「借金に困っていて『債務整理』という方法を知ったけど、デメリットは何だろう?」
「借金を減らしてもらうくらいだから、やっぱりデメリットは大きいんだろうか…?」
一口に「債務整理」とは言っても、実は4つの方法があります。
たしかに債務整理にはデメリットは存在しますが、4つのうちで選ぶ方法次第で、デメリットを小さくすることができるのです。
このページでは、債務整理で起こり得るデメリットと、デメリットをなるべく小さくしながら借金を整理する方法を説明します。
2017.12.26 更新
「借金に困っていて『債務整理』という方法を知ったけど、デメリットは何だろう?」
「借金を減らしてもらうくらいだから、やっぱりデメリットは大きいんだろうか…?」
一口に「債務整理」とは言っても、実は4つの方法があります。
たしかに債務整理にはデメリットは存在しますが、4つのうちで選ぶ方法次第で、デメリットを小さくすることができるのです。
このページでは、債務整理で起こり得るデメリットと、デメリットをなるべく小さくしながら借金を整理する方法を説明します。
債務整理で考えられるデメリットは以下の4つです。
債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」「特定調停」の4つの方法がありますが、それぞれのデメリットを一番小さくできるのは任意整理です。
目次
債務整理をすると、どのようなデメリットがあるんでしょうか?
債務整理のデメリットとしては、大きく4つ考えられます。
以下では、4つの疑問に対して順にお答えしていきます。
債務整理をすると、カード・ローン・キャッシングに関するデメリットは発生するのでしょうか?
債務整理の4つの方法である任意整理・個人再生・自己破産・特定調停、どの手続きをしてもクレジットカードを作る・住宅ローンを組むことはできなくなります。
その理由は、債務整理をすると信用情報機関に事故情報が登録され、ブラックリスト入りするからです。
クレジットカード、各種ローン、キャッシングなどは全て、金融機関から「お金を貸してもいい」という信用を得ることで利用できます。
逆に言えば、一度信用を失ってしまうと審査に通らなくなり、利用できなくなってしまうのです。
では、債務整理をすると今後一切カードやローンの利用を制限されてしまうのでしょうか?
結論としては、利用できない期間は5年以上ですが永久に続くわけではありません。
事故情報は一定の期間が経つと信用情報機関の登録から消えるため、その後再び利用できるようになるのです。
信用情報機関 | 加盟会社/金融機関 | 記録年数 |
---|---|---|
CIC | 信販会社・カード会社 | 5年 |
JICC | 消費者金融・カード会社 | 5年 |
KSC(全銀協) | 全国の銀行 | 10年 |
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債務整理で考えられるデメリットの2つ目として、家族や借金の保証人に及ぶ影響があります。
債務整理のなかでも、任意整理と特定調停では家族や保証人に迷惑をかけないで手続きすることができます。
任意整理や特定調停では、整理する対象の借金を選ぶことができるため保証人の付いた借金を選ばなくても済むからです。
一方、債務整理のなかでも個人再生と自己破産を選択すると、家族や保証人には悪影響が及んでしまいます。
個人再生や自己破産では、全ての借金が整理の対象になってしまうからです。
家族に及ぶデメリットは、主に以下の3つです。
ただし、個人再生の場合は「住宅ローン特則」という制度を利用でき、ローンの残った家を対象から外せるので家を失わずに済みます。
参考記事:個人再生で住宅ローンがあっても自宅を残せる|住宅ローン特則の基準
個人再生や自己破産をすると、手続きした本人の代わりに保証人には借金返済の一括請求がなされます。
消費者金融でのキャッシング・銀行カードローン・クレジットカードなどは、保証人を立てることはほとんどありません。
しかし、奨学金借入の場合は連帯保証人が必要なケースがほとんどです。
