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債権回収会社からの通知、無視すると危険!きたらすぐに対応を

2020.09.02 更新

今枝 利光
弁護士法人サンク総合法律事務所

今枝 利光

この記事の監修

知らない会社から『債権回収』の通知が届いて不安...
このまま無視しても大丈夫?

債権回収とは、債務者が滞納している借金などを取り立てることを意味しています。

ある日突然、知らない会社から督促が届いても、それは自分の借金を取り立てる権利が別の会社に移ったということなので不思議なことではありません。

もし、借金の自覚があり、正式に認められた債権回収会社からの通知であれば、きちんとした対応をしなければなりません

ただし、借金や督促に心当たりがない場合、債権回収会社の名を使った詐欺の可能性もあるので注意が必要です。

このページでは

  • 債権回収の通知を無視するとどういったリスクがあるのか?
  • 債権回収会社への対処法
  • 許可を受けた債権回収会社などについて説明します。

この記事のポイント

まずは債権回収会社から一括請求の通知が来ます。
そのまま放置すると以下のリスクがあります。

  • 裁判に発展
  • 給与や家や預金などの財産が差し押さえられる
債権回収会社への対処法
借金の滞納に自覚がある場合 弁護士や司法書士に相談し、債権回収会社に分割払いや和解の交渉を依頼するなどの、解決方法を検討しましょう。
借金の滞納に心当たりがない場合 債権回収会社一覧(法務大臣許可)に名前が載っているか
・電話番号が一致しているか
掲載がなければ警察に通報するなど、しかるべき対処をしましょう。

個人での対応が難しい場合弁護士・司法書士等の専門家に相談することも一つの方法です。

相談は無料で行っている事務所もありますので、活用してみるといいでしょう。

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目次

債権回収って何?差し押さえの一歩手前です

債権回収とは借金や税金などの支払滞納を取り立てること

債権回収とは、債務者が滞納している借金などを取り立てることを意味しています。
債務の反対が債権です。したがって、回収する側にとっては債務回収ではなく、債権回収となります。

通常の債権回収は消費者金融などの貸主が行うものですが、滞納が続くなど不良債権化したものなどについては自社での回収をやめて、債権回収会社へ回収の委託や債権譲渡をする場合があります。

債務者からみれば、見知らぬ業者から取り立てられることになります。

債権回収会社(サービサー)とは?

債権回収会社とは別名でサービサーと呼ばれる、法的には債権回収だけでなく管理も行う企業のことです。

銀行や消費者金融など金融機関の関連会社となっているケースもあります。

違法ではない?債権回収会社は法律で認められている会社

債権回収業は弁護士法と特別措置法(サービサー法)で定められている

消費者金融や金融機関から債権回収を委託されたり、債権譲渡されたりする正式な債権回収会社は、違法な業者ではありません

債権回収会社については弁護士法72条但し書きと、債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)によって合法化されているのです。

具体的には、法務大臣の許可を受けた株式会社が債権回収業を営むことができます。
2020年3月1日時点で、法務大臣の許可を受けた業者は全国に76社存在しています。


参考:法務省HP

債権回収会社の取り立てと聞くと、不安に思う人がいます。
しかし、法務大臣許可の債権回収会社は法律で暴力団との関係がないことが要件となっている会社です。
その点では安心できます。

ただし、債権回収会社を装った詐欺事件も起きており、身に覚えのない請求には応じないことが肝心です。
詐欺師のなかには、実在の債権回収会社の名を騙(かた)る者もいるため、注意深く見る必要があります。

営業が認められた債権回収会社一覧

法務大臣許可の債権回収会社には、以下のような会社があります。

債権回収会社から通知が届いたらどうなる?今後起こりうる影響

取り立てや督促だけでなく、強制執行もあり得る

債権回収会社による取り立ての流れは、以下のようなものです。

はじめは、通常の督促状や電話などで支払いを求めてきます
取り立ての手段として早朝深夜に電話をかけることは違法ですが、日中の時間帯に電話をかけることは違法ではないため、電話によって督促されるケースはあり得ます。

次の段階に移ると、送られてくるのは内容証明郵便です。
このなかには、指定日までに支払いがない場合は法的手段の準備に入る旨の記載があります。

この段階を過ぎると、実際に法的手続きに進むことになります。
法的手続きになった時に届く書面が支払督促訴状です。
支払督促が届いて2週間以内であれば、異議申立は可能です。しかし、裁判で争うことになります。
支払督促でも訴状でも、裁判で和解できなければ、最終的に強制執行による差し押さえが執行されます。

