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個人再生をすると私の財産はどうなるの?

2019.09.17 更新

借金の悩みについて弁護士に相談してみる

個人再生をしても、全財産が没収されるわけではありません

個人再生をすると、今持っている財産はどうなるのでしょうか?車などの財産は処分しなければいけないのでしょうか?主な財産について、見ていきましょう。

(1)マイホーム
個人再生では、「住宅ローン特別条項」という制度があります。個人再生では、「全ての借金を平等に扱わなければいけない」という原則があります。

しかし、この特別条項を利用すれば、「他の借金は減額してもらうが、住宅ローンだけはそのまま支払いを続ける」ことができます。つまり、この制度を利用すれば、住宅ローンだけを特別扱いすることができるのです。

住宅ローンをそのまま支払い続けることができるので、「住宅ローンが残っているマイホームを売却する必要がなく、そのまま住み続けることができる」というメリットがあります。ただし、住宅ローン特別条項を利用するには、条件があります。

  • 個人再生をする本人の所有であること
  • 個人再生をする本人がマイホームとして居住していること
  • 住宅ローンの抵当権がついていること
  • 住宅ローン以外の担保権がついていないこと

これらの条件を一つでも満たしていないと、住宅ローン特別条項を利用することはできません。たとえば、個人再生をする本人が住んでおらず、子供が住んでいる住宅については、住宅ローン特別条項を適用することはできません。

本人が使用している場合でも、マイホームではなく、事務所やお店として使っている場合も、この制度を利用することはできません。

(2)宝石や骨董品などの高価な財産
個人再生では、「返済すべき借金の金額以内であれば、財産を維持することができる」ということになっています。個人再生は、「借金を減額してもらい、3~5年かけて返済していく」という制度です。どのくらい借金を減額してもらうかによって、手元に残すことができる財産の範囲が決まります。

たとえば、借金が200万円ある場合を考えてみましょう。個人再生によって、借金が80万円ほど免除されると、今後は、残り120万円を返済することになります。このような場合、今後の返済総額は120万円なので、「120万円相当の財産は、手元に残しておくことができる」ということになります。つまり、「今後はきちんと借金を返していくのだから、それに相当する財産を手元に残すことは許してあげよう」ということです。これを「清算価値保障の原則」といいます。

もし、借金が30万円しか免除されなかった場合は、残り170万円を返済しなくてはいけません。返済の負担は大きくなりますが、手元に170万円相当の財産を残すことができるということになります。個人再生を行う場合は、「どれくらいの財産を手元に残したいか」ということを考えて、それに相当する返済額を計算して、免除してもらう金額を決定することができます。

(3)自動車ローンがまだ残っている自動車であれば、ローン会社(又は自動車販売会社)が車の所有権を持っています。これを「所有権留保」といいます。この場合、自動車は業者に返却しなければいけません。弁護士に個人再生を依頼した場合、弁護士がローン会社(又は自動車販売会社)に連絡します。

もしくは、個人再生の手続きがはじまると、裁判所からローン会社(又は自動車販売会社)に連絡が行きます。連絡を受けたローン会社(又は自動車販売会社)は、すぐに自動車の引き上げを行います。通常は、担当者が駐車場まで訪れてくれますので、その方にカギを渡し、自動車を持っていってもらいます。

ローンの支払いが終わっている場合は、(2)の財産と同じように考えます。自動車の価値を査定したうえで、その価格が返済総額よりも下回れば、自動車を保有し続けることができます。たとえば、今後の返済総額が120万円の場合を考えてみましょう。

中古車市場における自動車の価値が80万円であれば、返済総額よりも安いので、自動車を保有することができます。もし自動車の価値が150万円の場合は、売却しなければいけません。どうしても自動車を手元に残しておきたい場合は、返済総額を150万円に引き上げるという選択肢もあります。どのような選択をするかは、ご自身の自由です。方針についてお悩みの方は、弁護士と相談しながら再生計画を検討するのも一つの方法です。

個人再生と自己破産は何が違うの?