奨学金を債務整理した場合は、保証人や連帯保証人に督促や請求がきてしまうことが多いです。
(リンクを押すと体験談ページにジャンプします)任意整理で借金減額、家族にも協力してもらいました。
債務整理で考えられる3つ目のデメリットとして、「持っている車はどうなるんだろうか?」という点があります。
債務整理後の車の扱いに関しても、どの債務整理を選ぶかによって異なります。
債務整理のなかでも、任意整理と特定調停では車を没収されずに残すことができます。
自動車ローンの支払いが残っていても、手続きの対象から外すことができるからです。
債務整理のなかでも、個人再生と自己破産では車を残すことは難しいかもしれません。
以下のいずれかに当てはまる場合は、車は没収されてしまうからです。
債務整理をすると、ローンをまだ完済できていない場合ローン会社に車を引き上げられてしまいます。
ローンを完済するまでは、名義が購入者ではなくローン会社に残っている(所有権を留保している)からです。
個人再生や自己破産をすると、手続者の持っている資産が金銭価値に換算されます。
ローン会社としては、まだ所有権が自分にある車を金銭に換えられないために手元に車を戻してしまうのです。
なお、任意整理では上述の通り、自動車ローンを整理対象から外すことができるので引き上げは回避できます。
ローンを完済していても、車の現在の価値が20万円以上だと査定されれば没収されてしまいます。
個人再生・自己破産では、手続者の財産は金銭価値に換算され、一定以上の価値が認められれば実際にお金に換えられてしまいます。
金銭に換えることで、手続者の借金と相殺するためです。
金銭に換えられるか・手元に残るかの分かれ目となる基準が、金銭価値にして20万円という金額です。
なお、「JAAI 一般財団法人 日本自動車査定協会」という団体で車を正式に査定してもらうことができます。
個人再生・自己破産を選択する際に参考にしてみましょう。
(リンクを押すと体験談ページにジャンプします)自己破産を選んで車を処分されました
債務整理した時に考えられるデメリットの4つ目は、債務整理したことが勤務先などにバレてしまうのか?という点です。
この点に関連して、債務整理すると「官報」というものに掲載されることがあります(官報公告される)。
官報とは、国が発行する機関誌です。
個人再生や自己破産をすると、手続者の氏名や住所が記録されます。
ただし、債務整理に関する官報の情報が見られる可能性は低いでしょう。
官報は、借金問題に関わる貸金業者や法律事務所が読むものであり、勤務先の会社や一般の知人が目にすることはないからです。
インターネットでも公開されていますが、検索しても個人の氏名や住所が出てくることはありません。
一方、個人再生や自己破産は家族にはバレることになるでしょう。
家計収支表や収入証明書を提出する必要があるため、同居中で生計を一緒にしている家族がいると隠しておくのは難しいかもしれません。
むしろ重要なのは、個人再生や自己破産については家族には打ち明けるべきだということです。
前述のとおり、個人再生や自己破産では家族や保証人にも様々な影響があります。 手続きする前は黙っていて、いきなり家や車を失うことになった…という事態になりかねないからです。
「どうしても家族にはバレたくない…」という人は、後述の任意整理や特定調停を検討しましょう。
債務整理のなかでも、任意整理・特定調停を選択すると職場や家族、知人にもバレずに手続きできます。
理由は以下の2点です。
まず、任意整理や特定調停は、裁判所や国が関係せずに債権者(借金の貸し手)と直接に和解交渉する手続きです。
そのため、国の発行する官報に載ることはありません。
また、提出書類が少ないため家族に内緒で進めるように注意することもできます。
債権者や弁護士事務所にしか知られずに、秘密で手続できるのです。
(リンクを押すと体験談ページにジャンプします)ゲームに嵌って課金で借金。任意整理で生活が一変
債務整理の4つのデメリットは理解できました。
他にも、「手続き費用はいくらかかるんだろう…?」というのも気になります。
確かに債務整理をすると、様々な種類の費用がかかります。