※「借金返済で苦労している人が試すべき5つの選択肢」の記事を参照

ちなみに、債権回収会社が扱う債権は、特定金銭債権と呼ばれるものに限られます。
特定金銭債権とは、金融機関などの業者が有していた貸付金などの金銭債権などです。
一般人にとっては、貸し付けを行う業者からの借金のことだと考えておいて問題はないでしょう。

債権譲渡されても保証人や連帯保証人の義務はなくならない

債権が債権回収会社に譲渡された場合に、保証人や連帯保証人の立場がどうなるかについては、何も変わらないというのが答えです。

債権回収会社と直接、保証契約を交わしたわけではないですが、保証人や連帯保証人としての義務がなくなるなどということはありません

債権が別の会社に移った時に保証契約もそのまま移行されます。
したがって、保証人は、債権回収会社に債権が譲渡されたとしても、同様の保証義務を負います。

債権譲渡される=信用情報には傷がついている

債権譲渡が行われる段階では、信用情報に何も登録されていないことは考えられません。
貸金業者は、一定期間滞納が続いた時点で、信用情報機関に登録をします
つまり、ブラックリスト入りです。

ブラックリストに載ると、銀行や消費者金融などからの借り入れはもちろん、クレジットカードを作成することも困難になるでしょう。

無視できない?債権回収会社から通知が届いたらあなたがやるべきこと

【債権回収会社から初めて通知が届いた】―分割で払えるか交渉

債権回収会社から初めての通知が届いた場合、最初にすべきことは本当に自分の債務(借金)に関するものかどうかの確認です。
記載されている内容が身に覚えのないものであれば、詐欺の可能性があります。
また、法務大臣許可の債権回収会社でない場合も相手にしてはいけません。

しかし、間違いなく自分の債務に対するものであれば、きちんとした対応をすべきです。

債権回収会社からの通知の内容としては、例外はあるものの、一般に期限の利益の喪失が前提となっています。
つまり、分割払いはできないので一括払いするよう求められているのです。

まずは、連絡を取って支払方法について交渉できないか聞いてみてもよいでしょう。
債権回収会社も、手間をかけて取り立てるよりも、分割ででもちゃんと回収できたほうが得策と考える可能性があるからです。

【「法的措置をとる」と記載がある】―早急に和解へ

「法的措置をとる」旨の記載がある場合は、単なる脅しではなく、放置すると裁判に発展する可能性もあります。

法的措置とは、裁判所を使った回収手段を意味します。
具体的には、支払督促や訴訟提起です。
話し合いの段階は過ぎていることになるので、調停を申し立てる可能性は低いでしょう。

  • 支払督促…債権者の申し立てに基づいて支払いを命じる文書を出す、裁判所の手続き
  • 訴訟提起…いわゆる裁判

裁判所を通した手続きになると、知識が少ない一般の方には対応が難しくなります。
知識があったとしても、実際の行動などで負担が増えることは確実です。

【裁判所を通して支払督促が来た】―すぐに異議申し立てを

裁判所から支払督促が届いた場合は、受け取ってから2週間以内であれば「異議申し立て」が可能です
異議申し立ては、支払督促に同封されている書類に必要事項を記入し、郵送します。

異議申し立てをせずに2週間経過すると、債権回収会社は30日以内に「仮執行宣言」の申し立てを行います。

これは、強制執行を可能にするためです。
その後「仮執行宣言付き支払督促」が届きますが、「支払督促」同様に2週間以内であれば異議申し立ては可能です。しかし、この段階では執行停止の申し立てをしないと差し押えが行われる可能性があります。

異議の申し立てさえしておけば、その先は通常の訴訟で争うことになります。

【訴訟を起こされた】―強制執行される前に裁判に出廷

訴訟を起こされた場合は、答弁書などを提出して対応しなければなりません。
無視していると、欠席裁判で原告である債権回収会社の言い分が全面的に認められる可能性が極めて高くなります。
「どうせ勝ち目がないのだから同じことだ」と投げやりな気持ちになるかもしれませんが、状況が悪くなるだけです。

まずは、期日に出廷して和解を求めましょう。

債権回収において時効を成立させることは難しい

借金の時効が認められる条件

あまり知られていないかもしれませんが、借金にも時効は存在します。

法律上では債権の消滅時効と呼び、借金の返済義務がなくなるのですが、そう簡単な話ではありません。
借金の時効が認められるには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 時効となる期間が経過していること
  • 時効の援用をしていること