個人再生と自己破産を比較した場合、個人再生のメリットは、下記のとおりです。

  • 手元に残すことができる財産を柔軟に決定することができる

自己破産の場合は、手元に残すことができる財産の範囲が、厳格に決まっています。

具体的には、(A)99万円以下の現金(B)価値が20万円以下の財産、です。自己破産では、これ以外の財産は処分しなくてはいけません。父親の形見の財産や、先祖代々引き継いでいる骨董品を保有している場合、どんなに大事なものであっても、売却しなくてはいけません。

しかし、個人再生の場合は、手元に残すことのできる財産を、柔軟に決定することができます。どれくらい財産を残すことができるかは、「今後どれくらい借金を返済するか」によります。もし手元にどうしても残しておきたい形見の時計があって、その価値が100万円もする場合は、どうしたらいいのでしょうか?
個人再生の場合は、再生計画案で「月々5万円の返済を3年かけて行うので、総額180万円を返済する」とすれば、手元に180万円の財産を残すことができます。

手元に残す財産は自由に選ぶことができるので、形見の時計であっても宝石であっても、好きな財産を手元に残すことができます。
自己破産の場合、100万円もの価値がある時計は、どんなに大切なものであっても、必ず手放さなくてはいけません。個人再生は、自己破産とは異なり、ご自身にとって大切な財産を選んで手元に残すことができます。

  • マイホームに住み続けることも可能

自己破産の場合は、マイホームを売却して、そのお金を借金の返済に充てなければいけません。ローンが残っていようがいまいが、マイホームに住み続けることはできません。

しかし、個人再生の場合は、「住宅ローン特別条項」という制度があります。この特別条項を利用すると、住宅ローンだけを特別扱いすることができます。住宅ローンをそのまま支払い続けることができるので、住宅ローンが残っているマイホームを売却する必要がなくなります。

「マイホームにそのまま住み続けることも可能」というのは、個人再生の最大のメリットです。

  • 給与所得者等再生の制度を利用することができる

個人再生には、「給与所得者等再生」という制度があります。給与所得者等再生とは、「サラリーマンのように安定した月額の給料がある人については、債権者の過半数の賛成を得ることなく、個人再生をすることができる」という制度です。

サラリーマンのように安定した収入がある場合、裁判所が「この人は今後きちんと返済を続けることができるだろう」と考えるため、個人再生が認められやすくなります。通常の個人再生では、債権者の過半数の反対があると、個人再生は認められず、手続きは打ち切りとなってしまいます。
しかし、「給与所得者等再生」の制度を利用すると、債権者の過半数の反対があっても、裁判所が個人再生を認めることができます。個人再生の手続きの中で、一番難しいのは、「債権者を説得して、賛成してもらうこと」です。「給与所得者等再生」の制度を利用すれば、債権者の反対が出るかどうかを心配する必要がなくなります。

個人再生では財産の清算をどう考えるのか?

個人再生では、「返済すべき借金の金額以内であれば、財産を維持することができる」ということになっています。

つまり、「今後も借金を返済し続けるのだから、それに相当する財産を手元に残すことは許してあげよう」ということです。これを「清算価値保障の原則」といいます。

返済する総額以内であれば、どんなに高価な財産であっても、手元に残すことができます。返済する総額以上の財産を持っている場合は、処分しなければいけません。

たとえば、返済する総額が200万円であれば、価値が300万円の自動車は処分しなければいけません。中古車市場で売却して、そのお金を債権者に分配します。

個人再生の手続きを利用して効果を得られるケース

個人再生を利用して効果を得ることができる人は、下記のようなケースです。

  • 家族のためにマイホームを守りたい

住宅ローン特別条項を利用すれば、マイホームに住み続けることも可能です。

  • 安定した収入のあるサラリーマン

安定した収入がある場合は、「給与所得者等再生」という制度を利用することができます。 この制度を利用すると、債権者の過半数の反対があっても、個人再生が認可される可能性があります。

  • どうしても手放したくない高価な財産を保有している

個人再生の場合は、手元に残すことのできる財産を、柔軟に決定することができます。思い入れのある大切な財産がある場合は、その財産の価値以上の返済総額を設定すれば、手元に残すことができます。

  • 過去7年以内に自己破産をしている

過去7年以内に自己破産をしている場合は、自己破産をすることができません。個人再生であれば、このような制限はありませんので、過去に自己破産をした方であっても、利用することができます。

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