しかし、依頼する法律事務所の多くは分割払いが可能です。以下では、債務整理の費用について説明します。
債務整理を弁護士に依頼した時にかかる費用には、以下のようなものがあります。
実際に任意整理・個人再生・自己破産のそれぞれを選んだ時にかかる費用の相場は、以下の通りです。
内訳 | 費用 |
---|---|
着手金 | 約20,000~50,000円(1社につき) |
報酬金 | 約20,000~50,000円(1社につき) |
減額報酬 | 減額した分の1割 |
着手金 | 50万円~ |
---|---|
報酬金 | 着手金に含む |
収入印紙代 | 1,500円 |
予納郵券代 | 4,000円(東京地裁の場合) |
予納金 | 1,0290円(同時廃止事件の場合) |
1,6090円(管財事件の場合) |
内訳 | 費用 |
---|---|
着手金 | 50万円〜 |
報酬金 | 着手金に含む |
申立手数料 | 10,000円 |
裁判所予納金 | 11,928円 |
郵便切手 | 1,600円(80円×15枚、20円×20枚) |
以上のように費用はかかるものの、一括で請求されるのではなく分割払いできるケースが多いです。
分割回数は、借金の返済期間が3年間なら36回、5年間なら60回、というように設定できます。
月々の支払額や分割回数も、相談すると自分の生活の状況に合わせて設定してもらうことが可能です。
債務整理のデメリットや費用を説明してもらいましたが、逆にどんなメリットがあるのか気になります…。
債務整理の4つの手続きについて、それぞれのメリットを表で簡潔にまとめました。
任意整理 | 特定調停 |
---|---|
・将来利息や遅延損害金の支払い免除 ・分割回数を増やし、毎月の負担額を減らせる ・他の手続きに比べて依頼者の負担が少なく、手続きも簡単 ・借入先ごとに手続きの対象とする業者を選ぶことができる |
・任意整理と同様に、利息をカットし借金の返済額を減らせる |
個人再生 | 自己破産 |
---|---|
・借金額を大幅に圧縮(原則5分の1)し、3年で完済できるようにする ・自己破産とは違い、住宅ローン特則を用いてマイホームを残せる可能性がある |
・全ての債務の支払い義務が免除され、借金がゼロになる |
債務整理の4つのデメリットとメリットについては分かりました。
しかし、「結局自分は債務整理すべきなんだろうか…?」と思います。
手続きに踏み切るにも、なかなか勇気が必要ですよね…。
では、以上のメリット・デメリットを踏まえた上で、借金問題の専門家である弁護士が言う、債務整理に踏み切るべき3つの基準を紹介しましょう。
いずれかに当てはまる人は、デメリットは頭に入れつつも勇気を持って一歩踏み出すべきだと言えます。
とはいえ、いきなり手続きを始める必要はなく、まずは無料で弁護士に相談していることをおすすめします。
デメリット一覧 | 任意整理・特定調停 | 個人再生・自己破産 |
---|---|---|
1. クレジットカードを作れる? 住宅ローンを組める? キャッシングできる? |
5年以上不可能 | <個人再生>5年以上不可能 <自己破産>10年以上不可能 |
2. 家族や保証人に迷惑がかかる? | ほとんど影響はない | ・自分名義の家を失う ※個人再生では回避可能 ・家族が家族カードを作れない ・保証人に一括請求が届く |
3. 車は失うことになる? | 失わずに済む | <ローン完済前>ローン会社に引き上げられる <ローン完済後>金銭価値で20万円以上なら没収 |
4. 会社・家族・知人などにバレる? | バレない | 官報には載るがバレる可能性は少ない ※家族にはバレる |
任意整理と特定調停の違い
たしかに債務整理にはデメリットは存在しますが、4つのうちでも任意整理を選ぶとデメリットをなるべく小さくすることができます。
自分にとって適切な手続きは、債権額や返済期間、収入など人によって異なるので、まずは弁護士に無料相談してみましょう。 借金問題のプロが、あなた独自の借金に関する悩みを聞いた上で、最適な方法を判断します。