貸金業者から借りたお金の場合、5年経過すれば時効になります。
ただし、単純に5年が過ぎただけでは期間が経過したとはいえません。

厳密には、最後の返済日(返済していない場合は返済期日)の翌日から、後述する時効中断事由がなく5年を経過していることが求められます。

もし、途中で時効中断事由があれば、その時点から5年間(場合によっては10年間)経過する必要があります。
時効中断事由があるたびに、期間のカウントがリセットされるのです。

時効中断事由なく5年を経過したとしても、それだけでは借金の返済義務がなくなったことにはなりません。

時効の援用をしない限り、借金は残ったままです。
時効の援用とは、「時効になっているので払わない」という意思を相手方に表明することです。
援用を確実なものにするため、内容証明郵便などの記録が残る手段で必要事項を漏らさず記載します。

【時効の援用に欠かせない内容】

  • 時効援用者の住所や氏名、連絡先
  • 日付
  • 時効援用する債権の特定(※契約番号や借主の名義、借入金額、請求金額などの情報)
  • 時効完成の根拠(※最終弁済日の翌日などから、時効となる5年が経過していること)
  • 時効を援用すること(※これが肝心)

援用通知を債権者が読まなければ無効だと勘違いする人がいますが、時効の援用はあくまでも債務者側からの意思表示で足りるので、通知が債権者に到達すれば適用されます。

時効の援用ができないように債権回収会社は動いてくる

債権回収会社は、時効を完成させないことを考えるのが普通であり、5年が経過する前に時効中断策を打ってくるでしょう。
その手段には、主に以下のものがあります。

  • 債務の承認をさせる…借金を認めさせること
  • 一部弁済をさせる…1円でも払えば、時効はリセットされる
  • 支払督促…異議が出なければ強制執行が可能で、異議が出れば裁判になる
  • 訴訟提起…裁判を起こす

こうした手段を講じることで、時効を中断させられます。

もし、5年が経過する寸前に内容証明郵便が届いたとしたら、半年以内に請求訴訟を起こされる可能性もあります

それまでに5年が経過しても、安心はできないのです。
内容証明郵便などの裁判所を通さない請求は、法律上で催告と呼ばれており、時効中断事由にはなりません。
しかし、それから半年以内に訴訟を起こすなどすれば、時効を中断できます。

このように、債権回収会社が絡む借金が時効を迎える可能性はかなり低いと考えられます

時効を待つのではなく借金問題を解決する方法を検討しよう

時効の中断が繰り返されると、いつまで経っても時効が成立せず、援用もできません。
気長に待つような余裕のある話ではないので、時効を待つのではなく問題を解決する方法を検討することです。

債権回収の督促が届いた場合は弁護士や司法書士に相談するのも一つの方法

弁護士・司法書士に依頼すると督促は止まる

返済ができず、債権回収会社が納得する条件の提示もできない状況では、督促が続くことになります。

しかし、弁護士や司法書士に相談して、債務整理の依頼をすれば、督促を止めることができます。
債務整理を依頼すると弁護士や司法書士は受任通知という書類を債権回収会社に送ります。

債権回収会社は受任通知を受け取れば、その時点から本人への督促などの取り立て行為ができなくなります
これは、債権管理回収業に関する特別措置法に規定されているものであり、債権回収会社なら守らなければならない決まりです。

弁護士に依頼すれば債権回収会社との和解や異議申し立ても可能

弁護士や司法書士であれば、

  • 債権回収会社との和解に関する交渉
  • 支払督促に対する異議の申し立て

などあらゆる対応が可能で、依頼後は債権回収会社と接触する必要はありません。

自己破産以外にも借金を減らす方法はある

借金を払えない人が最後にとる手段として、自己破産もあります。
しかし、自己破産で必ず借金が免除されるわけではありません。

借金の免除は、破産手続き後の免責による効果です。
借金を増やした要因がギャンブルや浪費であるなどのケースでは、免責されないこともあります(※裁判所の裁量で免責になるケースもあり)。

そこで、自己破産をする前に、まずはほかの債務整理の手段を利用して借金を減らすことを検討しましょう
その手段とは、任意整理・個人再生です。

任意整理 債権回収会社との話し合いで、現実的な返済条件を決める
個人再生 特に住宅ローンを抱えているときに役立つ、借金減額の制度

弁護士・司法書士に相談することも検討しましょう

誰の力も借りずに自分で借金を解決したいと思っていても、自力での解決は容易ではありません

そこで、弁護士や司法書士に相談することも検討しましょう

債権回収会社への対応はもちろんのこと、自己破産すべきなのか、ほかの債務整理の手段を選ぶのがよいのかといったことも、専門家である弁護士や司法書士ならアドバイスしてくれるでしょう。

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