく見ていきましょう。

「任意整理」で持ち家を残す

任意整理とは、それぞれの債権者との間で裁判所を介さずに話し合いを行い、借金の総額や利息、返済方法などを見直す手続きです。

整理する借金を選べるので、「住宅ローンは払い続ける代わりに、家は残してもらう」ということができる借金の整理方法です。

例えば、以下のように整理する借金を選べます。

  • 消費者金融の借金 ⇒ 整理する
  • クレカのキャッシング枠 ⇒ 整理する
  • 住宅ローン ⇒ 整理しない

ただし、任意整理は債権者との話し合いによって減る額が変わるので、大幅に借金を減額することはできないケースも少なくありません。一方自己破産は差し押さえや職業制限のようなデメリットがあるものの、借金を0円にすることが可能です。

任意整理について詳しく知りたい方はこちら

「個人再生」の住宅ローン特則で家を残す

個人再生は、借金を減額(原則5分の1)して、分割(原則3年)で返済していく裁判所の手続きです。
個人再生には、以下のような特徴があります。

  • 任意整理よりも借金が大幅に減額される
  • 対象とする債務を選べない
  • 手続きが複雑である

原則、整理対象とする債務を選べませんが、「住宅ローン特則」を使うと住宅ローン以外の借金を大幅に減らすことができます。

住宅ローン特則を使うと、住宅ローンは減らさずに払い続けることを条件に、持ち家を残すことができます。一方自己破産は借金を帳消しにする代わりに、持ち家を手放してしまうことになります。

住宅ローン特則利用の条件を満たしているかを確実に把握するには、弁護士に相談するのがベストです。

個人再生についての詳しく知りたい方はこちら

家を失っても自己破産すべき?あなたにオススメの解決策の選び方

自己破産、任意整理、個人再生と3つの借金整理方法を紹介してきました。
では、あなたにとってベストな解決策はどれでしょうか。
それぞれの手続き方法の選び方としては以下のとおりです。

自己破産を選ぶべき人
借金総額を5分の1にし、かつ3年間で借金を完済できる見込みがない
任意整理を選ぶべき人
5年間60回払いで借金を完済できる
個人再生を選ぶべき人
借金総額を5分の1にした後、残りの借金を3年間で完済できる

上記を踏まえたうえで3つの方法を比較してみましょう。

自己破産 任意整理 個人再生
家を残せるか

※特則利用

手続き後の借金 0円 交渉によるが、自己破産・個人再生より多い 5分の1
手続き費用 50万円 69,600円減額できた額の10% 60万円~
バレやすさ かなり高い ほぼない 低い
借入できない期間 10年 5年 10年

ただ、以下の条件に当てはまると、家を失ってでも自己破産をするほかありません。

任意整理・個人再生ができない条件

  • 任意整理ができない条件…5年間60回払いでも完済できない
  • 個人再生ができない条件…借金総額を5分の1にし、残った借金を3年で完済できない

例)
返済に回せる額:18万円 = 月収:28万円 ー 固定費:10万円
借金:4,000万円 ⇒ 5年返済で月々67万円
月々の返済:23万円 > 借金返済に回せる額:18万円

参照:自己破産ができない条件について

自己破産で家を手放すまでの流れ

自己破産をすると、家には長くて1年程度、売却が始まってから3ヵ月~半年は住み続けられます
自己破産をしてから家を退去するまでの流れを見てみましょう。

通常の自己破産の場合、管財人が家の売却を開始してから完了するまでは住み続けられます。

  1. 弁護士に相談する
  2. 破産申立て
  3. 破産手続き開始
  4. 管財人選定
  5. 家の売却開始
  6. ★買い主に譲渡と同時に退去

住宅ローンがオーバーローンの場合、「別除権」を行使されてから家の売却が開始されます。

  1. 弁護士に相談する
  2. 破産申立て
  3. 破産手続き開始
  4. 管財人選定
  5. 管財人が家には「資産価値なし」と判断する
  6. 金融機関が別除権を行使する
  7. 家の売却開始
  8. 買い主への譲渡と同時に退去

破産前に家を売らないと50万円以上の負担に

家があると「管財事件」となり、手続きが難しいため費用が50万円ほどかかります。

自己破産前に家を売却すると「同時廃止」となり、1~3万円の費用で自己破産ができます。
自己破産する前に家は売却しましょう

賃貸は家賃を払っていれば住み続けられる

持ち家でなく賃貸住まいの場合は、自己破産をしても家賃さえ払っていれば住み続けることができます

反対に、滞納した家賃を自己破産で整理した場合、賃貸でも強制的に退去させられることになります。

保証人に自己破産することを伝えないとトラブルに

自己破産を行うと、必ず保証人に請求が行きます。

早めに伝えたとしても、保証人が請求を回避できるわけではないですが、いきなり自己破産してしまうと、
「なんの相談もなしに勝手に自己破産して、何を考えているんだ!!」
と、トラブルになりかねません。

自己破産を申立てする前には必ず保証人に伝えておきましょう。

賃貸契約も難しい?自己破産後の住まいの選び方

自己破産で家を手放したら賃貸に変更しかありません。
しかし自己破産後は新たに賃貸を契約することは非常に難しいのです。

自己破産していると保証会社の審査通過が非常に難しくなります

破産後でも住める賃貸を探すのであれば、以下の2点がオススメです。

  • 低所得層向けの公営団地で探す
  • 保証人が不要なURで探す

自己破産すべき?弁護士に無料相談する方法

自己破産は借金を帳消しにできますが、持ち家を失うことに変わりはありません。
現在持っている資産、借金総額、収入の有無にもよりますが、任意整理・個人再生・自己破産ともにベストな手続き方法かどうかは人それぞれです。

自分がどの手続きが向いているかわからない

そのような人は迷わずに弁護士に相談してみましょう。
相談電話は無料なので、まずは電話をしてみてください。

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